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予算管理の意義

予算管理の意義

【予算管理を考える】
予算の決定と管理は、会社を経営していく上ではなくてはならない最重要課題です。

 

なぜなら、「株主=経営者」などの会社を除けば、経営を存続できる唯一の道は利益をあげることであり、そしてその利益は正しく予算を決定し、管理していくことで生まれるためです。

 

そしてその予算の設定手法には様々な種類があります。

 

基本的には予算設定の出発点は目標利益であり、そこからその目標利益に合わせた売上高や費用などが設定されていきます。

 

よって会社では常に予算が存在し、その予算に従って経営者を含めた会社の従業員が日々の業務に取り組むこととなります。

 

そして期末には目標予算と実際の利益の検証が行われ、差異があればその差異が発生した要因が分析され、その要因を次の目標予算に活かすというPDCAサイクルによって予算精度は高まっていきます。

 

しかし、往々にして予算の管理は大雑把になる場合が多く、いわゆる「どんぶり勘定」で経営が行われるというケースも少なくありません。

 

また、経営者の一存でそれまでの予算が一気にひっくり返るということもよくあります。

 

もちろん状況によって予算が変更されることも時には必要ですが、それはあくまでも数値による裏付けが必要であり、単なる「その場の思い付き」によって行われるべきものではありません。

 

また、急な予算変更は、現場に混乱が生じるということも考慮しなければなりません。

 

ここでは、予算を「計画的に管理する」ことの意義を考えてみましょう。

 

 

【予算管理の意義】
予算管理を適切に行うということはどのようなことなのかを考えてみましょう。

 

ここで、予算管理の重要性に関する例を挙げてみます。

 

以下の二つの会社は、個人と法人の双方に防災グッズを販売している会社です。

 

(a社)
今年度の法人の防災グッズの売上が好調であった。
 ↓
そこで来年度も大きな利益が見込める「法人」を営業先の主体とすることとし、営業体制も変更、個人よりも法人に対する目標利益を高め、法人への営業活動に人員を割いて販売活動を行った。

 

 

(b社)
今年度の法人の防災グッズの売上が好調であった。
 ↓
しかし市場の状況や営業部門へのヒアリングの状況などから、今後は購入が一巡した法人よりも「個人」の売上が伸びると判断、個人への販売活動を重視することとし、個人向けのグッズを充実させて販売活動を行った。

 

 

上記から、(a社)と(b社)では、同じ状況の中でも正反対の決断をしたことがわかります。

 

そして結果的には、個人向けの販売を強化した(b社)に軍配が上がりました。

 

リスク管理体制の整っている法人の防災グッズ需要は一巡しており、その後は個人が防災に関する危機感を持ち始めて需要が増加したからです。

 

これはあくまでも結果論です。

 

しかし仮に今回も法人需要が多く、(a社)に軍配が上がったとしても、それは「たまたま」ということになります。

 

なぜなら、(a社)では今後の市場の需要予測やこれまでの営業活動の分析などは行われず、「今年よかったから」という理由で法人向けの販売体制を強化したからです。

 

これに対して(b社)では会社として市場の需要予測やこれまでの営業活動の分析などを行い、(b社)として根拠を持って主要販売先を個人に転換しています。

 

そして(b社)のように根拠のある予算設定を行った場合、もし個人需要が伸びなかった場合でも市場分析のどこに誤りがあったのか、あるいは営業部門のヒアリング方法は正しかったのかを検証することができ、判断のどこに誤りがあったのかを把握して、次につなげることができます。

 

このように、まず会社が目標とする利益を設定したとしても、その利益に対する具体的な根拠が明確になっていなければ、その利益を達成するにはどのような予算設定をすればよいのかのコンセンサスが生まれず、部門や担当者それぞれが独自に努力することになってしまいます。

 

(a社)の例で言うと、今年売れなくなった理由が分からず、営業担当者などが闇雲に走り回って時間を浪費してしまうことになるのです。

 

一人一人が独自に努力したとしても、そこに根拠がなければ努力が空回りになってしまう可能性が高いのです。

 

会社、そして各部門ごとに根拠のある指標があって初めて、それぞれが同じ方向を向いて行動することができることとなり、その進捗や結果を見直すことによって次に活かすこともできるようになるのです。

 

PDCAが回るようになるということです。

 

 

【予算管理上の注意点】
そしてこの予算管理を行う上で、注意しなければいけないことがあります。

 

それは以下の点です。

 

1.予算管理が部署だけでクローズするのではなく、全社的に管理されること
2.予算管理に関する手法が各部署で統一されていること
3.担当者レベルでも積極的に予算管理に参加できる体制が整っていること

 

つまり、予算管理は全社的に同じシステムで運用管理され、かつ最も顧客の近くにいる現場の意見が考慮されたものでなければならないということです。

 

予算管理は、今後の会社経営を占う意味で、最も重要なファクターである言えます。

 

会社として全員が参加でき、かつ根拠のある予算管理が必要だということを認識しておきましょう。

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