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自社分析(競争ベンチマークと定量分析)

自社分析(競争ベンチマークと定量分析)

今回は自社分析について説明していきます。

 

今回の文章を読むことで、ベンチマーク分析と定量分析を用いた自社の分析について学ぶことができます。

 

競合をベンチマーク

 

ベンチマークとは、自社および競合を様々な観点から比較することで、自社が競争力を保持しているかどうか、自社の強みや弱みを明確にすることです。

 

基本的にベンチマーク分析では4つの視点で行います。

 

@自社・競合定量分析、Aターゲット顧客分析、Bバリューチェーン分析、C製品・サービス分析が挙げられます。

 

これらの4つの視点で競合企業との比較を行い、業界における成功要因を抽出していきます。

 

@自社・競合定量分析

 

自社ベンチマークで行うことは、「プレイヤー間の定量的な比較」になります。

 

基本的な視点として、(1)市場シェアや(2)売上高や利益などの成長性、(3)利益率などの収益性、(4)損益(分岐点)の構造などになります。

 

市場シェアは市場規模に対する各社の売上比率を比較したものです。各社の製品がどの程度普及しているかを見ることができます。

 

成長性と収益性については、各企業の位置づけを明確にする方法となります。

 

(1)〜(3)の分析は事業を行った結果の数値になり、表面的な分析となります。具体的になぜ、その数値になったのかまでは深掘りできません。

 

それを分析するのが(4)の損益(分岐点)の構造分析やバリューチェーン分析などになります。

 

(1)市場シェア

 

市場シェアは市場規模に対しての各社の売上高の比率で決まります。

 

これによって、各社の製品がどの程度市場に普及しているのかを把握することができます。

 

化粧品メーカーのA社を参考例として取り上げます。昨今、市場シェアが1位だったA社はX社に抜かれて2位に転落しています。

 

市場シェアはセグメント毎に把握しておくことも重要となります。

 

A社は需要が減少している中価格帯や競争環境の激しい低価格帯でのシェアが高かったために環境変化の影響を直接的に受けていると言えます。

 

一方、X社は需要が一定量見込まれる高価格帯で高いシェアを誇っており、全体のトップとなっています。

 

(2)成長性と(3)収益性

 

各企業の位置づけを明確にする方法として、「売上高成長率の成長性」と「営業利益率などの収益性」を2軸に取り、各企業の情報をプロットする方法があります。

 

これによって、道徳性を持った企業を見える化することができます。

 

これによって、化粧品業界の傾向を見るといくつかのグループに分類することができます。

 

低価格帯製品を主としている企業は成長性は悪くないものの収益性は悪化しています。これは単価の下落が原因と考えられます。

 

一方、中価格帯製品では、収益性は高いものの成長性が低くなっています。

 

高価格帯製品は成長性、収益性ともに高くなっています。

 

市場分析1

 

(4)損益(分岐点)の構造

 

各社の損益構造も分析します。

 

固定費と変動費を特定して損益分岐点を分析することで販売数量が十分か否かを分析します。

 

その他に損益構造として、例えば、粗利率が高いという結果がある場合、「高付加価値の製品を提供できている」、「生産効率が良く、売上原価を抑えられている」と考えられます。

 

これらを導き出すために、売上高や売上原価を売上数量で除算(割り算)します。

 

すると売上単価や単位原価が算出され、それらを比較することで判断できます。

 

また、営業利益率が高いということは、「粗利率が高い」、「販管費が低い」ということが考えられます。

 

「販管費が低い」ということについては、販管費を売上高で除算した販管費率で比較すると良いです。

 

販管費率が大きい、小さいということが見えてきた次には、どの費用項目による影響で、分析結果の販管費率となっているのかを調査するのも有効です。

 

また費用構造という別の観点では、固定費と変動費を特定して、損益分岐点分析を行うことも有効となります。

 

Aターゲット顧客分析

 

各社がターゲットとしている顧客層(顧客セグメント)毎に抱えている顧客数などを示します。

 

例えば、利益率の高い製品を購入する顧客を多く抱えていることは、魅力的なターゲットであると言えます。

 

そのような顧客に対しては、スイッチングコスト(購入先を他の企業に切り替える際にかかる費用や労力など)を高く感じてもらえるような施策を打ち、顧客を囲い込むことができれば強みとなります。

 

参考例として、「X社は高価格帯の製品を購入する顧客を多く抱え、A社は逆に低価格帯の製品を購入する顧客割合が高い」というようなことを調査・分析します。

 

定量的な数値を出すことが難しい場合は、定性的な情報を取りまとめます。

 

例えば、「高所得層の顧客に強みを持っている」、「子持ち世帯の顧客に強みを持っている」などといった情報を取りまとめておくと良いでしょう。

 

 

Bバリューチェーン分析

 

バリューチェーンとは「製品やサービスを市場へ送り出すプロセス」となります。

 

すなわち、バリューチェーンを比較し、優れている方がおのずと製品・サービスに優れていると言えます。

 

そのため、各社のバリューチェーンを比較することはどの企業が優れているのかを抽出するための有効な手段となります。

 

例えば、A社が属する化粧品業界では、研究開発は重要な位置付けにありますが、高い開発効率で優れた製品を開発できるか否かという”研究開発力”が必要となります。

 

その他にも調達では、安くて品質の良い原材料を安定的に調達できるかが能力として必要となります。

 

また、マーケティングにおいては、広告費と比較して効率よく売上を上げられるかが販売促進力に繋がります。

 

営業では、効率よく多数の顧客を獲得できているか効率よくチャネルを押さえられてるかが営業力に繋がります。

 

これらをより詳細に分析しようとすると、業務プロセスレベルで評価することも一案です。

 

自社分析2

 

C製品・サービス分析

 

マーケティングの4Pフレームワークを用いて分析します。

 

製品や価格は顧客ニーズに合致しているか否かが競争力に繋がります。

 

また、プロモーションは顧客のニーズに合致したメディア(webでのプロモーションやテレビCMを活用など)を活用しているか否かが競争力になります。

 

最後にチャネルは顧客ニーズにマッチした販売方法を行えているかなどが競争力となります。

 

例えば、若者世代の購入が多い商品の場合、Web販売は必須となります。

 

そのWeb販売の基盤が整備されているか否かが競争力に繋がります。

 

A社は低価格帯の製品が強みとなっていますが、高価格帯製品はプロモーションやチャネルについては弱みとなっています。

 

これは、高価格帯製品を購入する単身世帯に対する訴求や高所得者層へのチャネルの構築ができていないことが原因だと推察されます。

 

自社分析3

 

これらの@〜Cの分析からKSF(Key Success factor:主要成功要因)を抽出します。

 

これは各社の強みの中でも競争力の源泉となっている要素が該当します。

 

この抽出が有効なのは、自社の根幹となる強みを把握することで優先度が確定できる、現在自社では保有していない他社のKSFを補足することで競争力を高めることができます。

 

まとめ

 

競争ベンチマークとは、自社や競合企業、新規参入業者、代替品提供業者など含めて、あらゆる視点から比較検証することで自社の競争優位性を明確にすることです。

 

これによって、自社が伸ばしていくべき強みや補足しなければならない弱みを確認します。

 

また、定量分析から比較する側面においても、自社・他社の市場シェアを定量的に確認することで、今後、自社が目指すべき数値目標を設定することができるようになります。

 

この数値設定の目標は事業戦略を策定する上で重要なものとなります。

 

いつまでにどの程度の数値を達成していたいのか、そのために打つ手は何かを検討することになります。

 

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