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リーダーシップの究極の二軸(課題関連行動と人間関連行動)

リーダーシップの研究者が、これまでに発表してきた数多くの理論には、必ずといっていいほど共通して含まれている、2つの大きな軸があります。それは、課題関連行動軸人間関連行動軸です。

 

課題関連行動とは、課題やビジョンの設定、仕事の枠組み作り、業務指示など、仕事や課題に関する側面です。もう一つの、人間関連行動とは、従業員への配慮や思いやり、人間同士の信頼性の蓄積、人的ネットワークの構築など人間的な側面です。

 

リーダーシップを効果的に発揮するには、この2軸が重要であることを物語っています。

 

一方で、有名な企業経営者の著書や語録でも、リーダーシップについて語るとき、この2軸に関連する言葉が必ず登場します。

 

この記事では、この究極ともいえるリーダーシップ理論の二つの軸(以下、「課題軸」、「人間軸」)を、研究者の理論を中心にどのように取り入れられているかを詳しく見ていき、リーダーシップに対する理解を深める助けとしたいと思います。

 

そのうえで、自分自身の置かれた立場や環境を踏まえて、独自のリーダーシップについての「持論」を構築していただければと思います。

 

例1:夏目漱石「草枕」

 

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」

 

これは、明治の文豪夏目漱石著「草枕」の銘文として名高い書き出し部分です。「智に働けば・・」からの2文は、まさにリーダーシップの2面性に対応しています。

 

まず、「智に働けば角が立つ」は、課題関連行動に対応します。目的を達成するために自分が正しいと考えた理屈だけで人を動かそうとしても、かえって反感を買ってしまうことはしばしば起こりうることです。

 

次に、「情に掉させば流される」は、人間関連行動に対応していると言えるでしょう。他人に配慮しすぎて、頼むべきことや断るべきことを伝えるのを後回しにしてしまうと、後々言いにくくなって、そのままになってしまったというような経験はないでしょうか。

 

小説の主人公は、人付き合いに疲れた画家なので、リーダーシップとは直接的には縁がないかもしれません。しかし、この2文は、見事にリーダーシップの2軸を逆説的にとらえています。

 

この小説が発表されたのは1906年で、漱石は熊本で英語教師をしていました。後に詳しく述べる三隅ニ不二がPM理論で課題関連行動と人間関連行動の二軸を発表する時より半世紀も前に、既に漱石はこの2軸の重要性を肌で感じていたのでしょう。

 

この2軸の普遍性とともに、2軸を兼ね備えたリーダーになることの難しさをも強く意識させられます。

 

三隅ニ不二のPM理論

 

三隅ニ不二は、九州大学、大阪大学で教鞭を取った心理学者です。リーダーシップをパフォーマンス(P行動)とメンテナンス(M行動)の2つの軸で説明したPM理論を1966年に発表し、世界的にも有名になりました。

 

P(Performance)行動は、集団の目的達成のための行動で、課題軸に当たります。M(Maintenance)行動は、集団の維持を目的とする行動で、人間軸に当たります。

 

P行動とM行動の理解を深めるために、具体的にどのような行動を指すのか見てみましょう。

 

[学校のクラブ活動の場合]
・監督が練習を促す、試合でのミスの反省を求める         − P行動
・試合での勝利を祝って生徒に褒美を与える、失敗した生徒を励ます − M行動

 

[芸能プロダクションのタレントの扱い]
・社長が現場に遅刻したタレントに対し繰り返さないよう警告する  − P行動
・マネージャーがタレントの悩み事を聞くなど心のケアを行う    − M行動

 

PM理論

 

PM理論の4つの類型

 

三隅ニ不二は、P行動軸とM行動軸で上図のとおり4つのマトリクスを作りました。P行動もM行動も強いPM型、P行動が強くM行動が弱いPm型、P行動が弱くM行動が強いpM型、P行動もM行動も弱いpm型の4類型です。

 

この4類型の中で、最も効果的にリーダーシップを発揮できるのは、やはりPM型のリーダーであることが分かっています。

 

