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「現状-問題提起-解決策」の構造

今回は、プレゼンテーションのメインパートにおける解決策提示までの流れについて説明していきます。

 

この文章を読むことで、「プレゼンのメインパートの構造や注意点」について学ぶことができます。

 

プレゼンテーションのメインパートの構造

 

プレゼンの基本的な全体構成は、「オープニング⇒メインパート⇒まとめ」です。前回の「オープニング」の説明に引き続き、今回は「メインパート」の説明をしていきます。

 

メインパートでは、「本論=本当に伝えたいこと」を話すことになります。

 

では、「本論=本当に伝えたいこと」はどのような構成で組み立てればよいのでしょうか?

 

メインパートは3つのステップに分けることができます。3つのステップとは、「現状⇒問題提起⇒解決策」です。それらを細かく見ていきましょう。

 

 

1つ目の「現状」とは、現状を把握してその事実をしっかりと伝えることです。

 

プレゼンというと「華々しい未来像(解決策)を提示することが中心」と思われがちですが、まずは現状をしっかりと聴き手に把握してもらうことができないと、その後の「問題提起」も「解決策」も現実味を帯びて来ないのです。

 

 

2つ目のステップは「問題提起」です。

 

「現状」に何らかの不安や不満などがあって、理想像や将来像に比べて問題があるから、ここで「問題提起」ができるわけです。

 

ここで「現状」と「理想」のギャップがあればあるほど、「問題提起」は強烈になり、聴き手の興味を引くことになります。

 

また、聴き手が問題に気がついていない場合もあります。

 

そういう場合は問題提起により、聴き手の問題意識を掘り起こさなければなりません。

 

さらに、ここで1つ注意点があります。

 

「問題提起」と言っていますが、プレゼンの内容によっては問題だけとは限りません。つまり、チャンスの提案をすることもありえるのです。

 

例えば、「現状では、まだこの業界で高性能な〇〇という機械を導入している企業はない。よって、御社にとって〇〇という機械を業界に先んじて導入するチャンスがある状態だ」というような場合もあるからです。

 

 

最後に、3つ目のステップの「解決策」です。

 

ここでは、1つ目で現状を把握し、2つ目で問題提起をしていますので、「その2つのギャップをどのように埋めるか」という解決策を提案する部分です。

 

解決策が具体的で分かりやすければ、「自分たちもやってみよう」と聴き手に共感されることになります。

 

しかし、「現状」と「理想」のギャップが大きいほど、ここで「解決策」がしっかりと提示できなければ、「やっぱり解決策なんてないんだ」と聴き手が反発してしまいます。

 

よって、解決策は「現状」と「理想」のギャップを埋めることのできる「具体的な施策」を提示しなければいけません。

 

「この商品を買えば解決します」ではなく、「この商品を使うと、なぜその問題を解決できるのか」をしっかりと説明できなければなりません。

 

人は商品を求めているのではなく、その先にあるメリットを求めているからです。

 

 

ここまで見てきたように、「現状⇒問題提起⇒解決策」のそれぞれのステップがしっかりしているのと同時に、それぞれをつなぐ流れも大切になってきます。

 

つまり、次のステップが聴きたくなるような流れで構成をつくる必要があるのです。

 

メインパートに関する注意点

 

ここでメインパート全体に関しての注意点があります。

 

それは、興味や共感を持ってもらうためには、全体として「論理的な説明」だけになるのも、「感情に訴える説明」だけになるのも避けるべきだという点です。

 

「論理的な説明」だけでは、聴き手はプレゼン内容を理解することは出来ても、興味や共感を与えることは出来ません。

 

また、「感情に訴える説明」だけでは、一時的に興味や共感を持っても、信憑性が乏しく、実行するときにどうしていいのかが分かりません。

 

つまり、「論理+感情」の両方が融合することによって、良いプレゼンのメインパートとなるのです。

 

「現状-問題提起-解決策」の構造1.

 

<事例>
Mさんは顧客管理システムの提案営業を行っています。顧客管理システムは、「なんとなく必要性が高そう」だと思われているものの、効果が分かりにくいので提案プレゼンに苦労している分野でもあります。

 

そこで、Mさんは提案先企業の徹底した調査をしてからプレゼンをするようにしています。

 

この徹底的な調査によって、以前、別の顧客管理システムを導入していたことがわかり、また、維持費だけかかってほとんど活用されていないという「現状」があることを把握しました。

 

そのため、顧客管理システムをしっかり活用すれば、既存顧客の満足度アップにも、新規顧客の獲得にもつながること。そして、現状の顧客管理システムでは、複雑すぎて社員が誰も活用できていないという「問題提起」に至りました。

 

Mさんは、自社の新顧客管理システムは操作性が抜群に良く、すでに一部の部署でのテスト導入で今まで操作に困っていた社員の方々にも喜んでいただき好評を得ていること。さらに、これまでに導入いただいた企業で顧客満足や新規獲得につながっているというテータを提示し、現状と理想のギャップを埋める「解決策」を提案したプレゼンを行いました。

 

これにより、Mさんはシステムの受注を獲得することができました。

 

<解説>
Mさんのプレゼンは、「現状⇒問題提起⇒解決策」の流れがスムーズであり、調査に基づいているので、提案先企業の問題に対してのしっかりした改善提案内容になっています。

 

さらに、「社員の人たちが困っている状況を打破する」という感情に訴える部分と、「顧客満足度や新規獲得数のデータを提示する」という論理的な部分の両方を兼ね備えているプレゼンです。

 

よって、相手先企業の興味、共感を得られやすい内容だったと言えます。

 

まとめ

 

・プレゼンの基本的な全体構成は、「オープニング⇒メインパート⇒まとめ」である。その中で、メインパートでは「本論=本当に伝えたいこと」を話す。

 

・メインパートの「本論=本当に伝えたいこと」は、「現状⇒問題提起⇒解決策」の3つのステップに分けると伝わりやすくなる。

 

・「論理+感情」の両方が融合することによって良いプレゼンとなる。


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