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分析対象の特徴をつかむための4つの視点 その4

分析対象の特徴をつかむための4つの視点 その4

<視点3.目標との差・時間ごとの差を調べる>
 分析を分析で終わらせてしまっては、企業の発展につながりません。
言うまでもなく、実際に対応策を行動に移してこそ、意味のある分析となるのです。

 

そのためには、行動の指針となる「現状分析→本来ならどうあるべきか?」を明確にすることが必要です。

 

しかし、時間をかけて膨大なレポートを作成し、上層部にプレゼンテーションすることで、社内だけで満足してしまう事例は往々にしてあります。

 

無駄な会議と同様、そういった慣例に基づいた非効率的な行動は厳に慎むべきでしょう。

 

分析結果から、「本来ならどうあるべきか?」を明確にするためには、三つ目の視点である『目標との差・時間ごとの差』を調べることが大切です。

 

 「目標との差」を調べる場合には、中長期の経営計画におけるさまざまな数値(売上高、利益率、経費、商品価格、顧客満足度、性能など)が比較対象になります。

 

あらかじめ目標数値を設定しておくことにより、それがペースメーカーとなって、現状及び今後の行動を是正してくれるのです。

 

ただし、実効性を伴わない目標設定は意味がありません。

 

当初から達成できそうにない目標を掲げて、「達成未達が前提となっている」状況を作り出してしまっては、惰性で行う「目標設定のための目標設定」になってしまうのです。

 

Bが運営する工場も、無理な納期目標が従業員の不満の種となってくすぶっていました。

 

 もうひとつの比較対象である「時間ごとの差」とは、現状と過去および未来との対比です。

 

時間ごとの差を調べる場合には、目標数値にとらわれず、数字の上だけで客観的に比較することが大切です。

 

過去と比べて業績が向上していれば評価し、悪化していれば是正するための方策を検討する。
そして、その検討結果を経年後の未来の数値と比較してみる。

 

そうした過程を経て、改善のサイクルを構築していくのです。

 

T社の業績は、数値的にも過去と比べて好調ですので、従来のやり方を今後も踏襲することが目下の指針となりました。

 

<視点4.「基本パターン」から「異なる特徴」、「異なるパターン」へ>
 最後の視点は、『「基本パターン」から「異なる特徴」、「異なるパターン」を見つける』です。

 

「基本パターン」とは分析結果から得られる法則性やルール、「異なる特徴」とは法則性やルールの例外、「異なるパターン」とは基本パターンとは違った法則性やルール(あるいは基本パターンが変化するポイント)のことです。

 

T社の事例では、今回のクレームによって、「基本パターン」としての地域密着型運営を再確認することとなりました。

 

取引先と工場との距離が近いことにより、お客さまの要望を忠実に再現できていたこれまでの運営体制。
それが、顧客満足度を下支えしていたのですね。

 

二代目のBが独自の工場を任されてからは、「異なる特徴」として、ドライな工場運営によって新規顧客の獲得が促進されることも明らかになりました。

 

従来の地域密着型という強みを生かしつつ、数値ベースのシビアな戦略も今後は模索する必要があるかもしれません。

 

時代の要請ということもあるでしょう。

 

また、C部長の分析では、今後、会社を大きく成長させるためには、良い製品を提供するということだけでなく、その後の「アフターケア」についても力を入れるべきという結論に至りました。

 

これまでの職人気質な発想だけでは、取引先から選ばれなくなる可能性があります。

 

クレームの発生によって気付かされたT社の問題点は、受注からアフターケアまでを行うべきという、従来とは「異なるパターン」への移行を暗に促しているのかもしれません。

 

そういった意味においては、A社長がクレームをチャンスと判断したことは正しかったと言えるでしょう。

 

 

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