経営を学ぶ-経営学・MBA・起業・ネットビジネス・リアルビジネスなど

経営を学ぶ~経営学・MBA・起業~

フリー戦略の概要

今回はフリー戦略について説明していきます。

 

今回の文章を読むことで、フリー戦略の概要とフリーミアム戦略について学ぶことができます。

 

フリー戦略とは

 

フリー戦略は、クリス・アンダーソン氏の著書によって有名になった経営戦略の一種になります。

 

「フリー(無料)」をコンセプトにしたビジネスはいくつか種類があります。

 

例えば、紳士服などでスーツ(ジャケットとパンツ)を1着購入すれば、Yシャツが無料で選択できるといったのもあります。

 

また、Googleの検索エンジンやGmailなどは広告主が広告費用を支払うことで、エンドユーザである私たちは無料で利用することができるのもそうです。

 

特に注目を浴びているのは、「フリーミアム」と呼ばれる経営戦略になります。

 

これはアメリカのベンチャー投資家であるフレッド・ウィルソン氏が創り出した「フリー(無料)」と「プレミアム(有料)」を組み合わせた造語になります。

 

フリーミアム戦略とは

 

フリーミアムを簡単に概要説明すると、サービスや商品を無料で提供して多くの顧客を獲得した上で、ごく一部の顧客に有料サービスを利用してもらい、全体として収益を上げるという戦略です。

 

主にITを使ったサービスで活用されており、無料電話の「Skype」、クラウドサービスの「Evernote」や「Dropbox」が代表的なものであります。

 

また、スマートフォンのソーシャルゲーム「パズル&ドラゴン」や「ポケモンGo」のようなゲームも同様です。

 

多くのユーザは無料でゲームを楽しむことができますが、一部のユーザはゲームをより効率的に進めていこうとするとアイテムなどを購入することができる仕様になっています。

 

これにより、一部のユーザはゲームに課金することになり、ゲームの品質やユーザへのサービス提供レベルの向上に収益は回されます。

 

これまでにも行われてきた「化粧品や健康食品の無料サンプルとどこが異なっているのか」という疑問があるかも知れません。

 

無料サンプルは無料で配布する分と有料で購入される分の割合を比べると、有料で購入していただく方が圧倒的に多いのです。そうではないと割に合わないので、事業が成り立たなくなります。

 

しかし、フリーミアムの場合は有料ユーザよりも無料ユーザの方が圧倒的多数を占めます

 

これはITを活用することによる固定費の変動費化で低コストにできたことが背景にはあります。

 

フリーミアムを採用する場合、実際に有料サービスに加入する割合は4~6%、多くても10%だと言われています。

 

フリー戦略の概要1

 

フリーミアム戦略事例:Dropbox

 

Dropboxは、ドリュー・ヒューストン氏によって2007年に設立された企業であり、「USBドライブなんていらない」というスローガンを掲げてプロジェクトを開始しました。

 

ソリューションとして、オンラインストレージサービス「Dropbox」を開発したのです。

 

Dropboxの機能は、オンライン上にファイルをアップロードするストレージ機能だけではなく、PCやスマートフォンなどにDropboxのアプリをインストールするだけで、インターネット上のストレージと手元のデバイスとの間で、全てのファイルを共有、編集、保存を可能としています。

 

この利便性は高く評価され、Dropboxは急激な成長を遂げました。

 

2014年には全世界で3億人のユーザーを獲得し、総額11億US$の資金調達に成功し、企業評価額は100億US$とも言われています。

 

Dropboxの基本サービスは無料となっています。

 

一部の有料ユーザーから収益を得ています。ユーザは2GBまでは無料で使用することができ、有料プランに申し込むと、月額1,200円で1TBまでファイルを保存することができるようになります。

 

また、ビジネス向けのプランにおいては月額1,500円で容量が無制限になり、優先サポート等のサービスも提供されています。

 

このようにDropboxは無料サービスと有料のオプションサービスによってビジネスが成立しています。

 

まとめ

 

フリーミアムモデルは、有料会員への転換率が低く、収益化が難しいという課題も抱えています。

 

消費者の立場で考えれば、無料でも十分に使用可能な製品やサービスになっているため、有料サービスに申し込む特出した理由がありません。

 

そのため、製品/サービス提供者側は無料以上の魅力を生み出し、有料会員へ転換させる強い動機付けが必要になります。

関連ページ

M&Aとアライアンス
総合環境分析(3C分析とSWOT分析)
4世代のイノベーションモデル
企業の経営成果を測る5つの財務指標
アンゾフの成長ベクトル(製品×市場マトリックス)とアーカーのマトリックス
BCGのアドバンテージ・マトリックス
ITを活用した経営戦略
意図的戦略と創発的戦略のバランス
日本企業が目指すべき経営戦略とは
コトラーの競争地位別の戦略類型
マッキンゼーの「7つのS」
OEMとは
PDCAサイクルを回す
ポーターvsミンツバーグ
ポーターの3つの基本戦略
業界を俯瞰し、分析の全体像をつかむ
ブルーオーシャン戦略の概要
ドメイン(事業領域)の設定
事業戦略(基本戦略)と機能別戦略(個別戦略)
経営資源配分の優先順位
自社分析(競争ベンチマークと定量分析)
企業変革の条件
コアコンピタンスとは
コーポレート・デベロップメント
コーポレート・ガバナンス
全社戦略策定の基本プロセス
戦略策定に必要なクリティカルシンキング
顧客分析
フレームワークのカスタマイズと定量ファクト
意思決定の2つの方式(トップダウンとボトムアップ)
BCGのデコンストラクションの概要
事業を定義する(事業スキームとバリューチェーン)
デザイン思考の概要
多角化戦略
施策・プロセスへの落とし込みと実行
創発的戦略とは
市場分析
顧客分析
外部環境分析(PEST分析と5Forces分析)
フィジビリティスタディ
経営戦略策定の3ポイントと3ステップ
戦略方向性の策定(戦略方向性マップ)
フリー戦略の概要
ゼネラル・マネージャーの役割
グローバリゼーションと事業戦略
業界分析
イノベーション戦略
イノベーター理論とキャズムの概要
内部環境分析(バリューチェーン分析とVRIO分析)
ランチェスター戦略の概要
学習する組織とは
企業価値のマネジメント
経営理念・ビジョンと戦略の関係
市場分析
マーケット・ライフサイクルと規模の効果
マーケットセグメンテーションとポジショニングの重要性
経営戦略を動かす仕組み(6W2Hでゴール設定と細分化)
ベインのネットプロモーター経営(NPS)の概要
オムニチャネル戦略の概要
経営戦略の全体最適と個別最適(全社戦略と事業戦略)
戦略実行のための組織形態を考える
意図的に計画された戦略論
プラットフォーム戦略の概要
ポートフォリオ改善の仕組みづくりと機能最適化の3つの考え方
プロダクト・ライフサイクルとBCGダイヤモンド
BCGのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とGEのビジネス・スクリーン
現状成り行き予測
競争力の源泉
戦略評価のための指標(KPI)の設定とBSCの活用
ストラテジック・プランニング
戦略策定とフレームワークによる環境分析
事業戦略策定の5ステップ
事業戦略の目的(ゴール)と定量目標の設定
ストラテジー(経営戦略)とは
SWOT分析
暗黙知と形式知(SECIモデル)の概要
孫子の兵法の概要

HOME
HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