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分析対象の特徴をつかむための4つの視点 その5

【現状分析の基本「細かくする」「まとめる」】
 最後に、これまでに学んできた現状分析の基本をおさらいするため、「細かくする」と「まとめる」という2つの分析方法について考えていきます。

 

4つの視点もそうなのですが、分析における方法論としての基礎は、分析対象を「細かくする」かあるいは「まとめる」という2つの作業に集約されます。

 

この2つの手法を駆使することによって、特別な知識がなくても、詳細な分析を行うことは十分に可能です。

 

これまでに解説してきた4つの視点について、あらかじめ理解しておくことはもちろん大切なことですが、必ずしもそれらを暗記する必要はありません。

 

それよりも、俯瞰的・多角的な視点が、分析対象を「細かくする」「まとめる」のいずれかによって生まれていることを把握しておきましょう。

 

それぞれのポイントは以下のとおりです。

 

<現状分析の基本1.「細かくする」>
 「細かくする」分析方法は、分析対象が長期的に変わらないもの、あるいは変わりにくいものの場合に有効な手法です。

 

たとえば「営業方法」については、人と人とのやりとりが基本ですので、経年によって根本部分に大きな変更はありません。

 

相手の意向と自社の意向を叶えるべく、いかにwin-winの関係を築けるかを模索することが、もっとも大切なことですね。

 

そこで、「細かくする」分析方法によって営業に関するすべての事項を分解し、最適な営業方法を研究することで、社内で共有可能なマニュアルを作成することができます。

 

もちろん、時代の流れに沿ったカスタマイズも欠かせません。

 

そのようにして作られた営業マニュアルを参考にし、業績の推移をチェックしつつ、「人海戦術」「プロモーションの工夫」「全社的なツールの利用」などの戦略を模索していくのが、時代の流れに耐えうる営業方法です。

 

<現状分析の基本2.「まとめる」>
 「まとめる」分析方法は、分析対象が時代の流れや一時的なブームに左右されやすい場合に有効な手法です。

 

関連する要素をひとまとめにし、物事を大きくとらえることで、素早い意思決定を可能にするのです。

 

たとえば、スマートフォン向けアプリを開発しようとする場合に、いちいち「アプリの歴史」や「ユーザーの嗜好の推移」、「今後の市場予測」などの細かい部分まで分析していては、いつまで経ってもアプリをリリースすることはできません。

 

それよりも、トライ・アンド・エラーを前提として、ユーザーの意見に耳を傾けながら改良を加えていくという方針のほうが、素早いリリースにより流行をとらえられる可能性が高まります。

 

つまり、時間をかけて詳細な分析を行うのではなく、「「巷での流行」「競合他社数社によるリリース」「海外の動向」などから、大きな枠でとらえると『ニュースアプリ』が今熱い=わが社も提供すべき」という、「まとめる」思考ですね。

 

スマートフォンというデバイスがいつまでもスタンダードであるという保証はありません。
しかし、たとえ曖昧な結論でも、情報をまとめてスピーディーに意思決定するほうが良い場合もあるのです。

 

【まとめ】
・重要な決断は詳細な現状分析のもとに行われるべき

 

・正しい現状分析には俯瞰的な視点が欠かせない

 

・分析対象の特徴や傾向をつかむための指針には「4つの視点」がある

 

・現状分析の基本は「細かくする」と「まとめる」の2つ

 

 

前のページ 「分析対象の特徴をつかむための4つの視点 その4」

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