売上を最大化させるビデオセールスレター(VSL)の効果と作り方
ウェブ動画をマーティングに活用することにより、集客とセールスを最適化することができます。その中でも、セールスに動画を活用することは大変効果的です。
セールスに活用する動画を「セールス動画」と呼びますが、アメリカなどの英語圏でよく活用されているセールス動画の中に、「ビデオセールスレター(VSL)」というものがあります。
ビデオセールスレターを活用した販売手法は、従来の販売手法に比べて成約率を高めることができます。ここでは、ビデオセールスレターの効果と作り方を解説していきます。
ビデオセールスレター(VSL)とは
インターネットビジネスなどで活用される販売ページには、「セールスレター」というセールス文句を縦に長く並べたWebページが多く用いられています。
なぜセールスレターが多く用いられるのかといえば、成約率が高いからです。しかし、現在はセールスレターを活用する企業が増えたことにより、目新しい手法ではなくなってきたことから、高い成約率を出すことが難しくなってきました。
そこで、米国を中心とした英語圏で活用され出したものが、ビデオセールスレターです。ビデオセールスレターは多くの場合、文字だけのセールスレターよりも成約率が高い傾向にあります。つまり、商品がよく売れるのです。
ビデオセールスレターとは、簡単にいってしまえばセールスレターを動画にしたものです。セールスレターは文字を読ませることにより商品を販売するツールですが、ビデオセールスレターは文字を読ませ、言葉を聞かせることにより商品を販売するツールです。
つまり、視覚だけでなく聴覚にも訴えかけることができるのが、ビデオセールスレターの特長です。
それでは、具体的にビデオセールスレターとはどのようなものなのでしょうか。
ビデオセールスレターとは、「話し言葉を全て文字に起こし、それを読み上げる動画」です。もちろん画像を使うこともありますが、基本的には文字を読み上げる動画となります。具体的には以下のような動画を指します。
このように、1~5行程度の文字が記載されたスライドが次々に表示されていき、それをそのまま読み上げていく動画です。
セールス動画といえば、販売者自らが動画に顔出しをしなければいけないというイメージがありますが、ビデオセールスレターであれば顔を出さなくても効果的なセールスを行うことができます。これもビデオセールスレターのメリットの一つといえるでしょう。
それでは、なぜビデオセールスレターでは高い成約率が出せるのでしょうか。
ビデオセールスレターが商品販売において効果的な理由
ビデオセールスレターはセールスレターを動画にしたものですが、なぜセールスレターより成約率を高めることができるのでしょうか。
その理由には大きく以下の3つがあります。
・声と文字の両方で訴えかける
・売り込みではなくコンテンツに見える
・セールスプロセスをコントロールできる
それぞれ詳しく解説していきます。
声と文字の両方で訴えかけられる
人は目で見るだけより耳でも聞いた方が、理解度が高まる傾向にあります。例えば、学校の勉強を思い出してみましょう。
英語の授業では英単語を暗記しなければなりませんでした。そして単語を覚える際に、ただ目で追って覚えていたでしょうか。おそらく声に出して発音しながら覚えたはずです。
英単語に限らず、何かを暗記する場合は、声に出して音でも覚えようとしたのではないでしょうか。実際、この方法は目で追うだけの場合よりも効果が高かったはずです。
なぜなら、視覚だけでなく、自分の声を通して聴覚でも認識をすることができるからです。
そして、ビデオセールスレターでも全く同じ効果が得られるのです。
つまり、文字を目で追うと同時に、声により耳にも訴えかけられるので、理解度が高まってすんなり頭に入っていくのです。
そのため、見込み客に訴えかけたいことを、効果的にアピールすることができるのです。
売り込みではなくコンテンツに見える
ビデオセールスレターは、動画であることから売り込みではなくコンテンツに見えるという効果があります。人は売り込みだとわかると、それを避けようとします。
文字だけのセールスレターの場合、世の中で多用されているということもあり、それを見た瞬間に売り込みだと判断されることがあります。そのため、せっかく集めた見込み客をセールスの場で逃がしてしまうこともあるのです。
しかし、ビデオセールスレターはまだ世の中に浸透していないため、初めから売り込みだと判断される可能性が低いです。
しかも動画マーケティングの場合、セールスを行う前の段階で、売り込みではない有益な動画コンテンツを何度も見込み客に提供しなければなりません。そのため、動画コンテンツを見慣れている見込み客にとってみれば、ビデオセールスレターもコンテンツの一つと思ってもらえる可能性が高いのです。
