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マーケット・ライフサイクルと規模の効果

マーケット・ライフサイクルと規模の効果

今回はマーケット・ライフサイクルと規模の効果について説明していきます。

 

マーケット・ライフサイクルや規模の経済は戦略を策定する上での基本的な分析ツールです。

 

競争環境や現状を認識・共有化するために活用します。

 

マーケット・ライフサイクル

 

マーケット・ライフサイクルとは、製品や市場は必ず誕生から衰退までの流れを持ち、市場の成長段階に応じて必要とされるキャッシュの規模や取るべき戦略が変わってくることを示唆するものです。

 

ライフサイクルは「導入期成長期成熟期衰退期」を辿ることとなります。

 

成長期の市場において、シェアを獲得することは競合企業の数も多くないことから比較的容易であるが、成長期以降は競合企業との競争環境が激しくなるために難しくなります。

 

成長期までは投資が必要なためにキャッシュフローの側面では厳しい状況となるが、成熟期以降はキャッシュを生み出しやすくなります。

 

ただし、ライフサイクルの進行と共に競合企業が増加し、コスト競争も激しくなります。

 

マーケット・ライフサイクルと規模の効果1

 

規模の効果

 

一般に、大量生産を行うと、単位あたりの生産コストが減少します。これはある一時点での生産規模に注目しています。

 

通常、生産規模の大きな企業ほど累積生産量も大きく、そのため経験曲線の中に規模の効果が織り込まれていることが多いです。

 

規模の効果が生まれる主な要因は、管理費をはじめとするコストの中の固定費用が分散されることが挙げられます。

 

規模の効果は生産コストのみならず、調達コストや営業コストなどのあらゆるコスト要因について働きます。

 

規模の効果を分析することで、同じ土俵で競争を続けることが可能かどうか、あるいは合併などによりそのコスト差を埋めることが可能か否かなどがわかります。

 

ネットワーク型の事業において、規模の効果は最も顕著に現れます。

 

例えば、電子メールの利便性は、普及率のほぼ2乗で効いてくることが知られています。

 

パソコンのOSなど互換性が問われる機器についても、デファクトスタンダードを握る(現在ではWindows)が規模の効果を享受し、一人勝ちを続けていると言えます。

 

<例題>
規模の効果の効き方は、コスト項目毎に異なっていますが、生産、調達、営業のコストのみならず、広告費や開発費にも影響を及ぼします。

 

その中でも広告費や開発費には大きな影響を及ぼすと言われています。

 

そこで広告費について、規模の効果が出るには、臨界量に達するまで一定量を集中的に投入することが必要となり、費用と効果をグラフ上にプロットすると、通常S字型のカーブが得られます。

 

ここで、市場シェアが40%の企業Aが単位あたりの広告費に10万円使っており、企業Bは市場シェアが20%である場合、おおおそどのくらいの資金を投入する必要があるか、考えてみてください。

 

<解説>
一般的に2倍のシェアを持つ企業は広告費や開発費について、約40%増しのコストとなると言われています。つまり、

 

企業A:市場シェアが40% 広告費が10万円

 

企業B:市場シェアが20% 広告費は10万円×(100%+40%)=14万円となります。

 

その他市場シェアが10%の企業があった場合、14万円×1.4=約20万円となります。

 

それぞれの市場シェアの立場の違いによって、同じ競争の土俵に上がるためには投入すべき資金に違いが出てきます。

 

資金を投入できないならば、広告に頼らないマーケティングを考えなくてはなりません。

 

まとめ

 

マーケット・ライフサイクルは、製品によっては衰退期に入っているものの市場が再活性化してライフサイクルが伸びることもあります。

 

また、同業界内でもセグメント別にみるとライフサイクルにおける段階が異なることもあります。

 

規模の効果を分析することで競合企業と同じ土俵の上で競争を続けるべきか否かを判断することができます。

 

ここで述べたフレームワークや考え方を機械的に当てはめるのではなく、参考としながら考えることが重要となります。

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