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「格付け」を理解する

「格付け」を理解する

【格付けとは】
国や会社の信頼性(債務返済能力)を確認するための指標に、いわゆる「格付け」というものがあります。

 

格付けとは、その国や会社に対して例えば「AAA」などの評価を行うことで、その国や会社の信用度を市場に伝えるという目的があります。

 

 

そしてこの格付けは、一般的には情報がないために国や会社の信用度評価ができない投資家などが利用し、会社の格付けが上がれば会社の債務返済能力が高まったと判断され、評価が高まるという傾向にあります。

 

なお、格付けは客観的で公平に行う必要があることから、誰にでもできるわけではなく、金融庁に登録した格付け会社だけが業務を許されています。

 

ここで注意すべき点は、格付けは国家や国際機関が行うのではなく、あくまで「格付け会社」が行うのです。

 

 

【格付けの意味】
ではこの格付けにはどのような意味があるでしょうか。

 

まず、上述したように格付けが上がった場合は、国や会社の信用が高まったと判断され、会社であれば例えば負債による資金調達がしやすくなります。

 

負債による資金調達がしやすいということは、社債を発行したり借入などを行う際の金利が低下し、支払利息の負担が減るということです。

 

逆に、格付けが下がった場合は、今度は資金調達がしにくくなります。

 

格付けが下がる、つまり「信頼性 =返済能力」が下がれば、資金の貸し手のリスクが高まることとなり、その見返りとして貸し手は会社にこれまで以上の金利を要求することになるためです。

 

 

【格付けを参照する際の注意点】
このように、格付けは情報を持たない投資家などが、国や会社の信頼性を知る指標の1つになっています。

 

しかし、格付けを参照する際、気を付けなければいけないこともあります。

 

それらの注意すべき点を挙げてみましょう。

 

それは以下の3点です。

 

@格付けは成長性は考慮していない。
A格付けは、客観的な数値だけを根拠とするわけではない。
B格付けだけに市場が反応するわけではない。

 

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

 

 

@格付けは成長性は考慮していない。
まず、格付けはあくまでも「信頼性」の評価であって、成長性などは考慮していません。

 

これは逆にいうと、例えばこれまで保守的な経営を行ってきた会社がその方向性を変えて攻めの経営に転じた場合は、格付けが下がる可能性があるということです。

 

攻めの経営に転ずれば、手元資金を使う、あるいは新規で借り入れを行って投資するなどの必要性が出てきます。

 

しかし、これらはいずれも安全性という観点から見れば、リスクが高まることを意味しています。

 

もちろんその裏にはリスク以上のリターンが得られるという可能性もあるのですが、格付けは債務返済能力がその基準なので、リターンは考慮されない場合が多いのです。

 

 

A格付けは、客観的な数値だけを根拠とするわけではない。
次に、格付けの基準には明確な数字的根拠があるわけではありません。

 

もちろんまったく裏付けのない状態で決定されるわけではありませんが、その決定基準は、比較的不明確な定性的要素も多いと言われています。

 

つまり、主観的に格付けが行われるというケースも否定はできないのです。

 

よって、格付けには格付け会社の「色」が反映されていることを考慮する必要があります。

 

 

B格付けだけに市場が反応するわけではない。
格付けが上がったり下がったりしても、必ずしも市場がそれに反応するわけではありません。

 

成長性を考慮していないことは上述しましたが、格付け以上にそのような成長性などが評価されれば、仮に格付けが下がっても資金調達しやすくなることも考えられます。

 

あくまでも格付けだけで市場の評価が行われるわけではないことを認識しておきましょう。

 

 

格付けは、ここで学んだ信用格付けのほかにも、証券会社が独自に株価に関して投資判断を行うレーティングなどと呼ばれる株式の格付けもあります。

 

そしてこのレーティングにより、時に株価が大きく上昇、あるいは下落することもあります。

 

しかし、株式のレーティングについてもあくまでもそれは証券会社独自の見解であり、本来はレーティング情報は株価が大きく変動する理由にはならないということも合わせて理解しておきましょう。

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