事例から見る2軸

 

さて、具体的な事例をもとに、PM理論のP行動とM行動を具体的にみていきましょう。

 

例2:スーパーマーケットのレジ精算部門の責任者

 

スーパーマーケットの女性社員Aさんは、店内異動でレジ精算部門の責任者となりました。社員1名でパート20名の部下を初めてもつことになりました。

 

パートには、自分よりも年配で勤続年数も長い方が半数以上ます。そのうちB、Cさんは、従来から待遇や休暇について上司に要望を突き付けることが習慣化していました。それが原因で、人間関係を嫌った前任者も含めた何人もの正社員を退職に追いやってきたというような噂もあります。

 

Aさんは、異動早々、BさんとCさんから無理な主張を毎日のように長い時間聞かされました。彼女らの言うことを全面的に聞いてしまっては、お客様に対するサービスが維持できず、精神的なストレスを抱えることとなります。

 

ある日、鬱憤が抑えきれなくなり、Bさんに度を越した暴言を浴びせてしまったAさんは、帰宅したBさんの自宅まで電話をかけて謝罪しました。その時はさすがのBさんも気落ちしていたようで、電話越しに泣いているようでした。このときAさんは、Bさんと心が通じ合ったように思え、以降、思ったことを率直に言い合える仲となりました。

 

Bさん、Cさんの話には耳を傾けるべきこともいくつかあります。例えば、Aさんは特定のパートを混雑しやすいレジに多く配置しており、そのことをBさんが指摘してきたのです。早速Aさんは、忙しいレジと混雑しにくいレジにバランスよく各パートを配置し、負荷が公平になるように改善しました。

 

そのうちに、能力も協調性も高いDさんが、パートの中で一目置かれていることを、Aさんは知ることとなります。そこでDさんをリーダーに指名し、Dさん経由で他のパートに仕事上の伝達を行うようにしたところ、業務がうまく回るようになってきました。

 

また、それまで歴代のレジ責任者から疎まれ評価の低かったBさんは、実は商品の扱いが早く丁寧で、接客技術も高いことに気がついたのです。逆に、過去に評価の高かったEさんは、身だしなみはしっかりしており、一見人当たりはいいものの、お客様への言葉遣いに問題があるうえに、面倒なことは避ける傾向が強いことが発覚しました。

 

そして、パートのボーナス査定では従来一律だったものを、仕事の実績を公正に評価をしたうえで差がつくようにしたのです。しかし、パート同士で、ボーナスの金額を見せ合うのが習慣化していたため、「Eさんだけ金額が間違っている」と皆が騒ぎ出しました。

 

しかし、既にAさんはEさんと面談し、会社としての評価とその理由を説明しており、Eさんも納得していたのです。ある日、Dさんから「Aさんは正当な評価もしてくれるし、今までの責任者の中で一番頼れる人です」と言われました。毅然と正しい評価を付けることで、パートたちからの信頼感を得ることができたようです。

 

1年後に、Aさんは他店舗に異動することになりました。その時にパートがお金を出し合い、送別会を開いてくれたのです。他部門に古くから勤務しているパートたちは、Aさんに対するレジ部門のパートたちの対応を信じられない気持ちで眺めていたそうです。

 

さて、この事例でAさんのP行動とM行動をまとめたのが、次の表です。

 

Aさんが発揮したリーダーシップ

 

最初からPM型のリーダーシップを発揮できる人は極めて少ないといえます。Aさんの場合にも、組織をまとめあげるのに時間を要しましたし、小さな成功体験かもしれません。しかし、課題を解決していく中でAさん自身も成長し、リーダーシップの能力も向上しました。

 

信頼性蓄積理論

 

信頼性蓄積理論」は、米国の社会心理学者E.P.ホランダーが提唱した理論です。

 

一般的に新しいリーダーが就任した際に、必ずしもすぐにリーダーシップが発揮できるとは限らず、まずは部下から信頼を得ることから始めなければならないとしています。そのためには、早々に業務上の成果を上げることが重要だという主張です。

 

