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人的資源管理フロー

【人的資源管理フロー】
ここからは人的資源管理フローについて説明します。

 

ここでは、人的資源管理フローとは何かを学び、またそれぞれのフローにおける管理上のポイントについて理解を深めます。

 

人的資源管理フロー(人的資源管理の流れ)は大きく分けて、「インフロー」「内部フロー」「アウトフロー」の3つに分けられます。

 

つまり、企業組織において、あらゆる階層の人が入社し、活動した後、退職していくという流れに沿っています。

 

このフローにおいてポイントとなるのは、「適正な能力を持った人材を、適正な数の要員確保する」という要求に応えていくことです。

 

また、その要求に応えていく中で、人事制度の各機能(採用・育成・人材活用・昇進・昇級・退職)が公平、公正なものであり、社会の法律の基準を満たしている必要があります。

 

何よりも重要なことは、これらの領域での意思決定は、経営計画や売上、利益、成長等に対する意思決定にも大きな影響を及ぼすことです。

 

つまり、人的資源管理における意思決定は、企業として経営戦略を達成し、従業員や社会に対する責任を果たしていく上での前提条件を決定していくことになるのです。

 

この意思決定は、人事部門の担当者だけでなく、各スタッフやマネージャーも参加すべき重要な意思決定です。

 

人的資源管理においては、常に経営戦略との関連性を意識して人材フローを検討していく必要があります。

 

従来の人事管理と人的資源管理の違いのところでも説明したとおり、採用・育成・配置・昇進等の個別の機能としてではなく、あくまで経営全体のベースとして大局的に見ていくことが重要です。

 

そのためには、何か問題が発生した時にその機能を活用するのではなく、常に人事部と現場が連携しながら計画的な運営を行っていく必要があります。

 

具体的なフローの各機能を説明していく前に、労働市場について見てみましょう。

 

人的資源管理フロー

 

労働市場は、「外部労働市場」と「内部労働市場」の2つに分けられます。

 

ここでの「外部」「内部」とは、企業組織の外部か内部かということです。

 

つまり、外部労働市場とは社外にあるオープンな労働市場(高校や大学、専門学校等で就職活動中の学生、求職活動中の人や転職希望者等)であり、内部労働市場とは社内にある労働市場(その企業に入社して在籍している従業員)ということになります。

 

外部労働市場から人を調達するということは、外部から人材を募集し、採用するということになります。

 

一方で、内部労働市場から人を調達するということは、社内の配置転換や昇進等を通じて人材を調達するということです。

 

先ほどの人的資源管理フローと併せて考えてみると、外部労働市場から人材を調達する部分が「インフロー」に該当し、内部労働市場から人を調達するのは「内部フロー」に該当します。

 

そして、内部労働市場から外部労働市場へ人材を移動させるのが「アウトフロー」に該当します。

 

それぞれのフローを構成するシステム(例えばインフローの場合は採用システム)の詳細については、今後の記事で改めて説明いたします。

 

外部、内部ともに労働市場の変化は激しく、人的資源管理においてもその変化に合わせて構造的に変革を行っていく必要があります。

 

また、近年の雇用形態の多様化は、経営環境の悪化に伴う失業率の増加や、ワークシェアリングの方策等とも密接にかかわっています。

 

雇用形態の多様化に伴って従業員の意識も変化してきており、多様な人的資源管理システムへの必要性を後押ししています。

 

これらは労働に対する価値観と密接にかかわっており、「フレックスタイム制」や「テレワーク(在宅での勤務)」といった新しい働き方が出てきています。

 

日本においても、終身雇用制度や年功序列制度といった従来の日本的経営システムが変化してきており、それに伴って従業員の意識も変化してきているようです。

 

このように人材を採用した後、企業組織内部での昇進・昇給や配置転換を経て、最後には退職していくというように人的資源管理には一連の流れがあることを認識しておきましょう。

 

この流れの中で、採用した人材を育成して戦力化し、企業組織全体の実力を高めながら実績を上げていくことが、環境の変化の激しい中で競争を勝ち残っていくために重要なポイントとなります。


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