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戦略的意思決定3(金銭の時間的価値)

戦略的意思決定3(金銭の時間的価値)

【金銭の時間的価値】
戦略的意思決定は経営の根幹となる戦略です。

 

よってその意思決定を行う際は様々な要素を考慮する必要がありますが、中でも非常に大切になってくる考え方が、「金銭の時間的価値」をどうするかということです。

 

原則として戦略的意思決定は未来に対して行われます。

 

よって例えば3年後に100万円の収入が見込まれたとしても、それは現在の100万円ではなく、3年後の100万円です。

 

普通に考えると現在の100万円と3年後の100万円に違いはありません。

 

そして実際に意思決定を行う際も、この時間的価値を考慮しない場合もあります。

 

しかし会社は日々の経営を行っていくこと自体に費用がかかってきます。

 

このため、より正確な意思決定を行うには実はこの「金銭の時間的価値」を考慮する必要があります。

 

では「金銭の時間的価値」とは一体どのようなことかを考えてみましょう。

 

 

【金銭の時間的価値を感覚で考えてみる】
まず理論的な話は置いておいて、お金の時間的価値について感覚で考えてみましょう。

 

ここでは2つの例を挙げてみます。

 

 

≪例1≫
Sさんは家電量販店で最新型のテレビを買いました。

 

そして支払いをしようとするとき、レジの担当者にこう聞かれました。

 

「テレビは10万円です。今10万円支払うのと、3年後に10万円支払うのではどちらがいいですか?」

 

A.今10万円支払う
B.3年後に10万円支払う

 

 

≪例2≫
Yさんの会社では年に2回ボーナスが支給されます。

 

そしてボーナスの支給直前に、Yさんは上司からこう聞かれました。

 

「ボーナスは50万円です。今50万円受け取るのと3年後に50万円受け取るのではどちらがいいですか?」

 

A.今50万円受け取る
B.3年後に50万円受け取る

 

 

いかがでしょうか?

 

感覚で考えても、おそらく誰もが例1ではBを、例2ではAを選ぶはずです。

 

なぜなら、お金の支払いをする場合はできるだけ後のほうが、受け取りをする場合は先のほうがいいと感覚的に感じるからです。

 

果たしてその考えは正しいでしょうか。

 

 

【金銭の時間的価値を理論的に考えてみる】
では理論的に考えてみましょう。

 

実は「例1ではBを、例2ではAを選ぶ」という感覚は、理論的にも正しいと言えます。

 

なぜなら、例1の場合は今払わずに3年間の定期預金などに預けておき、3年後に支払えば3年間の金利分「得した」ということになるからです。

 

例2の場合も、今もらって同様に定期預金などに預けておけば、3年後にもらうよりも金利分「得した」ことになります。

 

戦略的意思決定(金銭の時間的価値)

 

このように、社会に「お金を貸せば、その金額と期間に応じて金利がつく」という概念がある限り、お金は「未来よりも今手元に持っているほうが得」ということになるのです。

 

つまり、金銭の時間的価値は「現在の価値>未来の価値」なのです。

 

 

【未来の金銭的価値を現在に置き換えてみよう】
ここまでで、金銭の時間的価値というのは「現在の価値>未来の価値」が正しいということがわかりました。

 

そして戦略的意思決定は未来について行われます。

 

よって未来になればなるほど、金銭の時間的価値は下がっていくことになります。

 

ではその計算方法を考えてみましょう。

 

まずは現在のお金の価値が未来になるとどうなるかを考えましょう。

 

「現在の価値>未来の価値」ということは、未来になると現在のお金は増えていることになります。

 

そしてそれは以下のように証明できます。

 

1年後の金銭価値 = 現在の金銭価値+(現在の金銭価値×金利)
  = 現在の金銭価値×(1+金利)

 

1年後の金銭価値は、現在の金銭価値に比べて(1+金利)をプラスすることで同じ価値となります。

 

これを現在の金銭価値を基準に置き換えてみましょう。

 

現在の金銭価値 = 1年後の金銭価値÷(1+金利)

 

現在の金銭価値は、1年後の金銭価値を(1+金利)で割ることで計算できることになります。

 

そしてこれが複数年先の場合は、複数年分の金利で割ります。

 

そしてこの際は「複利」という考え方を使って、現在価値に割り引きます。

 

例えばn年後の金銭価値を現在の金銭価値に置き換えた場合は、以下のようになります。

 

現在の金銭価値 = n年後の金銭価値÷(1+金利)n

 

金銭の時間的価値は、慣れるまではその価値判断がわかりにくく感じるものです。

 

しかしまずは感覚から始め、それを理論に置き換えることでわかりやすくなります。

 

ここでは、まだ感覚的に理解できていれば問題ないです。

 

少しずつ取り組んでいきましょう。

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