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組織文化を考える その2

【組織文化を生み出し維持していくための8要素】
そのような組織文化はどのようにして生まれ、維持されていくのでしょうか。

 

組織文化を生み出し、維持していくための要素には次のようなものがあります。

 

 

?創業者の意志

 

?トップ・マネジメントの行動

 

?採用

 

?行動モデル

 

?エピソード・神話

 

?儀式

 

?社内用語

 

?評価

 

組織文化

 

こちらも順番に見てみましょう。

 

 

?創業者の意志
組織文化の形成に大きな影響を与えるのは、その組織を作った人間です。

 

創業者は自らの志を実現しようとして組織を作り、その想いはメンバーの間で共有されます。

 

複数の人間がある目的を達成しようと濃厚な時間を過ごして社会関係を構築する過程の中で、特定のものの見方や考え方が形成され、組織文化が生まれていきます。

 

 

?トップ・マネジメントの行動
新しいメンバーは、トップ・マネジメントの言動によって組織文化の洗礼をうけます。

 

とりわけ、創業者が現役で活躍している場合、創業者自身の個性や考え方が組織文化に直接反映されており、創業者の一挙手一投足が組織文化に影響を与えていきます。

 

 

?採用
採用時の判断のポイントは、社会としての組織におけるメンバーの特性が重要となります。

 

つまり新しいメンバーは、組織社会の一員としての振る舞いが期待されているのです。

 

新しいメンバーが、もし組織が持つルールである組織文化を受け入れられないのであれば、他のメンバーと違った行動をとりかねないし、1人でも組織文化を受け入れられないのであれば、組織の協働システムが機能しなくなってしまう可能性があります。

 

逆に、新しいメンバーが組織文化を受け入れることができるのであれば、協働システムは機能しやすくなり、組織文化はより強固なものになっていきます。

 

また、採用によって組織文化を変革することも可能です。

 

組織文化を受容できるかは重要な判断ポイントですが、組織が沈滞している場合や組織文化が外部環境との整合性を持たなくなった場合には、組織文化自体が組織の成長を阻害することになります。

 

このような状況に陥ってしまった場合には、採用の際に組織を変える意欲や力量を持った人材を採用することによって、組織改革を行っていく必要があります。

 

典型的な例としては、外部からトップを招いて、組織改革を実行することです。

 

この場合の組織改革とは、それまで組織の間で共有されていた価値観を壊し、組織文化を変えていくことを意味しています。

 

 

?行動モデル
トップ・マネジメントに限らず、ベテラン社員の行動をモデルとすることによっても組織文化は強化されます。

 

モデルが増えることによって、必然的に組織の中での立ち居振る舞いに一定のパターンが生まれてくるのです。

 

組織に新しく入ってきたメンバーは、こうした先輩社員を行動モデルとすることによって、組織文化を確実に身につけていくのです。

 

 

?エピソード・神話
エピソードとは、過去の出来事について語り継がれたものです。

 

例えば、創業まもないころの創業者の苦労話や組織が危機的な状況に陥った際にどのようにして難局を乗り切ったかといった話のことです。

 

過去の出来事によって、現在の組織の在り方や組織のメンバーの行動の在り方を規定しようというものです。

 

また、過去の出来事のうち組織メンバーの頭の中に強固に植えつけられたものである場合、これを神話と呼ぶことがあります。

 

例えば、在職中営業トップ成績の座を一度も譲らなかった営業社員を神話化することが挙げられます。

 

このようなエピソードや神話によって、組織が何に価値を置いているかを学ぶことができるのです。

 

 

?儀式
儀式も組織の価値観を伝えるのに役立ちます。

 

日本企業の多くでは、かつてに比べて減少したとはいえ、今でも朝礼という儀式が行われています。

 

朝礼では、社訓を唱和することにはじまり、その後で上長から一日の連絡事項が伝えられます。

 

こうした儀式を毎日毎週繰り返すことが重要です。

 

繰り返されることによって価値観が強化され、一人一人のメンバーの中に定着していくのです。

 

一般的に、一緒になって何かをするということを繰り返すことによって仲間意識が醸成されます。

 

そして仲間意識が醸成されると、同じ価値観を共有しやすくなります。

 

儀式は、エピソードに比べて、マネジメント側の意向が明確に表現されます。

 

組織文化のベースとなる立ち居振る舞いを教えることを目的としているともいうことができます。

 

 

?社内用語
ある程度歴史のある組織ではほとんど例外なく独自の言語を発明し、共有しています。

 

組織に独自の言葉を使うということは、独自の世界観を示すことになります。

 

このように、社内用語は組織の文化を象徴するものであるということができます。

 

一般的に隠語は仲間同士の結びつきを強める効果があります。

 

いわゆる若者言葉は、大人の間ではほとんど理解不能であっても、使っている若者の間では通じる言葉として積極的に使われたりします。

 

また、略語がコミュニケーションの速度を上げるのに使われることもあります。

 

典型的なものとしては、長い組織名を短縮して表現する例があります。

 

直接的に表現することがはばかられる場合には、メタファーが用いられることもあります。

 

例えば、本社機能が丸の内にある場合、支店のメンバーは「丸の内(=本社)の指示だからやるしかない」という言い方をすることがあります。

 

社内用語は使えば使うほど、組織の凝集性が高まってくるのです。

 

 

?評価
人事考課の項目に組織文化に直接的に関連する項目があると、当然ながら組織メンバーの意識や行動に影響を及ぼします。

 

例えば、ただでさえ慎重な行動を求められる組織において、評価の仕組みが減点方式であれば、ますますリスクを取って新しいことに挑戦しようというメンバーは出てきにくくなることが考えられます。

 

逆に望ましくない組織文化を変えようとする場合には、評価制度や評価項目を変えることが有効となることもあります。

 

 

本当の意味で組織文化が身についているかどうかは、その組織文化を伝えるレベルに達しているかどうかで決まってきます。

 

組織文化を理解するだけでなく、具体化できることが一人前の組織人としての条件です。

 

次の世代に伝えるというプロセスができてこそ、組織文化を維持することができます。

 

組織は静的な存在ではなく動的な存在です。

 

常に求心力を持って行動を起こさないと、組織自体が崩壊してしまいます。

 

組織文化を身につけるとは、次の世代に文化を引き継ぎ、組織を存続させ続けていくことを目的としているということができます。

 

 

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