紹介文を用意する
今回は、プレゼンテーションを始める際の紹介文について説明していきます。
この文章を読むことで、「プレゼンに興味を持ってもらうためにはどのような紹介文が良いか」について学ぶことができます。
プレゼンテーションを始める際の紹介文
講演会などの場面では、プレゼンターが話す前に司会者が話を進めることがあります。
この場合、司会者がプレゼンターの紹介をするのですが、ここで問題が起きます。それは、つまらない紹介だと聴き手の気持ちが乗ってこないので、プレゼンのスタートが上手く切れないということです。
せっかくプレゼンの準備や練習をして、聴き手の気持ちを掴むようなスタートを用意してあっても、その前に司会者の紹介で躓いてしまうのは避けたいものです。
そこで、司会者との打ち合わせは十分にしておくべきです。そして、必要であれば「紹介文を自分自身で用意しておく」ほうが良いでしょう。
では、どのような紹介文がダメで、どのような紹介文が良いのでしょうか?
聴き手は目的を持って聴きに来ているので、目的に関するもの以外の情報があっても興味を持ちません。
つまり、紹介文で長々と経歴を伝えても、今回のプレゼンに関係のないことであれば間延びしてしまい、興味をそがれてしまうことになるのです。
よって、以下の3点に気を付けておきましょう。
1.今回のプレゼンの内容に関する経歴に絞る
2.信用性を高めるような話をする
3.聴き手の立場で紹介する
それぞれ詳細を見ていきましょう。
1.今回のプレゼンの内容に関する経歴に絞る
あまり関係のない経歴を長々と語っても間延びするだけです。今回のプレゼンのテーマに関する経歴に絞って紹介文を作りましょう。
テーマの中でも、「これは伝えたい」というコアメッセージに関する紹介文にすべきです。
だからこそ、司会者との打ち合わせや紹介文を自分自身で作成しておくほうが良いのです。
2.信用性を高めるような話をする
プレゼンターに信用がないと聴き手は聴く耳を持ちません。よって、信用性を高めるような内容にします。
このときに、持ち上げすぎると逆に信用されなくなってしまうので注意が必要です。
実績や経験を誠実に伝えるようにしましょう。
3.聴き手の立場で紹介する
紹介文の内容も聴き手の立場で作成していきます。
例えば、「業務改善に困っている」聴き手であれば、「業務改善に困っている人」の立場で紹介文が形成されていれば、その時点で共感や興味が湧き、スムーズにプレゼンに入っていくことが出来ます。
以上のように、紹介は「ホームページや会社案内に書いてあるような自己紹介文をそのまま読めばよい」というスタンスでは、聴き手の興味は削がれてしまいます。
それでは、プレゼン全体として良いプレゼンにはなりません。
よって、紹介部分から打ち合わせを行ったり、自身で紹介文を作成したりすることによって、プレゼン全体にスムーズな流れを作ることができるのです。
<事例>
Kさんは「小学生のための教育論」という演題で、小学生を持つ親に対して講演する機会がよくあります。ただ、Kさんは脳科学の研究者なので、教育関係だけでなく、脳科学者としての経歴も豊富です。
講演会の時には、よくKさんが登壇する前に司会者がKさんを紹介してくれます。
しかし、Kさんの細かな経歴が書かれた紹介文をそのまま読むので、脳科学の高度な研究成果などを聞かされているうちに、聴き手の親たちが「あまりに経歴がすごすぎて、難しい話だろうな」と感じてしまっているようです。
よって、その状態から講演会を開くので、興味を持って聴いてくれるようになるまで時間がかかってしまいます。
そこで、あるときからKさんは、自分で作成した紹介文を司会者に渡して読んでもらうようにしました。
その紹介文は経歴の羅列ではなく、「子供のころの夢がきっかけで脳科学者になったこと」や「脳科学を研究している中で自分の子供との接し方が変わったこと」、そこから「脳科学と教育を結び付けた研究をしていること」など、自分の想いや体験を紹介文にしていったのです。
そうすることによって、聴き手の親たちに共感してもらうことができ、同時に信頼のおける先生だという認識を持ってもらえたことで、興味を持ってもらった状態で講演の内容にスムーズに入っていけるようになったのです。
<解説>
聴き手もプレゼンターもスムーズにプレゼンの内容に入っていくために、紹介文を自分で用意しておくことはとても有効です。
プレゼンのスタートが重要なように、その前の紹介もとても重要なのです。
よって、紹介の時点でKさんのように信用性を高めつつ、共感や興味を持ってもらうためには、予め司会者と打合せを行うか、紹介文を用意しておく方が良いでしょう。
まとめ
・プレゼンのスタートは聴き手の興味を引くためにも重要。よって、司会者からの紹介も興味を引ける内容にしておく。
・プレゼンターの紹介をより良くするために、司会者と事前の打ち合わせをしたり、紹介文を自分自身で用意しておく。
・紹介文を作成するときの3つの注意点
1.今回のプレゼンの内容に関する経歴に絞る
2.信頼性を高めるような話をする
3.聴き手の立場で紹介する
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