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会計公準と企業会計原則 その3

会計公準と企業会計原則 その3

≪損益計算書原則≫
損益計算書原則では、以下のことが定められています。

 

・損益計算書の本質
損益計算書の本質とは、一会計期間のすべての収益と、これに対応するすべての費用を記載して経常利益を表示し、これに特別損益を加減して当期純利益を表示するということです。

 

そして「発生主義の原則」により、費用及び収益は発生した期間に正しく割り当てなければならず、収益については「実現主義の原則」により、未実現収益は原則として当期の損益計算に計上することはできません。

 

また、「総額主義の原則」により、費用の項目と収益の項目を相殺することによって除去してはならず、「費用収益対応の原則」により、費用及び収益は、各収益項目とそれに関連する費用項目を対応表示させなければなりません。

 

上記は一つ一つを見ると、一般原則を考えても確かにその通りと思う内容です。

 

しかし、実は矛盾があります。

 

例えば未実現収益があったときに実現主義を採用して実現した段階で計上すれば、それに対応する費用も費用収益対応の原則によって収益に対応させなければならなくなります。

 

そうすると、その費用は発生主義の原則に反することになるのです。

 

このように、原則はあくまでも原則であって、実際の対応方法はその企業が判断せざるを得ないのです。

 

このことから、会計にはその企業の方針が反映されるもので、決して画一的ではないということがわかります。

 

そして少なくともそれぞれの企業方針をコロコロと変更させないようにするために、一般原則に「継続性の原則」が設けられているのです。

 

これらを今ここで全て理解するのは難しいと思いますので、今後の記事を読みながら徐々に理解していきましょう。

 

 

・損益計算書の区分
損益計算書の区分とは、損益計算書には営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならないということです。

 

そして二つ以上の営業を目的とする会社は、費用と収益を営業別に区分して記載しなければなりません。

 

以上が損益計算書原則です。

 

 

≪貸借対照表原則≫
貸借対照表では、以下のことが定められています。

 

・貸借対照表の本質
貸借対照表の本質とは、「総額主義の原則」により、貸借対照表には資産、負債及び資本の総額を記載し、資産の項目と負債または資本の項目を相殺することで除去してはならないということです。

 

また、資産の合計は常に負債と資本の合計と一致していなければなりません。

 

 

・貸借対照表の区分
貸借対照表の区分とは、貸借対照表は資産・負債・資本に区分して記載しなければいけないということです。

 

資産は借方(左側)に、負債と資本は貸方(右側)に記載されます。

 

そして貸方は、上から負債・資本の順に記載されます。

 

 

・貸借対照表の配列
貸借対照表の配列とは、資産及び負債の配列は流動性配列法によるものとし、流動性の高い流動資産や流動負債から順に記載しなければいけないということです。

 

ただし、通信インフラや電力業界などの固定資産が中心となっている企業では、固定資産から記載されている場合もあります。

 

 

・貸借対照表の分類
貸借対照表の分類とは、資産、負債及び資本は、一定の基準に従って明瞭に分類する必要があるということです。

 

例えば1年以内に現金化される資産は流動資産とするなどです。

 

 

・資産の貸借対照表価額
資産の貸借対照表価額とは、貸借対照表に記載する資産の価額は原則として取得原価にしなければならないということです。

 

よって、例えば土地などは貸借対照表の取得原価と現在の時価が大きく乖離している場合もあり得ることになります。

 

以上が貸借対照表原則です。

 

 

そして損益計算書原則でも触れたように、これらの原則はあくまでも大原則であって、詳細な会計方針はやはり企業によって異なります。

 

完全に画一的に行うことができないのは、企業経営は非常に複雑であるため、厳格な基準を設けてしまうとかえって実態を表すことができなくなる可能性があるためです。

 

よって、重要な会計方針は企業ごとに個別に開示されなければなりません。

 

そしてそれらの情報を利用しながら、外部関係者は財務諸表を確認していくということになります。

 

会計公準、企業会計原則ともに具体的なイメージがわきにくいため、「わかるようでわからないもの」とも言えますが、これらの前提をおぼろげながらでも知っておくと、その後、財務会計を学ぶ際に非常に役に立ちます。

 

少しずつこれらの前提を理解していきましょう。

 

 

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