コンテンツの一つであると思ってもらうには、売り込みだけでなく、実際に有益な情報を提供しなければなりません。そのため、ビデオセールスレターの構成は、前半の7割程度を役に立つ情報を詰め込んだコンテンツにし、後半の3割程度で売り込みを行うようにします。
そうすることで、動画視聴中の見込み客の離脱を防ぐことができるのです。
このように、販売ページを見た瞬間に離脱されるというリスクが低いことも、ビデオセールスレターのメリットであり、成約率を高める理由の一つです。
セールスプロセスをコントロールできる
売れるセールスレターはセールスプロセスを非常に大切にしています。セールスプロセスとは、どのような順番でどのような内容を見込み客に伝えるかということです。
この伝える順序がめちゃくちゃであれば、セールスレターで効果を上げることはできません。しかし、文字だけのセールスレターの場合、「読み飛ばし」ができてしまいます。
たとえ適切な順序でセールスコピーを書いていたとしても、読み飛ばされてしまっては意味がありません。価格だけ見て「高いな」と思われたとしても、なぜその価格になっているのかを説明できないのです。
しかし、ビデオセールスレターであれば、このセールスプロセスをコントロールすることができます。なぜなら、動画は自動的に再生されていくので、強制的に順序立てて視聴させることができるからです。
動画であっても、先に飛ばして視聴することができると反論があるかもしれません。確かに、YouTubeなどの動画共有サイトで動画を視聴する場合は、基本的に動画の下部に「コントロールバー」が付いています。
コントロールバーを操作することによって、動画を先に送ることはできます。しかし、コントロールバーがなければ操作をすることができませんので、動画の再生に合わせて視聴していくしか方法がありません。
そして、後ほど詳しく解説しますが、Webページに動画を埋め込む場合は、コントロールバーを隠すことができるのです。そのため、ビデオセールスレターでは適切な順番で必要な情報を伝えることができるのです。
以上のような理由から、ビデオセールスレターは高い成約率を稼ぐことができます。
ビデオセールスレターの作り方
それでは、どのようにしてビデオセールスレターを制作していけばいいのでしょうか。ビデオセールスレターの制作では、以下の3ステップを踏むこととなります。
1. 原稿作成
2. 動画作成
3. 販売ページ作成
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 原稿作成
まず、ビデオセールスレターを制作するには、伝える内容、つまり原稿(スクリプト)を作らなければなりません。その原稿をもとに後ほど動画を作成することになります。
ビデオセールスレターはセールスレターを動画にしたものなので、基本的にはセールスコピーライティングの知識が必要となります。
なぜならセールスコピーライティングでは、見込み客に商品を購入してもらうには、どのような順番でどのようなことを伝えればこよいかといったことが長年研究されてきたからです。
そのため、ぜひセールスコピーライティングを勉強していただきたいと思います。ただ、セールスコピーライティングの初心者でもビデオセールスレター(VSL)が作れるように、ここではビデオセールスレターの原稿を書く上での基本的な流れを解説していきます。
この流れの通り原稿を書いていけば、成約率の高いビデオセールスレターを作ることができるようになります 。
それでは、どのような流れで原稿を作っていくのでしょうか。原稿の作成には、以下の5ステップがあります。
1. 注意をひく
2. 課題の抽出
3. 解決策の提示
4. 商品紹介
5. 行動を促す(コールトゥアクション)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 注意をひく
まず最初に、視聴者の「注意をひく」ことが大切です。見込み客の多くは、動画を見始めてすぐに「見るべき動画」かどうかを判断します。もし、最初の数秒で視聴者の注意をひけなければ、すぐにページを閉じられてしまいます。
そのため、まずは見込み客の注意をひき、動画を見続けてもらうことに注力しなければなりません。
それでは、どのように注意をひけばよいのでしょうか。これには、さまざまなテクニックがありますが、特に効果的なものをご紹介します。それは、以下の3つのメッセージを使います。
・衝撃的なオープニング
・逆説的な事実
・動画を見ると得られるメリット
・衝撃的なオープニング
