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検証の際の5つの注意点 その4

検証の際の5つの注意点 その4

【検証の際の5つの注意点】
それでは、検証の際の5つの注意点について、個別に解説していきましょう。

 

いずれの項目についても、ごく一般的に行ってしまいがちなことばかりです。

 

仮説・検証の場面だけでなく、日常的な思考においても応用できることですので、ご自分の考え方のクセと照らし合わせながら読み進めてみてください。

 

 

<注意点1:検証の材料を集めすぎてしまう>
そもそも検証作業というのは、仮説を肯定あるいは否定するための材料を集め、分析するための試みです。

 

その過程のなかで、仮説がより磨かれていき、最終的な意思決定がより洗練されていくのですね。

 

しかし、材料を無闇に収集しすぎてしまえば、判断するのが難しくなってしまう恐れもあります。

 

あらかじめ必要な材料に目星をつけておき、意思決定をスムーズに行うという目的を忘れないようにしましょう。

 

 

<注意点2.スピード感を無視した完璧主義>
検証の精度を高めようと努力することは大切です。

 

それは、初期仮説が良質であればあるほど、意思決定がより本質に近づくことと同様に、最終的な判断につながる重要なことと言えるでしょう。

 

ただ、ビジネスの現場において100%はありえません。

 

仮説・検証のサイクルをくり返し回すことを考えても、ある程度の正しさでとどめ、前に進めていくことが求められているのです。

 

ましてや、保身ベースの完璧主義などは弊害でしかありません。

 

検証の際の5つの注意点

 

 

<注意点3.収集したデータのかたより>
情報収集には様々な方法があります。

 

Gさんが行ったインタビューもそのうちのひとつですが、他にも統計データを参照したり、定点観測、あるいは街頭アンケートなども有効でしょう。

 

なかでも、インタビューやアンケートを実施する際には、対象者の属性にかたよりがないかどうか注意すべきです。

 

もし、特殊な仕事に携わるひとばかりが対象であれば、世間一般の意見を収集することはできません。

 

また、対象者の数が限定的であれば、おのずとかたよりが生じやすいことも意識しておきましょう。

 

 

<注意点4.検証者の思い込みやバイアス>
「収集したデータのかたより」にもつながることですが、収集元データのかたよりだけでなく、検証者本人に思い込みや思考のバイアスがある場合には、正しい検証を行うことはできません。

 

検証者が、はじめから何らかの固定観念を抱いている場合はもちろん、インタビュー対象者に対して特定のイメージを抱えていれば(たとえば、茶髪の人間=若い、不真面目など)、客観的に分析した検証結果が得られないのは明白でしょう。

 

そうした思い込みやバイアスがあると、例外を無意識に排除してしまう恐れもあります。

 

検証の際の5つの注意点

 

 

<注意点5.初期仮説に対する固執・盲信>
初期の仮説構築に時間や労力をかけるほど、それに対して固執あるいは盲信してしまうことがあります。

 

苦労して導き出した、あるいはしっかりと時間をかけたから間違いないに違いない、という気持ちは理解できなくもありません。

 

ただ、往々にして初期仮説は間違っていることが多いのです。

 

それどころか、検証という作業は、仮説の正しさを証明するために行うのではなく、仮説をより良い意思決定に結びつけるための活動なのです。

 

正しいかどうかを気にするのではなく、最終的なゴールを目指して精度をあげましょう。

 

検証の際の5つの注意点

 

 

【検証の精度をいかに高めるか】
最後に、組織単位で検証の精度を高める方法を考えていきましょう。

 

そもそも、業種や会社の規模によっては、情報収集の限界があります。

 

定例的にインタビューやアンケートを行っていたり、すでにビックデータを所有している企業であれば、精度の高い検証は比較的容易に行えます。

 

歴史のある職種なども同様でしょう。

 

過去のデータを活用すれば、仮説の正しさ(あるいは間違い)を証明できるかもしれません。

 

一方で、インタビュー対象者におのずとかたよりが生じてしまう業種や、アンケートに適さない商品(効果に個人差の大きい一般用医薬品など)を取り扱っている場合は、検証が難しいでしょう。

 

歴史が浅い分野も、過去のデータがないために、予測で推し進めていかなければならない部分が多いかもしれません。

 

しかし、今からでも、仮説検証のプロセスを日常的に行うようにすれば、将来的には事業に生かせる可能性があります。

 

検証ができないとあきらめてしまうのではなく、方法論と仕組み化を模索していきましょう。

 

たとえば、新しいことに挑戦するのがあたり前だと考えられてきたベンチャー企業において、初期仮説に対するいい加減な検証しかしていなかった場合に、より慎重に検証を行うことによって、それが差別化につながることもあります。

 

最終的には、検証のプロセスそのものがその企業の強みとなり、業界でも抜きん出る存在になれるかもしれませんね。

 

常識や慣例は、必ずしも正しくはないのです。

 

 

【まとめ】
・仮説の構築が早ければ、それだけ検証のサイクルを早く回すことができる

 

・検証には5つの注意点がある
 1.検証の材料を集めすぎてしまう
 2.スピード感を無視した完璧主義
 3.収集したデータのかたより
 4.検証者の思い込みやバイアス
 5.初期仮説に対する固執・盲信

 

・100%完璧な仮説は存在しない

 

・ビジネス上の制約のなかで、いかに検証の精度を上げるかが大事

 

 

前のページ 「検証の際の5つの注意点 その3」

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