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意思決定の方法を学ぶ その1

現代のビジネスパーソンはあらゆる場面で意思決定に迫られます。

 

これは例えば企業経営者や起業家にとっては毎日の経営判断であり、人事担当の会社員にとっては人事異動や新規採用であったりします。

 

この意思決定こそがビジネスパーソンにとって最も重要な仕事になります。
正しい意思決定を行うために経営・ビジネスを学ぶ必要があるのです。

 

そして意思決定の数はなるべく少ない方が良いです。
重要な意思決定に集中して、個々ではなく根本的なところを見なければなりません。

 

この意思決定が正しいものでなければ、あなた、もしくはあなたの組織は間違った方向に進んでしまいます。

 

そこで意思決定というものがどのように行われるべきかを述べていきます。
意思決定をする際には以下の9点に注意しなければなりません。

 

?課題の種類を知る
?課題解決の必要条件を明確にする
?何が正しいかを考える
?行動を決定のプロセスに組み込む
?フィードバックの仕組みを作る
?評価測定の為の基準を見出す
?満場一致に注意する
?決定は本当に必要か自問する
?勇気を持って決断する

 

順を追って一つひとつ詳しく見ていきましょう。

 

?課題の種類を知る
まず、意思決定が必要になるのは何か課題がある場合です。
これは問題かもしれませんし、機会かもしれません。

 

課題がないのに意思決定の判断に迫られることはないからです。
課題には4つの種類があります。

 

一つ目は、基本的な課題です。

 

これは原則と手順を通して解決しなければならない種類の、仕事の中で起こることの最も多い課題です。

 

例えば、店員の接客に対してのクレームが多いので、その都度クレームをもらった店員に対して指導をしているが、一向にクレームの数は減らないという状況があるとします。

 

その課題に対し、店員に対しての最初の接客教育を徹底させたところクレームの数が格段に減り問題が解決したとします。

 

これは、最初の接客教育を徹底させるという原則と手順を通して解決される基本的な課題の一つです。

 

二つ目は、当事者にとっては例外的だが、一般的には基本的な課題です。

 

例えば、企業合併に関する課題はその企業にとっては最初で最後の特殊な課題かもしれませんが、世の中的には常日頃行われている基本的、一般的課題です。

 

この課題に対処するには既に合併経験のある他企業から学べばいいのです。

 

三つ目は、真に例外的、特殊な課題です。

 

1960年代に多くの奇形児をもたらした睡眠・鎮静剤サリドマイドの薬害事件は、当時の説明によればとても例外的なものでした。

 

妊婦に服用させた場合に、生まれた子供に奇形が生じることは非常に特殊で例外的なことだと言われていたのです。

 

稀に起こる例外的、特殊な課題には個別に対処しなければなりません。
しかし、実際には真に例外的なものは極めて少ないのです。

 

四つ目は、まだ分からない何か新しい課題の最初の現れです。

 

実は三つ目のサリドマイドの薬害事件の問題は、基本的な解決策が見出されない限り、何度でも起こりうる種類の課題の最初の現れであったことが後々明らかになります。

 

つまり同じような事件が多発したことによって問題が浮き彫りになりましたが、それまでは個別的、例外的なものとして見られていました。

 

したがって、三つ目の課題に出会ったときに実は四つ目の課題ではないのかと疑い、慎重に見極めて対処していくことが肝心です。

 

ここまで見てきてお分かりのように、何か課題に直面したときに課題の種類を意識して、個別的に対処するべきなのか原則と手順を通して解決すべきなのかをよく見極める必要があります。

 

よくある間違いは一般的な課題を特殊な課題の連続だと勘違いしてしまうことです。
意思決定の成果を上げるには、この点を時間をかけて冷静に対処しなければいけません。

 

 

?課題解決の必要条件を明確にする
意思決定の前提として以下の3点を明確にしなければなりません。

 

「その決定の目的は何か」
「達成すべき最低限の目標は何か」
「満足させるべき必要条件は何か」

 

決定が成果を上げる為には、必要条件を満足させなければいけません。
この必要条件を明確にする為には以下の質問に答える必要があります。

 

この課題を解決する為に最低限必要なことは何か

 

例えば、日本が明治期にロシアと戦った日露戦争において、日本海軍の必要最低条件はロシア艦隊を一隻残らず壊滅させることでした。

 

なぜならロシア側は満州(現中国東北部)で対峙する日本の陸軍の補給を断つことでこの戦争に勝利するという戦略があったからです。

 

一隻でも極東海域にロシア戦艦が残れば補給を断たれる脅威を払拭することはできませんでした。
実際には日本海軍はロシア艦隊を極東海域において一隻残らず戦闘不能な状態にしました。

 

この日本海海戦の勝利の結果、日本はロシアに勝利することができました。

 

しかし、ここでもし日本海軍がロシア艦隊の八割しか叩くことができなかったら、この戦争に勝利することができなかったかもしれません。

 

必要条件を簡潔かつ明確にするほど、決定による成果は上がり、達成目的を達成できる可能性が高まります。

 

逆にいかに優れた決定に見えても、必要条件の理解に不備があれば、成果を上げられないことが確実なのです。

 

したがって、必要条件を明らかにしなければならないのと同時に、明らかに必要条件を満たさないような決定を行ってはなりません。

 

 

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