最初に視聴者に対してインパクトを与えるような衝撃的なオープニングを展開します。
よく使われる手法としては、「警告! この動画は一部の人にとって不快な内容が含まれています」や「注意! この動画は自己責任でご視聴ください」など、相手を驚かせるようなメッセージから始めるというものです。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレターを制作する場合であれば、「警告! この動画はダイエット中の女性にとって、不快な内容が含まれています」のような書き出しから始めるのです。
こうすることで、ダイエット中の女性からしてみれば先が気になってしまい、続きを見ずにはいられなくなるのです。
・逆説的な事実
逆説的な事実とは、「一般に信じられていることと反対の事実」という意味です。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレター(VSL)に取り入れる場合は、「甘いものを食べてはいけない」「毎日運動をする必要がある」など、世間一般に信じられていることとは反対の事実を示すということです。
例えば、「ダイエットでは甘いものを食べても問題ない」「毎日運動をするのは効率が悪い」などを冒頭に述べます。
もちろん、その後に逆説的な事実を補完する証拠を提示しなければなりませんが、こういったメッセージを突きつけられた視聴者は、その理由が知りたくて動画にくぎ付けになります。
・動画を見ると得られるメリット
これは、かなりストレートなテクニックになりますが、「この動画を見るとこんな良いことがありますよ」ということを最初に伝えるのです。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレター(VSL)であれば、「この動画を見れば、これまでのダイエット法がいかに無駄が多かったかが理解できます。そして、誰でも簡単に始められる、本当に効果的なダイエット法を身につけることができます」といったようなメッセージを与えるのです。
注意点としては、商品を購入することで得られるメリットではなく、あくまでビデオセールスレター(VSL)を見ることで得られるメリットを提示しなければならないということです。
まだ導入段階であるため、絶対に売り込みをしてはいけません。まずは、動画を見続けてもらうことに注力するのです。そのために、動画を見ることで得られるメリットを最初に示してあげるのです。
2. 課題の抽出
見込み客の「注意をひく」ことができたら、次は見込み客の「課題の抽出」をする作業に入ります。
視聴者は何か不満や問題を抱えているから、あなたの動画を見ているのです。その漠然とした見込み客の課題を言語化してあげるのです。そして、その課題に対して共感を示してあげるのです。
例えば、ダイエット食品のVSLの場合は、「ダイエットのためには運動をしなければなりません。でも、毎日仕事で忙しくて運動をする時間を確保することができないのではないでしょうか。休日も普段の仕事の疲れがたまっているから、運動をする気力が残っていませんよね」といったように課題を提示し、それに共感をしていくのです。
そうすることで、視聴者側も「そうそう、その通り」といった感情を抱き、動画に引き込まれていきます。
そして、見込み客の課題を抽出して言語化した後に、その課題の解決法を私がもっているということを伝えます。つまり「あなたの課題を私は解決できる」と約束をするのです。
例えば、先ほどのダイエットであれば、「運動をする時間がなくても大丈夫です。毎日忙しいあなたにも、1日5分間あれば自宅で簡単にできる効果的なダイエット法があります。さまざまな種類のダイエットを試してきて、失敗し続けてきた怠け者の私でも、この方法では無理なく痩せることができました。その方法とは……」
そのようなことを言われれば、視聴者は先を見ずにはいられなくなります。そして、このあとに解決策を提示してあげるのです。
ここで、「課題の抽出」から「解決策の提示」に移る際の、効果的なテクニックをご紹介します。それは、「ストーリーを語る」ということです。
論理的な話ばかりですと視聴者は疲れてきますし、集中力が落ちます。そのため、ストーリーを語ることで視聴者の集中力を維持していきます。
具体的には、「見込み客と同じ課題を抱えている人物が、ある方法により課題を解決することができた」というストーリーを話すのです。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレターの場合は、「私も以前は体重が80kgあり、周囲からはブーちゃんというあだ名を付けられていました。でも、あるダイエット法に出会ってからは体重がどんどん落ちていき、とうとう50kgを切ることができました。そのダイエット法とは……」というような内容のストーリーを語るのです。