信頼を得られれば、リーダーシップを発揮しやすくなり、従来のやり方を変えることも可能となるとしています。

 

信頼性蓄積理論の概要

 

この「信頼性蓄積理論」において見出せる2軸は、以下の通りです。

 

課題軸として認められるのは、部下からの信頼を得るために、「まずは早い段階で業務上の成果を上げろ」という点です。一方で、人間軸と考えられるのは、「新人リーダーは、いきなりやり方を変えるのではなく、まずは部下との相互信頼を蓄積することが重要である」という点です。

 

例2について、この点を見てみましょう。

 

Aさんは、最初に忍耐強くパートの話を受け止める努力をしました。そこから、レジごとの人員の配置方法を改め、パート個々人の業務負荷を平準化したことで業務上の成果を上げ、部下との相互信頼を構築できたのです。

 

そのために、従来一律であった評価を厳格化するという小さな改革にも、一部でつらい思いをする人が出てきたにも関わらず、部下は受け入れてくれました。

 

サブリーダーによるリーダーシップの補完

 

例2の中で、1点注目して欲しいのはDさんの存在です。Aさんはもともと他部門にいました。この場合、レジの実務は上長であるAさんより、Bさん、Cさん、Dさんといった古参のパートたちの方が熟知している状況だったことでしょう。

 

つまり、Aさんは当初、課題軸に不安があったはずです。そこを補完したのがDさんだったのです。

 

Aさんは、主に人間軸を中心に担い、課題軸の一部をDさんが受け持つことにより、レジ部門全体のリーダーシップが従来よりも有効に機能したといえます。

 

広島大学の社会心理学者である坂田桐子教授のグループから、企業経営において組織に複数のリーダーが存在する場合の方が、単独のリーダーしかいない場合に比べて、リーダーシップがより機能するという研究成果が発表されています。

 

この場合、リーダーが課題関連行動の能力が高ければ、サブリーダーには人間関連行動に長けている者を付け、この2人の関係が良好であれば、高いリーダーシップの成果が期待できるということです。

 

究極の2軸は古いのか

 

現代では、「人情は仕事には関係ない」、あるいは、「成果を上げるには人間的配慮はむしろ有害だ」と考えてしまう人もいるかもしれません。そこで、21世紀に入ってから発表された新しい2つのリーダーシップ理論を紹介したいと思います。

 

EQリーダーシップ 2002年 ダニエル・ゴールマン他2名

 

米国の心理学者であるD.ゴールマンは、1995年に、こころの知能指数であるEQという概念を作り出しました。ゴールマンは、優れたリーダーはEQを駆使して、部下の感情をコントロールしていることを見出しています。

 

P行動よりもM行動に重きを置いている概念だといえるでしょう。課題軸でも、EQの下支えがあり、感情が成果を妨げるわけではないと主張しています。

 

オーセンティック・リーダーシップ 2000年代初頭 ビル・ジョージ他

 

米国の最先端医療技術企業であるメドトロニック社でCEO兼会長を勤めたビル・ジョージは、2003年に「Authentic Leadership」(邦題「ミッション・リーダーシップ」)を発表しました。

 

この著書の中で、巨額の粉飾決算により破綻に追い込まれたエンロン社に関し、リーダーの倫理観の欠如を批判しました。そして、5つの特性を備えたオーセンティック(真正な)・リーダーの必要性を説いています。

 

その特性とは、課題軸では、目的をしっかり理解していること、しっかりした価値観に基づき行動していること。一方で人間軸では、真心をもってリードすること、しっかりした人間関係を築くこと、自己を律することが挙げられています。

 

これら2つの新しいリーダーシップ論では、課題軸より人間軸を重要視していることが理解できるでしょう。後で示すように、課題軸に重きを置く「変革型リーダーシップ」でさえも、人的ネットワークという人間軸の要素も組み込まれています。こうして見てみると、この2軸は、時代の変遷にも関わらず、貫き通されているということが理解できます。

 

リーダーシップ研究に見る二軸

 

