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企業市民とは

企業市民とは

今回は企業市民について説明していきます。

 

今回の文章を読むことによって、企業市民とはどのようなものであるか、また、それを実現していくためにどのような取り組みが行われているかを学ぶことができます。

 

企業市民の取り組み

 

企業市民とはどのような意味があるでしょうか。

 

企業市民とは、企業は利益を追求する以前に良き市民であるべきであるという考え方です。

 

これは、社会における企業というものは、権利を行使できると同時に義務も負うべきであるということであり、地域においての市民であるという自覚を持つべきであるということです。

 

このような考え方に基づき、企業というものは利益を追求するために業務を遂行するいうことに加えて、地域におけるボランティア活動や環境保護活動、寄付などといった事柄も行うべきであるという機運が高まってきています。

 

それでは、実際に企業においてどのような取り組みが行われているかを見ていきましょう。

 

具体例として以下の3つの企業の取組事例を取り上げます。

 

@パナソニック

 

A武田薬品工業

 

B日本マイクロソフト

 

それでは、順に見ていきましょう。

 

事例@パナソニック

 

企業市民とは1

 

パナソニックでは、企業市民としての社会貢献活動として、持続可能な社会の実現に向けて「育成と共生」を活動理念に、「環境・エネルギー」と「次世代育成支援」を重点分野として、グローバルに社会貢献活動を展開し、社会課題の解決に取り組んでいます。

 

同社では、企業市民活動を「社会への投資」と捉えており、市民社会の基盤を強化するために様々なステークホルダーとの協働を行っています。

 

具体的な活動としては、世界の新興国や発展途上国の国民が直面する貧困やエネルギー問題、環境問題、医療・健康問題の解決のために本業である電器製品の提供等を通じて地域の発展に貢献しています。

 

また、その他にも地球規模での環境問題への取組みとして、パナソニックのモノづくりに対する考え方や地球温暖化や生物多様性などの基本的な環境課題を題材として、環境教育用の教材を作成し、世界規模で環境教育を展開しています。

 

事例A武田薬品工業

 

企業市民とは2

 

グローバルな製薬企業として企業活動を展開している武田薬品工業では、本業である薬の開発自体が社会貢献度の高いものであり、その本業の展開を通じた社会貢献を行うために、グループ全体としての企業市民活動に対する指針となる基本原則を定めて、Web上で公開しています。

 

基本原則には、製薬企業としての知見を活かすことができる保健医療分野を中心とすることや、NPO・NGO等様々なステークホルダーとの連携・協業を行うこと、従業員が自発的に参加することなどが定められています。

 

具体的な社会貢献活動として、途上国で患者の増加している糖尿病やガン等の「非感染症疾患(NCDs)」に関する、医療従事者向けのe-Learningプログラムの開発や、保健医療アクセスを高めるための基金を官民共同での設立・運営などに取り組んでいます。

 

事例B日本マイクロソフト

 

企業市民とは3

 

日本マイクロソフトは、2011年に社名を「日本マイクロソフト」に変更するとともに本社を東京都品川に移転し、あわせて企業市民活動を積極的に推進しています。

 

具体的な活動例としては、小学生から大学生を対象とした「職場見学プログラム」や中学生を対象とした「職場体験プログラム」を実施して子どもへのキャリア教育支援を行ったり、教育分野の人材育成や NPO 基盤強化、高齢者や障碍のある方々の支援など、ICT の利活用によって地域課題の解決を担う人材力育成を推進する「地域活性化協働プログラム」を通じて地域自治体の支援を行っています。

 

企業の社員が市民活動に参加するために

 

企業の社員がこのような市民活動に参加していくためには、家族の支援が必要となります。

 

社員自身の日常生活が充実していなければ、ボランティア活動に取り組もうとは考えにくくなります。

 

社員の家族が病気にかかっていたり家族に介護を必要とする高齢者がいるような場合には、市民活動以前の問題として、社員自身の仕事にも影響が出る可能性があります。

 

そこで多くの企業では、フレックスタイム制や在宅勤務などの多様な働き方ができるような制度を設けたりしています。

 

しかし、現実には日本の多くのビジネス・パーソンが朝早くから夜遅くまで働き、一日のほとんどを職場で過ごしています。

 

そのような状況では、家族との会話も乏しくなって子どもの教育や少子化に影響を及ぼしてきます。

 

このような状況を改善するために、社員が働きやすい制度を導入する企業が増えてきています。

 

このような制度を設けることが経済的合理性に適っているとは限りませんが、一人の市民として、一人の生活者として自立していることが結果的に仕事のパフォーマンス向上につながり、組織への貢献につながっていくのです。

 

働きやすい職場作りのためのマネジメント

 

それでは、働きやすい職場を作り出していくためにマネジメントにはどのような対応が求められるでしょうか。

 

そのポイントとしては、以前の文章でも述べたように、人は組織を構成するメンバーである以前に一つの人格であるということを認識することが挙げられます。

 

人が企業組織で働くことはその人の生活の一部でしかありません。

 

その人は企業組織の構成メンバーである以前に、家族の一員であり、地域社会を構成する一員でもあります。

 

これらの社会や組織において一定の役割を果たすことが求められ、また、その人自身もそれらの組織や社会に対して貢献したいと考えているのです。

 

このような人の持つ多面性を理解しないままマネジメントを行うことは、個人の人間性を否定することにもつながります。

 

人は多面的な社会関係を持つことによって心理的にも肉体的にも安定した状態を維持することができます。

 

家族のために仕事に励もうとしたり、休日に地域の子供たちにスポーツのコーチをすることに充実感を感じ、それにより仕事に対するモチベーションをあげたりしているのです。
極端に言ってしまえば、人間にとって企業組織のメンバーとしての役割を担うことは、その人の生活に一部にすぎないのです。

 

そのためマネジメントとしては、組織における役割とそれ以外の社会における役割とにメリハリを持って取り組めるように支援することが求められます。

 

具体的には、部下の社会的生活を充実させるための制度を確立したり、日常的な言動においても部下の社会的生活に対する配慮が必要となります。

 

企業組織がその健全性を維持していくためには、組織を構成するメンバーひとりひとりが人間として健やかに生活していることが重要です。

 

企業市民とは4

 

逆に言えば、企業組織を構成する人間が健全な感覚を持って生活し働いていることが、組織を健全な方向へ導くともいうことができるでしょう。

 

ここで言う「健全な感覚」とは、社会とつながりを持っているということであり、マネージャーにとってもメンバーにとっても社会を構成する一員であるという意識を常に持ち続けるということはとても重要なのです。

 

 

以上のように企業市民について見てきました。

 

様々な企業が企業市民としての在り方を考え、定義し、社会貢献活動に取り組んでいます。

 

企業のCSR活動としてどんなに素晴らしい活動を行っていても、それを実際に行動に移しているのは組織を構成するメンバーです。

 

そのメンバーが本業である業務はもちろんのこと、企業市民としての活動にも積極的に取り組むことができるような環境を整備し、社員へ提供していくことによって、組織への貢献、企業自身の成長にもつながっていくのです。


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