「社内体制(組織図)」の作成
今回は「社内体制(組織図)」の作成について説明していきます。
この文章を読むことで、社内体制の必要性や作成の手順について学ぶことができます。
社内体制とは
事業計画書の中に社内体制を書くことがあります。
もちろん、一人でビジネスを行っている場合は社内体制を書く必要はありませんが、複数人でビジネスをしている場合であれば、社内体制は必要となります。
事業計画書は、社内向け(実行者向け)でもあり、社外向け(投資家、銀行、補助金をだす省庁など向け)でもあります。
社内の人にとっては、「自分たちは何をすれば良いか」などの役割分担が明確になり、スムーズに事業計画書を実行できるようになります。
一方、社外の人々にとっては、どんなに良いビジネスモデルでも「それを実行できる社内体制かどうか」「もし不都合なことが起きたときに対応できる組織かどうか」などを知りたいからです。
つまり、複数の人が介在してそれを実行できるかどうかを判断するためのものです。
社内体制の作成方法
では、具体的にはどのように「社内体制」を作成していくのでしょうか。
これを作成するには手順があります。以下の順序に従って作成していきましょう。
?この事業においてどのような役割分担が発生するか検討します。
?その役割分担をどの部署または誰が行うかを検討していきます。
※規模が大きければ部署単位となりますし、数人規模であれば、個人として誰が行うかを検討します。
?検討した結果、修正が必要であれば修正します。実行できるとなれば、その役割・分担で決定します。
?上記で決定した役割分担を社内体制として文章または図にまとめます。
※部署の場合は何人体制なのか。個人の場合であれば、個人名まで記入すると、読み手は「この社内体制で実行できるかどうか」の判断がしやすくなります。
以上の手順で社内体制を作成していきます。
注意点として、実際に実行するための事業計画書であるので、しっかり検討したうえで決定することが大切です。
後から「この体制では実行できなかった」では社内が混乱しますし、社外の人からの信用も失ってしまいます。
もちろん、これは計画ですので、実行したときに修正・変更することはあり得えます。
そのため、事業計画書に記載したあとに修正・変更できないということではありませんが、初めから混乱を引き起こすような社内体制にはしないほうがよいということです。
<事例>
Rさんは社内で新規事業を始めるための事業計画書を作成しています。
その中で、社内のどの部署の誰が、新規事業でどんな役割を担うのかを明確にして欲しいと依頼がありました。
なぜなら、各部署から集めたメンバーでプロジェクトチームを作って対応しているので、メンバーとしては自分の役割がどのようになるのかを明確にしておきたいからです。
また、新規事業は事業計画書を作成した段階で取締役会の決議を受けることになるので、取締役会で「この体制であれば大丈夫」、もしくは「この体制では不十分なので修正をすべき」という判断ができるように、社内体制を記載しなければならないからです。
Rさんはこのような要望に応えるべく、社内体制を作成しました。
こうして無事に取締役会で決議され、さらに実行する際にも役割分担が明確であったため、スムーズに業務に取り組むことができたのです。
<解説>
社内体制は事業計画書の「実行者」と「読み手」の両方が必要としています。
よって、役割分担が曖昧であったりいい加減であったりすれば不都合が生じます。
そのため、社内体制をしっかりと検討したうえで作成することになります。
まとめ
・複数でビジネスをしている場合であれば、事業計画書の中に社内体制は必要となる。
・社内体制は、実行者にとっては「自分の役割を明確にするため」、読み手にとっては「実行できる社内体制かどうか」「不都合が起きたいときに対応できる組織かどうか」などを確認するものである。
・「社内体制」の作成の手順
?どのような役割分担が発生するか検討。
?どの部署または誰が行うかを検討。
?修正が必要であれば修正。そして決定。
?社内体制として文章または図にまとめる。
・社内体制が曖昧だったり、いい加減であったりすれば不都合が生じるので、しっかりと検討して決定する必要がある。
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