論理図解(チャート)をマスターする
今回は、企画書における論理図解について説明していきます。
この文章を読むことで、「論理図解の概要」「図解の種類や意味」について学ぶことができます。
論理図解(チャート)とは
企画書は、読み手に内容を「伝える」ことが大切になります。そのため、企画書が文章ばかりであれば、「伝わりにくい」ものになってしまっている可能性があります。
そこで、論理図解(チャート)を活用すると、読み手にとって「分かりやすい=伝わりやすい」企画書になります。
論理図解(チャート)と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、「文章(要点やキーワード)を図形や罫線を使って表現したもの」です。
つまり、文章を「図解」することで、文章だけの場合よりも読みやすくなり、説得力を高めることが出来るのです。
チャートの種類
チャートには様々な種類があります。いくつか代表的なものを上げてみます。
?手順:業務フローのように、業務の流れ・手順を図解したもの
?階層構造:組織図や全体の構成を図解したもの
?循環:相互の関係を図解したもの
?ピラミッド:階層をピラミッド型で図解したもの
このように、「どのようなチャートを使うのか」という選択は、「読みやすさ、伝わりやすさ」に大きな影響を及ぼすため、重要です。
また、図解の流れは、「文章を要約」⇒「キーワードにする」⇒「チャートを選択」⇒「チャート化」となります。
この中でも、「要約」「キーワードにする」「チャートを選択する」は重要ですので、読み手がどんな人かを想定し、一番読みやすいものにしていく必要があるのです。
図形の意味
論理図解(チャート)で使う図形にも意味があります。
例えば、業務フローチャートで使用する場合、たくさんの方式があります。
JIS式のフローチャートや、産能大式のフローチャートなど、様々な種類の方式があります。これらで使う図形は、それぞれルールが決まっています。
よって、相手先企業や企画内容によっては、それぞれのルールに従う必要があるのです。これは、最初に確認しておくべき項目です。
しかし、多くの企画書では厳格にルールが決まっていることはありませんので、自由に図解していくことになります。
それでも、読み手が見慣れている図形(記号)を使った方が読みやすくなるので、一般的な図形の意味をある程度は知っておくほうが良いのです。
いくつか例を挙げてみましょう。以下のような特徴があります。
(1)長方形:処理や作業、部署、具体的な概念などを示すことが多い
(2)楕円形:抽象的な概念を示すことが多い
(3)ひし形:判断、承認などを示すことが多い
(4)ドラム:データベースを示すことが多い
これらは、特に相手からルール・方式が指定されない限り、どれを使うかはその時の読み手の状況(誰なのか、どんな部署の人かなど)で判断していきます。
つまりは、「どのようなものを書かなければならない」という決まりがない以上、読み手に合わせて「読みやすい企画書を作る」という目的を忘れないことがポイントとなるのです。
【事例】
Aさんは印刷業の営業マンです。タウン誌の印刷受注を得るために、出版社のB社にプレゼンをすることになりました。
タウン誌を作る過程は、出版社の編集者と印刷会社とのやり取りが多いため、それらを文章のみで表すと複雑になり、伝わりにくい企画書になりそうでした。
そこでAさんは、編集者と印刷会社のやり取りを論理図解(チャート)にして説明していきました。他社と比べてフォローが充実していることがAさんの会社の強みなので、そこを論理図解(チャート)でしっかりと説明したのです。
自社の強みを論理図解(チャート)で表したことによって、相手に良く伝わったためか、Aさんのプレゼンは採用されることになったのです。
まとめ
・論理図解(チャート)を活用すると読み手にとって「分かりやすい=伝わりやすい」企画書になる。
・チャートで代表的なもの
?手順:業務フローのように、業務の流れ・手順を図解したもの
?階層構造:組織図や全体の構成を図解したもの
?循環:相互の関係を図解したもの
?ミラミッド:階層をピラミッド型で図解したもの
・図解の流れは、「文章を要約」⇒「キーワードにする」⇒「チャートを選択」⇒「チャート化」である。
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