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企業の総合力を分析 その2

企業の総合力を分析 その2

【自己資本利益率(ROE)】
自己資本利益率(以下ROEと表記します)とは、会社の自己資本に対してどのくらいの当期純利益をあげたかを示すものです。

 

当期純利益を使用するのは、主に株主の出資からなる自己資本と比較を行うために、「株主に還元できる利益」である当期純利益が適しているためです。

 

ROEを求める計算式は以下になります。

 

ROE=当期純利益÷自己資本×100

 

ではROEを求めてみましょう。

 

ここでも、自動車部品製造会社の当期の例を使って計算してみましょう。

 

当期の自己資本(純資産)は6000万円、当期純利益は520万円ですので、ROEは以下になります。

 

ROE=520万円÷6000万円×100 ≒ 8.67%

 

よって自動車部品製造会社の当期のROEは8.67%です。

 

この比率も高ければ高いほどよいと言えます。

 

高いほど株主資本を有効に活用していると考えられるためです。

 

 

≪ROEを高くするための方法≫
では、今度はROEの改善方法を考えてみたいと思います。

 

ROEについてはROAよりも若干複雑になりますが、以下のように計算式を分解できます。

 

ROE=当期純利益/自己資本×100=(当期純利益/売上高)×(売上高/総資産)×(総資産/自己資本)×100

 

これらの3つの項目のすべてあるいはいずれかを高めれば、ROEは高まるということになります。

 

そして「当期純利益/売上高」、「売上高/総資産」についての考え方はROAと同じです。

 

当期純利益には特別利益と特別損失が含まれますが、これらは一過性のものであるために、基本的にはROAで行った改善策を取ることが望ましいといえます。

 

次は「総資産/自己資本」です。

 

これは、財務レバレッジと呼ばれるものです。

 

単位は「倍」になります。

 

レバレッジとは、「てこ」という意味です。

 

会社がいかにうまく「てこ」を使って「何倍に」資産を増やしているかという指標です。

 

つまり、分子の総資産が分母の自己資本よりも大きければ大きいほど、「負債」を活用して資産を増やしているということです。

 

別の言い方をすると、「いかに借金をうまく活用しているか」ということになります。

 

しかし借金の活用という言葉はイメージがつかみにくいので、実際に自動車部品製造会社の場合で考えてみましょう。

 

自動車部品製造会社の財務レバレッジは以下のようになっています。

 

財務レバレッジ=総資産/自己資本=1億4000万円/6000万円 ≒ 2.33倍

 

自動車部品製造会社では、負債を使うことによって資産を2.33倍に増やしているということです。

 

より具体的には、本来なら6000万円分しか購入できない資産が、借金することによって1億4000万円分購入できているということです。

 

そしてこれは実は会社経営だけの話ではなく、私たちの日常でもあり得る話です。

 

例えばクレジットカードです。

 

私たちは今現在貯金がなくても、クレジットカードを使えば決まった範囲内であれば買い物をすることができます。

 

これは借金を活用していることとなり、財務レバレッジを活用しているということなのです。

 

つまり、この財務レバレッジを高めればROEは高まるということです。

 

しかしながら、注意点があります。

 

それは、「安全性」が低下するということです。

 

当たり前ですが、クレジットカードは使いすぎると支払いが厳しくなり、下手をするとカード破産などということになってしまいます。

 

会社の借金もこれと同じです。

 

財務レバレッジを高めるために負債を多くしすぎるとROEが高まる半面、倒産リスクも高まります。

 

よって、適度な範囲内で財務レバレッジを考えるということが必要になります。

 

以上が総合力の分析です。

 

この2つは会社の財務の根本ともなる考え方なので、ぜひ理解しておくようにしましょう。

 

 

前のページ 「企業の総合力を分析 その1」

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