さて、ここからは、更に幅広いリーダーシップ理論を取り上げ、人間軸と課題軸がどのようなかたちで扱われているかを見てみることにしましょう。

 

R.F.ベールズの研究

 

ハーバード大学のベールズは、あらかじめ司会役の決まっていない討議集団では、議論を進めるプロセスで、複数のリーダーが自然発生的に出てくることを見出しました。

 

そのリーダーは、良いアイデアを出す課題面でのリーダーと、他者から好かれる社会情緒面でのリーダーに分化するとしています。もともと2面とも得意である人は世の中にそう多くいるわけではありません。

 

そのため、課題面と情緒面の2人のリーダーが発生する場合が多くなるのです。

 

ベールズは、この2軸のそれぞれのリーダーの相互作用により、議論が質の高いものへと引き上げられていくことを見出しています。

 

ミシガン大研究

 

1940〜1950年代に、ミシガン大学では、高業績と低業績のチームのリーダーと部下の行動を比較しました。そこで分かったことは、以下の通りです。

 

高業績チームでは、リーダーは大まかな監督を行い、失敗も成長への投資と考える大らかな雰囲気があり、部下は高い目標を掲げられても不当な圧力とは感じていませんでした。そして、指示した業務は部下に任せ、自ら業務に入り込むことはなかったのです。

 

一方、低業績のチームのリーダーは、事細かく指示し、些細なことでもミスがあれば部下を叱りつけており、部下は常にリーダーから不当な圧力をかけられていると感じていました。そして、進捗の遅い部下の業務に自ら手を下していたのです。

 

この研究での短所は、人間軸と課題軸が2軸としてではなく、一つの軸の対極として捉えられていました。そのため、PM理論でいうところのPM型のリーダーが存在するという発想は、この時点ではまだありませんでした。しかし、リーダーシップと業績との関連性を意識している点で先進性があったといえるでしょう。

 

オハイオ州立大学研究

 

日本のPM理論と同様、集団の業績面にはこだわらず、リーダーの行動を整理し尺度を確立する研究を行ったのが、オハイオ州立大学でした。

 

企業で実際にリーダーシップが発揮される現場に出向いて、リーダーの行動を記録、分類整理し、リーダーの行動に関する質問調査票が作成されていきました。度重なる改訂を経て1963年にLBDQ?と呼ばれる十二次元調査票が作成されています。

 

LBDQ?の12項目

 

十二項目について分析を行った結果、最も影響力の大きい項目が以下の2項目でした。

 

・構造づくり:自分の役割を明確に定義してフォロワー(部下)に何が期待されているのか、知ってもらう。

 

・配慮:フォロワーを励まし、元気づけ、彼らの立場を気にかける。

 

このことから、「構造づくり」「配慮」が、オハイオ研究の代名詞ともなりました。まさに、「構造づくり」は課題軸、「配慮」は人間軸に対応していることがわかると思います。

 

サーバント・リーダーシップ

 

R.グリーンリーフの提唱するサーバント・リーダーシップは、課題関連行動よりもむしろ人間関連行動の重要性を説いた理論です。1977年に、リーダーがフォロワーに奉仕してくれると思ったときに、フォロワーはリーダーについていくということを提唱しました。

 

課題軸としては、リーダーはただのサーバント(召使い)になってしまわないために、しっかりとした概念や使命観を示す必要があるとしています。

 

変革型リーダーシップ

 

変革型リーダーシップは、1980年代以降の米国大企業の業績低迷を背景に発生した理論です。変革を必要とする企業のリーダーの行動と企業の成果の関係を一定の時間軸の中でとらえました。

 

ハーバード大学のジョン・コッターが、変革のためのプロセスを示して以降、現在までリーダーシップ理論の一大潮流となっています。

 

変革型リーダーの特徴を3つに絞ると以下のようになります。

 

・アジェンダ設定
・ネットワークの構築
・実行

 

課題軸が中心と思われがちな変革型リーダーシップですが、ネットワークの構築については人間軸ととらえることができます。ネットワークの構築とは、リーダーの指揮命令系統以外の社内外の人々についても、アジェンダの実行に参加してもらうために、説得し巻き込んでいく行動であると説明しています。

