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好循環と悪循環(「にわとり−たまご」の因果関係) その1

好循環と悪循環(「にわとり−たまご」の因果関係) その1

【因果関係の2つの種類】
因果関係の基本は、各事象それぞれの「原因と結果の関係」にあります。

 

ただし、同じようにみえる原因と結果の関係でも、中身をより深く吟味してみると、その内容は微妙に異なっていることが分かります。

 

その内容は、大きく次の2種類に分類されます。

 

1.単純な一方通行の原因と結果の関係
2.相互に原因と結果の関係にある(「にわとり−たまご」の因果関係)

 

これら2種類の因果関係については以下のとおりです。

 

<1.単純な一方通行の原因と結果>
たとえば、空に雨雲が発生した後に雨が降った場合。

 

これは単純な一方通行の原因と結果の関係です。

 

たしかに因果関係にはなっていますが、雨雲が直接的に原因となり降雨をもたらしていますが、一方で降雨が雨雲をもたらすことはありません。

 

つまりは、それぞれの事象が一方通行でしかないのです。

 

好循環と悪循環

 

<2.相互に原因と結果の関係にある(「にわとり−たまご」の因果関係)>
一方で、不況期の因果関係を考えてみましょう。

 

不況期には、誰もがお金を消費に回さずに節約するようになるので、その結果、物の値段が下落し、労働者の賃金も下がり、さらに消費意欲が減退します。

 

つまりデフレが起こります。

 

不況期という原因が節約という結果を誘発しただけでなく、節約そのものが不況期という結果を助長する「にわとり−たまご」の関係です。

 

好循環と悪循環

 

【例題】
それでは、これらの因果関係の種類について、例題を通じて理解を深めていきましょう。

 

とくに、「にわとり−たまご」の因果関係において、複数の事象が関係しているサイクルの性質に着目してみてください。

 

<例>
日本全国の「ものづくり」を支援するT社は、運営するwebサイトの集客力低下に悩まされていました。

 

ここまで、特段大きな広告宣伝を行わずに、ソーシャルメディアをはじめとする口コミでその認知度を高めてきたこともあって、社内では現状打破の施策に対して意見が交錯しています。

 

具体的には、次の3つの対策が有力視されています。

 

1.リアルのイベントを積極的に行う
2.広告宣伝費への投資を増やす
3.これまで通り地道にSEO対策やオウンドメディア(企業が自ら所有するメディア)で認知度を高める

 

社長のHは、社内の人員や資金のことを鑑みると、すべての施策を同時に行うのは難しいと判断していました。

 

ただ、何かしらの行動を今すぐ開始しなければ、いずれにしても会社の主力事業が落ち込んでしまうことは火を見るより明らかです。

 

そこでH社長は、外部の意見を聞くために定期的に行われている起業家サミットで、自社が抱えている問題について投げかけてみました。

 

すると、起業家たちからは思わぬ答えが返ってきたのです。

 

その内容は、T社が「負のスパイラル」に陥ってしまっているというものでした。

 

<解説>
つまり、H社長の姿勢をふくめ、会社全体の対応がただの善後策にすぎないとの指摘です。

 

たしかに3つの対策はどれも効果的なように思えますが、それぞれを個々に行うだけでは、その効果は限定的です。

 

厳しい現状を打破するためには、人員や資金量を考慮した後ろ向きな対策だけでは不十分なのです

 

危機的状況にあるということをもっと深刻に受け止めて、できる施策をすべて同時進行的に行ってみなければ、現状打破などとうてい望むべくもないということですね。

 

H社長は会社を存続させるための慎重さを持ちあわせていましたが、その反面、イノベーションをもたらすような積極性に欠けていたのです。

 

その点、他の起業家たちは、失敗をまったく恐れていませんでした。

 

起業家サミットに参加した若き経営者たちは、他人ごとだから大胆な発言ができるということ以上に、自分たちが経験した過去の事例から出し惜しみの無意味さを訴えていたのです。

 

 

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