「販売戦略」の作成
今回は販売戦略の作成について説明していきます。
この文章を読むことで、「販売戦略の間違い」「正しい販売戦略」について学ぶことができます。
販売戦略を考える
事業計画書の中では「販売戦略」を盛り込んでいきます。
なぜなら、商品・サービスが良くても販売戦略を間違えば、「商品・サービスが売れない」、または「余計な経費をかけてしまう」ことになるからです。
販売戦略を間違ってしまうケースには、以下のようなことが考えられます。
1.ニーズがあるのに提供できない
2.顧客に「良さ」が伝わっていない
3.ニーズがないのに販売しようとする
つまり、これらを回避することができれば販売ができるようになります。
各詳細を見ていきましょう。
1.ニーズがあるのに提供できない
顧客がその商品やサービスを欲しいと思っている(ニーズがある)状態であるのに、商品・サービスを提供できない状態です。
商品・サービスの開発の遅れという意味ではなく、販売戦略にミス(販売経路を確保していない、販売体制が整っていないなど)がある場合です。
これではせっかく良い商品・サービスがあっても販売できません。
従って、どのように販売をしていくのか(販売経路、販売体制)を早急に整える必要があります。
2.顧客に「良さ」が伝わっていない
質の良い商品・サービスがあり、さらに顧客ニーズがあるにも関わらず売れないということもあります。
例えば、他社商品に比べて性能は自社商品の方が良いのに、それを販売戦略(マーケティング)で伝えきれていないがために、他社商品に顧客が流れていってしまっているパターンです。
単に商品・サービスを並べているだけではその「良さ」は伝わりまりません。
どのように顧客ニーズに合致した商品・サービスであるかを訴えるのか、その方法を検討する必要があるのです。
3.ニーズがないのに販売しようとしている
顧客のニーズがないのに販売しようとしても売れません。
しかし、顧客のニーズをつかまずに販売戦略を立てればこのようなことになりかねません。
例えば、冬物のコートを夏に売ろうとしても売れません。また、小学生向けの商品を大人に売ろうとしても売れません。
これらは極端な例ですが、顧客のニーズをつかまないまま販売戦略を立てているということは、まさにこれらと同様の事をしているのです。
よって、顧客のニーズを先に知っておく必要があります。
以上のことからわかるように、以下の3点が正しい販売戦略となります。
1.「販売経路、販売体制を整備する」
2.「商品・サービスの良さを伝える」
3.「顧客のニーズを把握する」
これらがいかに整っているか、またはどのように整えていくのかを事業計画書に書くことによって、その事業の販売・売上の状況が想定できるようになるのです。
<事例>
Pさんは和菓子の製造販売を行っています。年々売上も伸びてきており、今回事業拡大のために銀行から融資を受けようと考えています。
そのために事業計画書を作成することにしました。その中で、自社の販売戦略をまとめていきました。
元々は、自社店舗のみで販売をしていましたが、商品が評判を呼び、地域のスーパーマーケットにも販売経路を広げています。
これによって、今までアプローチできていなかった地域の顧客層を取り込むことに成功しました。
また、自社商品の良さを伝える工夫もしました。
これは自社店舗のみで販売している時からSNSを活用し、「美味しさ」をアピールした結果が販売路経路拡大にもつながっています。
そして、夏には和菓子の販売量が下がるのですが、そこで夏菓子を開発することにより、暑い時期の顧客のニーズを見つけ、販売量減をカバーしたのです。
これらの販売戦略を事業計画書に記載することによって、銀行の融資担当者にもしっかりアピールすることができました。
<解説>
Pさんは初めから「販売経路を確保」し、「商品の良さを伝えて」「顧客のニーズを把握していた」わけではありません。
しかし、販売を伸ばすために工夫をしていく中で、上記のような販売戦略を編み出していったのです。
まとめ
・「商品・サービス」が良くても、販売戦略を間違えば「商品・サービスは売れない」、または「余計な経費をかけてしまう」ことになる。
・以下のケースを回避すれば販売できるようになる。
1.ニーズがあるのに提供できない
2.顧客に「良さ」が伝わっていない
3.ニーズがないのに販売しようとする
・販売戦略では以下の3点を盛り込んでいく。
1.「販売経路、販売体制を整備する」
2.「商品・サービスの良さを伝える」
3.「顧客のニーズを把握する」
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