そして、そのストーリーのまま「解決策の提示」に移っていきます。
3. 解決策の提示
「課題の抽出」の最後の部分でストーリーを語ってきました。そのストーリーの中で「解決策の提示」を行っていきます。
ダイエット食品のVSLの場合では、「○○といったダイエット法と出会い、私の人生は一変しました」といったように話していきます。
しかし、ストーリーを語っただけでは視聴者は信じてくれません。そこで、「なぜこの解決策に効果があるのか」といった理由を論理的に提示していきます。
ここで必要となるのが「証拠」です。提示した解決策に効果がある理由を述べた後で、その理由を補完する証拠を示さなければ、視聴者は納得しません。そのため、客観的な証拠を集めて、ここで提示する必要があります。
例えばダイエット食品のVSLの場合では、「このダイエット法を3人のモニターに1か月間試してもらいました。すると平均して○○kgの減量に成功しました。」といったように、データと写真などで客観的な証拠を提示するのです。
こうすることで、視聴者の疑問や疑いを払拭していきます。そして、もう一度課題を解決することによるベネフィットを示します。課題が解決された後の未来を想像させるのです。
ダイエットの場合であれば、「ダイエットに成功したあなたは、今まで着られなかったオシャレな洋服を着られるようになります。周囲からは『綺麗になった』と羨望の視線が注がれるでしょう。そして、きっと素敵な恋人ができるはずです」といったように、課題の解決によるベネフィットを言語化してあげるのです。
ここまでくれば、視聴者は夢中で動画を視聴しているはずです。そして、見込み客の感情がピークに達したタイミングで、商品紹介に移っていきます。
4. 商品紹介
ここから、ようやく商品紹介をしていきます。ここまでは、完全に見込み客の役に立つ情報を話してきましたが、ここからは売り込みのパートとなります。
商品紹介へ移る際に、見込み客を絞り込む作業をします。全ての人に商品を購入してもらいたいわけではなく、本当に自社の商品が必要な人だけに買ってもらいたいというメッセージを伝えるのです。
そうすることで、購入する可能性のある見込み客に対して、より強い動機を与えることができます。具体的には、2択を迫るというテクニックがあります。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレター(VSL)の場合は、「ここまでお話ししてきた画期的なダイエット法を身につけるには2つの方法があります。一つは、自力で調べて身につけるという方法です。インターネットや本で一生懸命調べれば、この方法を知ることができるでしょう。もう一つは、もっと簡単にできる方法です。それは……」といったように商品紹介へ移行します。
このように2択を迫ることで、あなたの商品への興味と期待をより高めるとこができます。
そして、ここから商品紹介を行っていきます。商品紹介では、以下の内容を伝えていきましょう。
・商品の発表
・商品製作者の紹介
・価格
・特典
・締め切り
・商品の発表
期待感を高めた後に、商品を発表していきます。商品名はもちろん、商品の特長を紹介していきます。その際に、「商品の5つの特長」といったかたちで、メリットをいくつかに分けて説明してあげるとわかりやすく効果的です。
・商品製作者の紹介
どのような人がこの商品を作ったのか、個人や企業の自己紹介をしていきます。その際に、どのような動機や想いで制作に至ったのかという経緯も伝えましょう。
・価格
価格は見込み客の最も気になる情報の一つです。価格を発表する際に注意することは、その価格になった理由を提示することです。
例えば、「この商品を開発するのに2千万円以上の研究開発費と3年以上の月日を費やしました。そのため、本来であれば○○万円で販売したいと考えています。しかし、多くの方に使ってもらい、効果を実感していただきたという想いから、特別○○円で販売いたします。」といったように、その価格が適正である、あるいは割安であるといった理由を示さなければなりません。
・特典
テレビショッピングでもよく見かけると思いますが、価格の発表の後に「今ならさらに○○もついてきます!」といったように特典の紹介があるかと思います。
この特典は購入を迷っている見込み客の背中を押してあげる効果があります。そのため、できるかぎり特典をつけるようにしましょう。
・締め切り
締め切りを設けることにより、成約率を高めることができます。例えば、「○月○日までの限定販売」「○月○日までの限定価格」「○月○日までの限定特典」など、商品販売自体に締め切りを設ける方法や、価格や特典に締め切りを設ける方法を含め、さまざまなやり方があります。
