マネージャーの仕事
マネージャーにはその業界や職種に関係なく共通の仕事があります。
自らが属する業界が建設業界であろうとIT業界であろうと、また営業職であろうと経理職であろうと関係なく、マネージャーには共通したマネージャーだけが行う仕事があります。
それは以下の基本的な5つの仕事です。
?目標を設定する
?組織する
?動機づけとコミュニケーションを図る
?評価測定する
?人材を開発する
これらはマネージャーに固有の仕事です。
もちろん人によっては得意不得意があると思います。
しかし、マネージャーであるならばこれら5つの仕事に取り組まなければなりません。
そしてこれらの仕事は将来企業の幹部を担う人間にとっては必ず行うことになる仕事ですし、またその能力を向上させていく必要があるものです。
そしてマネージャーの仕事に関して、正しい職務設計のマニュアルはありません。
しかし、職務設計における間違った考え方を知ることによってそれを避けることはできるでしょう。
以下の6点はマネージャーの職務設計に関して間違った考え方です。
?職務を狭く設計すること
?補佐役という職務
?十分な仕事がないこと
?多くの人手を必要とすること
?仕事の不足をポストで補う
?天才しかこなせない仕事
それぞれを詳しく見ていきましょう。
?職務を狭く設計すること
数年で全てを身につけられるほど狭く設計された職務では優れた人間でも成長できなくなります。
すぐに欲求不満に陥り、そのうち働かなくなります。
常に学びを必要として成長できるよう最大の責任と挑戦を伴い、最大の貢献を可能にするよう設計しなければなりません。
?補佐役という職務
マネージャーの仕事には独自の目的、目標、機能がなければなりません。
自らが直接貢献し、責任のある存在となる必要があります。
上司に許可をとらなければ行えないような仕事はマネージャーの仕事ではありません。
?十分な仕事がないこと
マネージャー自身に十分な仕事がなければ、他の者の仕事を奪ってしまいます。
特に優秀で主体性のある人材を抱えたマネージャーは管理にそれほど手間がかかりません。
そうすると手持ち無沙汰になり、マネージャー固有のものでない仕事をし始めます。
すると仕事を奪われた人間は自分は信頼されていないと考えてしまいます。
マネージャー自身も十分な仕事がなければいずれ堕落していきます。
マネージャーは単なる調整役ではなく自らも仕事をするプレイングマネージャーであるべきです。
?多くの人手を必要とするとこ
マネージャーの仕事は、一人もしくは直接の部下だけでこなせるものでなければなりません。
また頻繁に会議や出張のある職務は間違っています。
会議や出張と仕事は同時には行えないことを知らなければなりません。
?仕事の不足をポストで補う
仕事の不足をポストで補ってはなりません。
同じく報奨もポストで補ってはなりません。
よく特段やることがないのに、肩書きだけは相応のものが与えられている人がいます。
例えば、窓際族なのに次長というポストにある人などです。
しかし、肩書は地位と責任を意味します。
したがって、地位と責任のない者に肩書きだけを与えてはならないのです。
地位と責任の代わりに肩書を与えることは問題を引き起こす要因となり得ます。
?天才しかこなせない仕事
稀に実績があり優秀な人間が何人も挫折する仕事があります。
それは一見よく設計されているように見えるのですが、実際には誰もこなせない仕事なのです。
これはたまたま天才がその職務を作り出し、それをこなせてしまったがために、通常の職務として確立してしまったものです。
こういったものは凡人が無理なくこなせるよう設計し直す必要があります。
以上の6点に注意してマネージャーの職務は設計しなければなりません。
また、マネージャーの仕事は賢さや性格に関係なく、学ぼうと思えば誰にでも学べ、努力すれば誰もが行うことができるものです。
しかし、一つだけマネージャーに必要な資質があります。
これは後天的には身につけにくいものであり、しかしこれがなければマネージャーたりえないというものです。
そのマネージャーに必要な唯一の資質とは「真摯さ」です。
これは愛想よくすることではありませんし、皆と仲良くすることでもありません。
真摯さを持った者は何が正しいかを考え、誰が正しいかを考えません。
自らに一流の仕事を要求し、高い基準を定めます。
自らの使命と言動に一貫性があります。
真摯さこそがマネージャーにとって唯一の資質なのです。
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