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イシューと枠組み その1

【「イシュー」と「枠組み」とは】
 与えられた課題に対してどのように考えるか。
あるいは、思考の方向性や道筋をどのように構築するべきか。

 

その指標となるのが「イシュー」と「枠組み」です。

 

イシューとは課題を解決するために考えるべき問い、つまり“大きな問い”です。

 

たとえば、ある不採算部門に対して「継続するべきか or それとも撤退するか」という、問題の解決に直結する根源的な問いになります。

 

一方枠組みとは、イシューに答えるための複数のポイント、つまり“小さな問い”の集合体です。

 

該当する不採算部門について「市場のシェアはどのくらいか?」「市場の将来性はあるのか?」「本業との関連性は強いか?」「継続した場合、撤退した場合の会社に与える影響は?」「企業の強みを十分に生かせているか?」などになります。

イシューと枠組みの概要

 

 いずれも、課題に対してつねに照準を合わせるために必要な指標です。

 

もしこれらを設定していなければ、議論の主旨がブレてしまったり、思考の方向性が四方八方に向いてしまう恐れがあります。

 

場合によっては、建設的な議論をしていたはずが、気がついたらただの雑談になってしまっていた、ということにもなり兼ねません。

 

迷走による時間の無駄は、積み重ねると大きなロストなります。

 

例えるならイシューと枠組みは課題解決への道筋を指し示す「地図とコンパス」です。
ビジネスという先の見えない環境において、その役割は重要です。

 

【例題】
 それでは、例題を通じてイシューと枠組みがどのように機能しているのか見ていきましょう。

 

<例>
 今日はD社の月に一度の定例会議の日です。
役員はもちろん、営業部や企画部、社長室直属の事業戦略部のトップまで参加します。

 

この定例会は、毎回そうそうたるメンバーが揃うこともあって、重々しい空気で進行することが有名になっています。

 

この春から事業戦略部に配属されたAさんは、B部長から会議の進行を命ぜられました。

 

最初はちょっと憂鬱だったAさんも、内心この会議を変えてやろうと闘士を燃やしはじめました。

 

なぜなら、せっかく部門を超えて優秀な社員が集結しているのに、会議はほとんど機能していないと感じていたからです。

 

いわゆる、よくあるような「会議のための会議」となっていたのですね。

 

なので、従来のやり方を踏襲するだけでは時間の無駄になってしまいます。
自分が進行役になったからには変革を成し遂げたい。

 

 Aさんは同僚のC社員とともに準備をし、万全の体制で定例会に望みました。

 

その結果、会議が時間内に終了しただけでなく、各部門が今後何をすべきかが明確になり、いつになく有意義な定例会となりました。

 

<解説>
 Aさんは昨夜から徹夜で、これまでに開催された会議の議事録を分析しました。
その過程で、次のような共通した問題点を発見したのです。

 

・各部門がそれぞれの利害を主張することに躍起になってしまっている
・最終的にコンセンサスを得ることだけに焦点を合わせてしまう
・進行役がリーダーシップを発揮できていない

 

 これらの問題点を踏まえ、Aさんはイシューと枠組みを利用して会議の方向性を明確にし、リーダーシップを発揮しようと考えました。

 

ポイントは次の5つです。

 

・会議の最初に「大きな問い」と「小さな問い」を提示する
・各部門には小さな問いに対する意見だけを述べさせる
・報告はあらかじめレジュメにして目を通してもらうだけにする
・会議は進行役の自分が大きな問いへの明確な指針を表明するかたちで終了する
・大きな問いに対する答えは「Yes or No」の形式でまとめる

 

会議の問題点と改善策

 

 

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