短いキャッチフレーズを作る
今回はキャッチフレーズについて説明していきます。
この文章を読むことで、「キャッチフレーズを使うメリットや作り方」について学ぶことができます。
キャッチフレーズの概要
プレゼンターは、聴き手に「あれもこれも伝えたい」と思ってしまいがちです。
しかし、たくさんの事を伝えようとすると、結局何が言いたいのかが不明確になり、逆に伝わりにくくなってしまいます。
よって、一つのコンセプト、一つの提案に絞ってプレゼンを行うことになります。
また、一つのコンセプトや一つの提案に絞っても、長いプレゼンの中で、聴き手は「結局、要点は何なの?」と思ってしまいます。
そのときに、自分が伝えたいコンセプトや提案をワンフレーズで伝えることが出来れば、聴き手の心に響かせることができます。
そこで、自分の言いたいことについてのキャッチフレーズを作ることが効果的なのです。
しかし、キャッチフレーズが長くなってしまっては、結局ダラダラと説明していることと同じになってしまいますので、出来るだけ短くしたほうが良いです。
出来れば、10単語以内に抑えるべきです。これは文字数ではなく単語数です。
例えば、オバマ大統領の有名なキャッチフレーズに「イエス、ウィ、キャン(Yes We Can)」というものがありましたが、これは3単語です。
牛丼の吉野家は「うまい、やすい、はやい」の3単語で企業の文化を伝えています。
アップルのスティーブ・ジョブズも、短いキャッチフレーズを使うことが上手でした。ノートパソコンのキャッチフレーズは、「マックブック・エアー 世界最薄のノートパソコン」であり、iPodのキャッチフレーズは「iPod 1000曲をポケットに」でした。
当然ながら短ければ良いというものではありません。
短くしたら「聴き手に何も伝わらなくなった」というようなことでは、キャッチフレーズと呼べません。
良いキャッチフレーズは、短い中にも「聴き手へのインパクト」「伝えたい内容」「聴き手のメリット」をしっかり伝えているものです。
また、単に単語を並べればよいというわけではありません。上記の例のように、心地よいリズムや覚えやすい並び順を考える必要があるのです。
このように、短くインパクトがあり、心地よいリズムで、メリットまで盛り込まれていれば、聴き手はプレゼンの内容をより深く理解し、共感してくれるはずです。
さらに、ここで作ったキャッチフレーズは、プレゼンの中でも繰り返し使い浸透させるのと同時に、自社のホームページや広告などでも繰り返し使うことによって、さらに浸透させることが出来るようになります。
そのためにも、良いキャッチフレーズを作ることはとても重要なのです。
よって、良いキャッチフレーズを作るには、
・出来るだけ短く(10単語程度以内)
・聴き手へのインパクトやメリットを入れる
・聴き手が覚えやすく心地よいリズムで単語を配置する
・プレゼンやその他の場面でも繰り返し使う
これらのポイントを押さえておきましょう。
<事例>
Pさんは老舗洋菓子店の経営者です。今回、近くのスーパーに自社の洋菓子を取り扱ってもらうように営業をしています。しかし、競合他社も多く、なかなか自社の洋菓子の良さを伝えきれていませんでした。
そこで、プレゼンの際に効果的なキャッチフレーズを考えることにしたのです。
キャッチフレーズ作成において、様々な視点から自社商品の良さを検討していきました。その中で、創業以来100年以上も続いており、「洋菓子店としてはその地域で一番の老舗」ということが売りだと考えました。
そこで、「○○地域で愛されて100年」というキャッチフレーズにしたのです。
これをスーパーのバイヤーへのプレゼンの中で繰り返し使いました。
すると、キャッチフレーズだけが決定要因ではないのですが、100年も続いているということはそれだけ「美味しいと地域の人に認識されている」と考えられ、取り扱ってもらえることになったのです。
なかなか説明だけをしても伝わらなかった「良さ」が、キャッチフレーズにすることによって伝わることが出来たのです。
まとめ
・自分が伝えたいコンセプトや提案をワンフレーズで伝えることが出来れば、聴き手の心に響くことになる。
・良いキャッチフレーズは、短い中で「聴き手へのインパクト」「伝えたい内容」「聴き手のメリット」を伝える必要がある。
・良いキャッチフレーズを作るポイント
◎出来るだけ短く(10単語程度以内)。
◎聴き手へのインパクトやメリット入れる。
◎聴き手が覚えやすく心地よいリズムで単語を配置する。
◎プレゼンやその他の場面でも繰り返し使う。
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