どのような締め切りを設けるかは、商品特性を考えて選ばなければなりません。重要なのは、「今買わないと損をする」と思わせることです。実際にここで販売できなければ、その後に売れる可能性は著しく低下します。そのため、今ここで購入してもらえるように工夫をする必要があるのです。
5. 行動を促す(コールトゥアクション)
「商品紹介」が終われば、最後は「行動を促す」作業に入ります。行動を促すことを「コールトゥアクション」ともいいます。つまり、見込み客にとってほしい具体的な行動を指示するのです。
例えば、「今すぐ動画の下にある申し込みボタンを押して、この商品を手に入れてください」と具体的行動を促すのです。
「購入したい人は当然申し込みボタンを押すはずなので、あえて指示する必要はない」と考える人もいますが、このコールトゥアクションを行うか否かで、成約率が大きく変わってきます。
必ず最後の行動を促す作業を行うようにしましょう。
そして、視聴者の背中を押すための、いくつかのテクニックをご紹介します。以下のテクニックを使うことで、成約率を高めることができます。
・保障をつける
・お客様の声、権威者の声をつける
・購入しないことのデメリットを提示する
・保障をつける
例えば「商品購入後、満足いただけなければ全額返金します」など、何らかの保障をつけることにより、購入のハードルを下げることができます。
・お客様の声、権威者の声をつける
実際にその商品を購入したことのあるお客様の感想の声や、その業界の権威者の推薦の声などを聞かせることにより、信頼性を高めることができます。
これは心理学で「社会的証明」と呼ばれている、人が反応を示す特性を利用したテクニックです。
・購入しないことのデメリットを提示する
これまでは、基本的に商品を購入することによるメリットやベネフィットを伝えてきましたが、ここでは反対に、商品を購入しないことによるデメリットを提示していきます。
人は「得られるメリット」よりも「失うことの恐怖」に突き動かされることが多いといわれています。
例えば、ダイエット食品のビデオセールスレター(VSL)の場合では、「今このダイエット食品を購入しなければ、本来であれば恋人と幸せに過ごしていたであろう今年のクリスマスを、一人で寂しく過ごすことになるかもしれません。そして、3年後素敵な夫と可愛い子供に恵まれた幸せな家庭を築けていたかもしれないのに、一生独身で生きていくことになるかもしれません」といったように、購入しないことで失われるものを想像させるのです。
アメとムチでいえば、ムチの部分を上手く活用して、見込み客に訴えかけるテクニックとなります。
以上、ここまで解説してきたように、ビデオセールスレターの原稿を作成するには5つのステップを踏んできました。おさらいすると、その5ステップは以下の通りです。
1. 注意をひく
2. 課題の抽出
3. 解決策の提示
4. 商品紹介
5. 行動を促す(コールトゥアクション)
この5ステップを意識してVSLの原稿を作成していきましょう。
2. 動画作成
ビデオセールスレターの原稿を作成できたら、いよいよ動画を作成していきます。原稿が準備できていれば、あとはスムーズに作業を進めることができます。
動画を作成するには以下の3つのステップを踏んでいきます。
1. スライドの作成
2. 録画
3. 編集
それぞれ、詳しく解説していきます。
1. スライドの作成
スライドの作成とは、プレゼンスライドを作成していくという意味です。ビデオセールスレターは、プレゼンスライドに1~5行程度の文字を書き込み、それを読みながら送っていくだけの動画です。
そのため、まずはプレゼンスライドを作成しなければなりません。ただ、すでに原稿を作成してある段階ですので、原稿に書いてある文言をプレゼンスライドに転載していく作業となります。
1枚のスライドに1~5行程度に収まるよう、原稿から文章を書き写していきます。読みやすいように、1行につき10~20文字程度になるような文字の大きさにしましょう。そして、文章は全て中央揃えにすると見やすくなります。
スライド作成の際に、WindowsのPCを使用している場合は、「Microsoft PowerPoint」を使用すると良いでしょう。MacのPCをお使いの場合は、「Keynote」を利用しましょう。また、GoogleではGoogleスライドという無料のプレゼンツールを提供していますので、こちらを利用してもいいかもしれません。
2. 録画
