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CAPM(Capital Asset Pricing Model)とは

CAPM(Capital Asset Pricing Model)とは

【CAPMを理解する】
ここまではファイナンス的に見たリスクとリターン、資産を持つ場合の最適なポートフォリオなどについて考えてきました。

 

では、個別の会社のリターンとリスクを具体的に考える手法にはどのようなものがあるでしょうか?

 

 

【例題】
自動車部品製造販売会社のS社に勤めるMさんは、以前新プロジェクトのメンバー候補となったもののファイナンスに関する知識不足から選考に漏れ、その後知識を身につけようとファイナンスの学習を行ってきました。

 

そしてそれが上司の耳に入り、あるとき上司からこう言われました。

 

「君は最近ファイナンスを勉強しているようだね。」

 

Mさんは上司に知られていることが嬉しくなり、「はい」と答えてリスクとリターンの考え方やマーケットポートフォリオ、資本市場線などについて学習してきたことを話しました。

 

すると上司はこう言いました。

 

「なるほど、かなり勉強しているようだね。確かにファイナンスではまずリスクをいかに抑えるかについて考えなければならない。そのためにはポートフォリオを組んでリスクを軽減することが何より大切だ。」

 

Mさんはこれまでの勉強が実を結んできたような気がして、大きく頷きました。

 

「ただ、それをコーポレートファイナンス、つまり内部の問題として投資を事業で考えた場合はどうかな?あるいは我が社の企業価値を考えた場合はどうだろう?我が社の投資や投資家が我が社への投資を考える際に基準となるリスクとリターンについてはどう考えるべきだろうか?わかるかな?」

 

M君は話題が突然個別の話になったので驚きました。

 

今まではリスク資産はポートフォリオを組むことでリスク回避を行うという前提だったため、個別の会社のリスクとリターンについては、標準偏差以外計算することがなかったためです。

 

すると上司は続けました。

 

「君はかなり勉強してきたようだから、この辺りでCAPMについて学んでもいいと思う。CAPMは「資本資産価格モデル」とも呼ばれていて、企業価値の算出に使われることもある考え方だ。興味があれば学習してみたらどうかな?」

 

M君は上司の言葉を聞き、CAPMについて学習してみようと思いました。

 

 

【CAPM(Capital Asset Pricing Model)とは】
CAPMとは、「Capital Asset Pricing Model」、日本語では「資本資産価格モデル」と訳される考え方です。

 

そしてCAPMを計算する上での前提にある考え方が、資本市場線とマーケットポートフォリオです。

 

なぜ資本市場線とマーケットポートフォリオなのかというと、リスク資産を所有する際のリスクとリターンが最も効率的であるためです。

 

例えばリスク資産への投資を行おうとする場合、投資家はマーケットポートフォリオが最強と知っています。

 

よってそこに、ある特定のリスク資産を加えるとしたら、当然そのリスクとリターンが守られるように投資を行います。

 

つまり、マーケットポートフォリオよりもリスクが高くてリターンは同じ、あるいはリスクが同じでもリターンが低ければ投資は行いません。

 

しかし、リスクが高くてもそれ以上にリターンが高いのであれば、検討に値することになります。

 

そしてこの個別の投資について、リスクとリターンを「定量的に」把握しようというのがCAPMの考え方です。

 

そしてこのマーケットポートフォリオに対するリスクとリターンの割合は、「β(ベータ)」と呼ばれます。

 

このβ(ベータ)という考え方を理解することが、CAPMを理解する上での最大のポイントとなっています。

 

CAPMはその信憑性について賛否両論がありますが、現在でもファイナンスの最高峰に位置づけられることのある考え方です。

 

そして次回以降でβ(ベータ)とは何か、あるいはCAPMの具体的な計算方法について学んでいきます。

 

CAPMの意味や計算方法を理解することは、個別投資の妥当性や、やがて出てくる「資本コスト」などへの理解にもつながります。

 

ここではCAPMに関して、漠然とした感覚的な理解をしておけば問題はありません。

 

次のステップに進んで、その詳細を紐解いていきましょう。


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