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パワーマネジメントとは

今回はパワーマネジメントについて説明をしていきます。

 

今回の文章を読むことによって、組織と人材マネジメントにおけるパワーとは何かを学習し、パワーマネジメントとしてどのような点に注意すべきかを学ぶことができます。

 

組織と人材マネジメントにおけるパワーとは

 

まず、組織と人材マネジメントにおけるパワーとは何かについて考えていきましょう。

 

企業組織においてリーダーは、業務の目標達成のためにリーダーシップを発揮して組織を牽引していますが、その際にリーダーシップだけでなくパワーが必要となります。

 

ここで言うパワーの例としては、相対的な地位に由来する権力、知識や報酬を与えることができる能力、メンバーに対して恐怖心を与えることができる能力、みんなに好かれていることなどが上げられます。

 

これらを整理すると、組織と人材マネジメントにおけるパワーとは次の4つに集約することができます。

 

?賞罰:メンバーの年収や出世について影響を及ぼす力を持つ人が、メンバーに対して権力を行使できるもの

 

?正当化:個人的な損得勘定ではない納得性からくる権力。「代表取締役の命令なので従って当然」と思わせる力

 

?同一化:心理的に一心同体となることで発生する権力。「この人のためなら休日出勤もいとわない」と思わせる力

 

?情報:専門的な知識や優れた情報を持っていることを基盤とした権力

 

パワーマネージメントとは1

 

これらのパワーについては、リーダー1人だけに集中しているわけではなく、組織内で分散して存在しています。

 

例えば、特定の業務に関してリーダーよりも高度な専門知識を持ったメンバーは、その人にパワーがあることを周囲の人は認識します。

 

この様にパワーは組織内で分散して存在しているのですが、各人が自分の目標達成のためだけにパワーを用いるようになってしまうと、それは組織内での政治活動となり、そのメンバーが所属する組織やグループにとって好ましくない状態に陥ってしまいます。

 

その一方で、組織内でパワーが適切に分散していると全員参加型の組織運営も可能となります。

 

このようなプロセスは、パワーを握っている人が自分以外のメンバーに対してパワーを分け与える「エンパワーメント」を行うことによって達成されます。

 

しかし全員参加型のグループを運営する能力のないメンバーに対してエンパワーメントを行ってしまうと、そのまま組織にとってのリスクとなってしまいます。

 

パワーマネージメントについて

 

次にパワーマネジメントについて考えていきましょう。

 

パワーマネジメントとは、目標達成に向けて周りのメンバーや、メンバーの持つパワーの使い方や環境等を含めたパワーのバランスに対する管理を行うことをいいます。

 

では、具体的に目標達成に向けたパワーマネジメントとはどのようなもでしょうか。

 

パワーマネージメントとは2

 

パワーマネジメントの流れは上記の図のような流れとなります。

 

まず、どのような目標を達成したいのかを明確にしておきます。

 

次に、目標実現については、多くのものは自分一人で達成していくことが難しいため、組織のメンバーの中から、目標達成に向けたアクションに際してキーパーソンとなるメンバーを把握します。

 

組織に所属するメンバーは、同じ組織に所属しているとしてもそれぞれに固有の価値観や考え方を持ち、また、それぞれの目標自体も異なっているのですが、自らの目標達成のためには、そのようなメンバーにも自分の考えに従って行動してもらう必要があります。

 

その上で、自分とキーパーソンとの依存関係やそれぞれの持つパワーの内容やその状況を把握するようにします。

 

そして、自分の目標達成のために必要なパワーはどのようなものであり、どこに由来するものであるか、また、自分の持つパワーをより大きいものにするためには何をすべきなのかについて考え、実際に行動につなげていきます。

 

具体的な例で考えてみましょう。

 

新任の営業部員Aさんが期初に目標として新規顧客の開拓を設定したとして、どのようにパワーマネジメントを行って目標実現に取り組んでいくのでしょうか。

 

同じ営業部署の先輩社員のうち、Bさんが新規顧客の開拓に優れた社員だったので、Aさんにとっては目標(=新規顧客の開拓)の達成に向けたキーパーソンとなります。

 

Bさんは新規顧客開拓のために社外の異業種交流会等に積極的に参加し、そこで広げた人脈を新規顧客開拓に役立てていました。それがBさんのパワーであると言うことができます。

 

Aさんは異業種交流会等の社外のイベントへ参加した経験がなかったので、Bさんの持つパワーがAさんの目標達成にとって役に立つ可能性の高いパワーとなることから、AさんはBさんに依頼して異業種交流会へ一緒に参加させてもらい、そこで広げた人脈を活用することにしました。

 

このようにしてBさんの持つノウハウ(パワー)を共有してもらうこと(=エンパワーメント)を通じて、Aさんが元来持っているパワーを強化することにつなげ、新規顧客の開拓という目標達成に取り組んだのです。

 

このようにキーパーソンのパワーと自分のパワーを比較し、目標達成のためにどのようなパワーが必要で、そのパワーを強化するためには何が必要であるかを考え、そしてパワーを行使するための戦略や戦術を開発し、タイミングやコンビネーション等を熟考して効果的に活用していくのです。

 

 

以上、組織と人材マネジメントにおけるパワーやパワーマネジメントについて説明してきました。

 

組織のメンバーの持つパワーを効果的に活用できれば、組織自体の目標も個人の目標も達成に向けて進めていくことができますが、組織内での政治活動に利用されてしまうと逆に悪影響を及ぼすことになります。

 

組織のリーダーを任された人は、自らの目標達成のためにパワーを発揮していくことに加えて、メンバー間のパワーマネジメントにも注意を払っていくことが重要なのです。


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