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責任会計システム

責任会計システム

【責任会計システムとは】
会社は所有者が株主、経営上の責任者が社長です。

 

よって経営者は、所有者である株主に対して経営責任を負っています。

 

経営がうまくいかなければ、その最終責任は社長にあるとみなされます。

 

そして、会社の内部組織には組織のトップとなる責任者が存在します。

 

例えば営業部で言うと責任者は営業部長です。

 

営業部長には、営業部という組織を代表して、担当者の教育や組織そのものの管理を行うという責任があります。

 

よって、例えば営業部員が何らかの不祥事を起こす、あるいは組織内で会社の利益を損なう揉め事のようなことが起こることがあれば、その責任はまず担当者、そしてそのような事態を起こしてしまった営業部、担当者や組織管理ができていない営業部長、そして最終的に会社全体の管理ができていない社長にあると判断されます。

 

そしてこの「組織に関する責任」という考え方を会計にまで広げ、組織が会計上の責任も持つというのが「責任会計システム」という考え方です。

 

組織がその責任を持てる範囲内で会計に関する責任を持つ、あるいは逆に言うと組織が会計に関する権限も与えられ、その結果が評価対象になるということです。

 

そして責任会計システムは通常の組織管理同様、責任者を中心として組織内の全員にその責任が生じることとなります。

 

このため、責任会計システムと組織とは密接なかかわりを持ちます。

 

 

【責任会計システムに必要な考え方】
責任会計システムは、その責任が会計にも及び、それが評価対象となることから、以下の内容を明確にした上で採用されます。

 

1.組織形態
2.部門による責任の与え方
3.業績評価方法

 

これらの事柄が明確になっていなければ、誰に(どの組織に)どこまで責任を与えるのか、その責任はどの程度強いものなのかなどがあいまいになってしまうからです。

 

そして責任に関してあいまいなままに責任会計システムを採用することは、評価基準を明確にすることができずにあいまいなものとなってしまい、結果的に従業員の不満を招くものとなってしまいます。

 

よって、上記3点についてしっかりと明確にしておく必要があります。

 

 

【責任会計システムの注意点】
責任会計システムは、その評価が「決められた責任の範囲内における数値的な評価」となって比較的客観的になされることとなります。

 

客観的に評価できることは、公平性という意味では会社にとってよいことです。

 

しかし気をつけなければならないこともあります。

 

例えば数値による評価が難しい部署については、その評価を完全に客観的に行うことはできません。

 

当然部署によってその仕事内容は異なるため、評価方法が異なるのは当然ですが、あまりに違いが大きいということになると不公平感を招き、部署と部署による連携が難しくなる可能性があります。

 

また、責任と評価を完全に一致させてしまえば、予期せぬ外部環境の変化などによって目標が達成できなかった場合でも、その責任を丸抱えしなければいけなくなってしまいます。

 

本来は外部環境によるアクシデントは、会社全体として公平に評価対象とすべきものであり、関係する一部の部署を評価対象とするべきではありません。

 

しかし実際には、評価作業を簡素化するために、そのようなアクシデントの評価を一部の部署にだけ行うというケースも少なくはありません。

 

そのような場合は、「組織では管理できないことに対しても責任を持たされる」という思いが生まれ、その部署の従業員のモチベーションは下がることとなります。

 

ただ機械的に評価をするだけではなく、そのような状況の変化にうまく対応できる評価システム作りが必要となるということです。

 

責任会計システムは、方法によっては従業員の「経営に対する意識」を高めることができ、会社にとって非常に有効なものとすることができるシステムです。

 

組織や評価は、会社の未来を決める足がかりとなる重要な決定事項です。

 

より理解を深めるようにしましょう。

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