スライドの作成が終わりましたら、スライド画面を録画していきます。収録する内容は、スライドに書かれている文章を順番に読み上げていくだけです。ここまで、WindowsであればPowepoint、MacであればKeynoteを使用してプレゼンスライドを作成してきました。
実は、Office2013以降のPowerPointやKeynoteには録画機能がついております。そのため、スライドを作成したら、そのまま収録を行うことができるのです。
もし、PowerPointのバージョンが古く録画機能が使えない場合は、「Camtasia」という画面録画ソフトがあります。こちらを使用すれば問題なく録画が行えるはずです。この他にも、無料で画面録画ができるソフトがありますので、自分で使いやすいものを探してみましょう。
録画の際に、一つ注意事項があります。それは、「音声」にこだわってほしいということです。動画は映像が少し悪くても見続けることはできますが、音声が悪い場合は視聴することが難しいといわれます。
そのため、なるべく音声はきれいに収録するように心がけましょう。そのためには、PC内蔵のマイクではなく、外付けのマイクを使用するとよいです。
3千円~3万円程度でUSB接続のマイクが購入できますので、予算と相談しながら外付けのマイクを1つもっておくとよいでしょう。
3. 編集
スライドを作成し録画をすることができましたら、最後は編集作業を行います。言い間違ってしまったところや、言葉が詰まってしまったところなど、無駄な箇所をカットしていく作業です。必要であれば、BGMや写真などの画像を挿入することもできます。
編集を行うには、動画編集ソフトを使用する必要があります。WindowsPCを使用している場合は、無料で使える「ムービーメーカー」というソフトがおすすめです。Macをお使いの場合は、「iMovie」というソフトが無料で使用できますので、そちらを使ってみましょう。
それ以外にも、有料ではありますが、WindowsでもMacでも使える「Adobe Premiere」というソフトもあります。こちらは上級者向けのソフトですが、今後動画を多く制作していく予定であれば、使い方を覚えてみるのもよいでしょう。
以上のような流れで、ビデオセールスレターの動画を制作していきます。
3. 販売ページ作成
ビデオセールスレターの原稿と動画が作成できましたら、最後は販売ページを制作していきます。ビデオセールスレターを載せる販売ページのことを専門用語でランディングページ(LP)と呼ぶこともあります。このランディングページから実際に注文を受けることになります。
それでは、ビデオセールスレターを載せるランディングページとは、どのようなものでしょうか。具体的なイメージとしては、以下の図のようなページとまります。
図のようにビデオセールスレター(VSL)のランディングページでは、以下の3要素によって成り立っています。
・ヘッドライン
・動画
・申し込みボタン
ヘッドラインとは、動画の上に記載される題名のようなものです。動画を見てもらうために見込み客の目を止める役割があります。このヘッドラインは必ずしも必要ではなく、動画の冒頭にヘッドラインの役目となる文章を持ってきても問題ありません。
それでは、ヘッドラインはどのようなことに注意して作成していけばよいでしょうか。ヘッドラインは動画を視聴させることが目的となるので、どのような文言であれば動画を視聴してもらえるかを考えて作成しなければなりません。
そこで、VSLが売り込みではなく役立つコンテンツであることをほのめかしながら、見込み客の興味をひくようなインパクトある文言をもってきます。
例えば、ダイエット食品のVSLのヘッドラインの場合は、「一流モデルだけが知っている秘密とは!? まだ日本には入ってきていない海外の最新ダイエット法を無料公開します」といったような内容にしていきます。
「動画」と「申し込みボタン」はとくに解説は不要かと思います。動画はビデオセールスレターの中身であり、申し込みボタンは決済ページへとリンクするボタンのことです。
ここで、申し込みボタンについて1つテクニックをご紹介します。最初の方で、ビデオセールスレターは前半の7割程度をコンテンツに、後半の3割程度で売り込みをすると解説しました。
しかし、最初から申し込みボタンが表示されていると、売り込みであることがばれてしまう可能性が高いのです。そこで、最初は申し込みボタンを表示させずに、動画が売り込みのパートに差しかかった時点で、ボタンを表示させるということを行っているランディングページもあります。
これを行うにはプログラミングの知識が必要ですので、興味があれば勉強してみるのもよいでしょう。しかし、最初はそこまで気にする必要はありません。なぜなら、ビデオセールスレター(VSL)自体が日本ではあまり行われていない存在ですので、申し込みボタンの表示の有無にかかわらず十分効果を発揮することができるからです。
