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ロジックツリー その2

【原因追求のロジックツリー】
 まずは原因追求のロジックツリーから作成していきましょう。

 

分かりやすくするために、自社と取引先の問題点を「なぜ売上が伸びないのか」に設定します。

 

状況を改めて整理しますと、自社については自分の部下を説得するために、取引先については取引相手を説得するためにロジックツリーを活用します。

 

 企業の売上が伸びない理由はどこにあるでしょうか。
ここで大切なのことは3つあります。

 

1つ目が短絡的な答えを前提に考えないこと
2つ目ができるだけ具体的に理由を挙げていくこと
3つ目が「なぜ?」をくり返すことです。

 

上記を踏まえて理由をピックアップしていきます。
ざっと考えると次のようなものがあるでしょう。

 

<自社の場合>
?商品の差別化が十分でない(商品)
?価格が適切で無い(価格)

 

→さらに「なぜ?」を繰り返していくと……

 

?商品の差別化→(なぜ?)→シェアはどのくらいか?→(なぜ?)→差別化の必要性はあるか?/戦略は最適か?/商品はどのようなポジションにあるか?
?価格設定→(なぜ?)→他社製品との比較→(なぜ?)→顧客の満足度は?/利益率は?/数と質どちらを重視するか?

 

<取引先の場合>
?.販売チャネルが機能していない(チャネル)
?.営業の方法に問題がある(プロモーション)

 

→さらに「なぜ?」を繰り返していくと……

 

?.販売場所/流通経路→(なぜ?)→店頭販売と通信販売の違い→(なぜ?)→店頭のメリット・デメリット/通販のメリット・デメリット
?.営業方法/広告戦略→(なぜ?)→営業マンの人件費/既存広告とインターネット広告→(なぜ?)→営業マンの利益効率は?/既存広告・インターネット広告のそれぞれの効果は?

 

今回はとくに問題を一般化するために4P(製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion))に根ざしてポイントを4点に絞りました。

 

実際の現場ではより具体的な問題点を探してみてください。

 

4Pのようなフレームワークを活用する利点としては、漏れなくダブりなく問題点を把握できることがあげられます。

 

当初の段階で何らかのフレームワークを活用することはロジックツリー作成においても有効ですので覚えておくと良いでしょう。

 

原因追求のロジックツリー

 

【問題解決のロジックツリー】
 原因追求のロジックツリーにおいて問題点を把握したら、次は問題解決のロジックツリーを作成しましょう。

 

原因追求の段階でどれだけ漏れなくダブりなく問題点を洗い出せているかによって、問題の解決もより的確になります。

 

それぞれの問題点と原因をもう一度確認しつつ、解決策をピックアップし、さらに「具体的にどうやって?」を繰り返していきます。

 

<自社の原因>
問題点:「なぜ売上が伸びないのか」
原因:「商品の戦略があいまいだった」
解決策?集中戦略、?価格戦略、?技術戦略

「具体的にどうやって?」

?集中戦略→高齢者向けに特化する→使いやすさの追及

 

<取引先の原因>
問題点:「なぜ売上が伸びないのか」
原因:「インターネット対策(販売・プロモーション双方の)が不十分だった」
解決策?.ホームページの拡充、?.ネット広告へのシフト、?.オウンドメディアの構築

「具体的にどうやって?」

?.ネット広告→ネット広告専門のチームをつくる→内外から有力者を集める

 

ロジックツリーを利用した自社と取引先の問題解決例

 

 それぞれピックアップした解決策のどれを選択するかは企業の状況や環境、リソースなどからじっくりと判断する必要があります。

 

今回はそれぞれ集中戦略とネット広告を選択しましたが、状況に応じて適時変更してくことも必要になるでしょう。

 

また、いくら問題解決のために優れている施策だとしても、それが実現不可能であれば意味がありません。

 

「実現可能性」と最善の手法をともに意識しながら、より再現性のある方法を模索していきましょう。

 

 

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