 

課題軸と人間軸の相互作用

 

ここまで、究極の2軸を具体例と研究者の理論を交えながら解説してきました。次は、この2軸の関連性や相互作用を見てみましょう。

 

例2を思い出してみてください。Aさんが、もし、BさんやCさんの主張に耳を傾けず、強引にAさんのやり方に従わせていたらどうなっていたでしょうか。BさんやCさんだけではなく、他のパートもモチベーションを下げてしまったことでしょう。

 

Aさんとパートたちは敵対関係に陥ってしまい、Aさんは、この職場から離れざるを得なかったかもしれません。

 

逆に、Bさん、Cさんのご機嫌をとり、彼女らの主張を全面的に受け入れてしまったら、お客様へのサービスが低下して業績悪化につながっていたでしょう。

 

つまり、課題軸、人間軸のどちらか一方だけがうまくいって、もう片方がおろそかになってしまっては、成果は限りなく”0”に近くなってしまうということです。

 

ここから言えることは、

 

「課題軸」 + 「人間軸」 = 成果  

 

ではなく、

 

「課題軸」  ×  「人間軸」 = 成果 

 

だということです。

 

課題関連行動をしっかりしていても、人間関連行動を全くしていなければ、成果はなくなってしまい、逆もまた然りということです。

 

例2では、一人ひとりの評価をしっかり行い、パート個々人の課題を明確にすることで、やれば評価されるという意識を植えつけることができました。このことは、しっかりした評価をするという課題関連行動が、モチベーション向上という人間軸の成果に影響した結果ということがいえます。

 

課題軸と人間軸には、相互作用があるということが理解いただけましたでしょうか。

 

グーグルのマネージャーに求められる要件

 

さて、これまで研究者の理論を中心に見てきました。しかし最後に、企業がリーダーに求める要件を見てみたいと思います。

 

短期間のうちに世界的IT企業に駆け上ったグーグルのマネージャーの要件を見てみましょう。これは、社内アンケートをもとに会社がまとめたものとして公表された内容です。

 

グーグルのマネージャーに求められる要件

 

これを見ると、課題軸には、1、2、4、7、8が分類でき、人間軸には、1、3、5、6が分類できると思います。1の「よき指導者である」は、2軸どちらにも関連がありそうです。

 

この要件から、従業員の自由闊達な雰囲気を重視するとともに成長も促すという企業風土がかなり明確に見えてきます。2の「チームに権限を委譲し、細かいところまで管理しない」は、ミシガン大研究の好業績チームのリーダーの特徴に見事に合致します。

 

一方で、7の「チームに対して明確なビジョンを持っている」は、変革型リーダーシップの「アジェンダの設定」に通じるものがあるようです。

 

あなたもぜひ、それぞれの置かれた環境や立場に適応するリーダーシップの「持論」を構築して、実地で磨きをかけていただきたいと思います。

 

ただ、夏目漱石も悩んだとおり、実際にリーダーシップで成果を出すことは簡単ではありません。しかし、課題軸と人間軸のスキルを兼ね備えたPM型のリーダーになることは、先天的特性を持った一部の者にしか到達できないということでは決してなく、誰もが努力によってつかみ取る可能性を持っています。

 

現在リーダーの立場の方であれば、より良いリーダーシップを発揮していただきたいです。また、現在フォロワーの立場の方であれば、将来に備えて様々な機会を捕らえて、予行演習をしながら理想に近づいていただきたいと思います。

 

【まとめ】

 

・リーダーシップに関する数多くの理論には、必ず課題関連行動軸と人間関連行動軸が含まれている。

 

・課題関連行動とは、課題やビジョンの設定、仕事の枠組み作り、業務指示など、仕事や課題に関する側面である。

 

・人間関連行動とは、従業員への配慮や思いやり、人間同士の信頼性の蓄積、人的ネットワークの構築など人間的な側面である。

 

・この2軸を兼ね備えたリーダーは、リーダーシップを高い水準で発揮できる。


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