以上のように、ビデオセールスレターは以下の3ステップに沿って制作をしていきます。
1. 原稿作成
2. 動画作成
3. 販売ページ作成
この流れの通りに作業を進めていけば、初心者でもビデオセールスレターを作ることができます。
ビデオセールスレターを作成する際に取り入れるべきテクニック
ビデオセールスレターを作成する際に、取り入れておくと高い効果を得られるテクニックをご紹介します。それは、以下の2つのテクニックです。
・動画のコントロールバーを非表示にする
・動画を自動再生させる
それぞれ詳しく解説していきます。
動画のコントロールバーを非表示にする
ビデオセールスレターではセールスプロセスをコントロールすることで成約率を高めることができると説明してきました。
そのためには、動画のコントロールバーを隠しておく必要がありました。それでは、どのようにコントロールバーを非表示にすればいいのでしょうか。
これを行うには、正直プログラミングの知識がないと難しいかと思います。そのため、独自に勉強してみるか外注してみるのも一つの手です。
しかし、ここではYouTube動画を活用してコントロールバーを非表示にする簡単な方法を解説します。
まず、YouTube動画をWebページに埋め込むためには、YouTube内で「埋め込みコード」を取得しなければなりません。埋め込みコードはYouTubeの動画の下部にある「共有」をクリックすると表示することができます。
YouTubeの埋め込みコードは以下のようになっています。
<iframe src=”https://www.youtube.com/embed/〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>
「○」の部分は動画のIDですので、動画によって変わってきます。この埋め込みコードをWebページに貼り付けることにより、Youtube動画を販売ページに埋め込むことができます。
そして、コントロールバーを非表示にするには、この埋め込みコードに少し手を加えます。具体的には動画IDの後ろに「?controls=0」を追加するのです。つまり、以下のように埋め込みコードを修正します。
<iframe src=”https://www.youtube.com/embed/〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇?controls=0” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>
これにより、Youtube動画のコントロールバーを隠すことができます。
動画を自動再生させる
動画を自動再生させるというのは、販売ページを開いたら自動的に動画が再生されるように設定するという意味です。
米国などで活用されるビデオセールスレターでは、大半がこのテクニックを使用しています。なぜなら、「再生ボタンを押させるひと手間」を省くことによって、視聴される確率が高くなるからです。
せっかく見込み客を販売ページに誘導したとしても、動画を視聴されなければ意味がありません。苦労して制作したビデオセールスレターも無駄になってしまいます。
そこで、販売ページを開いた瞬間に自動的に動画が再生されるように設定しておくのです。
それでは、どのようにすれば動画を自動再生させることができるのでしょうか。ここでも、YouTube動画を例に解説していきます。
方法としては、コントロールバーを非表示にさせるときと同じく、埋め込みコードに手を加えていきます。以下は、コントロールバーを非表示設定にしたときの、YouTube動画の埋め込みコードです。
先ほど追加した「?controls=0」の後ろに今度は「&autoplay=1」という文字列を追加します。
<iframe src=”https://www.youtube.com/embed/〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇?controls=0&autoplay=1” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>
このように埋め込みコードを修正してWebページに貼り付けることで、ページを開いた際に自動再生されるように設定することができます。
以上、この2つのテクニックは非常に高い効果を得られるので、ぜひ取り入れてみましょう。
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