練習の重要性を認識する
今回は、プレゼンテーションの練習の重要性について説明していきます。
この文章を読むことで、プレゼンにおいて「なぜ練習が重要なのか」「練習方法はどのようなものがあるか」について学ぶことができます。
プレゼンテーションの練習の重要性
プレゼンの練習の重要性は何度も伝えてきましたが、改めて説明します。
インターネットで有名スピーカーのプレゼンを見たり、仕事関係で上級者のプレゼンの現場にいたりすると、「その場のうまさ」だけに目を奪われてしまいがちです。そのため、その上級者の方々が「どれだけ練習してその場に臨んでいるのか」を見落としてしまうのです。
特に、上級者であればあるほど、プレゼンターは「練習している」という姿を見せません。プレゼンの場でも、「何の緊張も苦労もなく話している」と思わせるようにしています。
一方、初級者の方がプレゼンの練習をあまりせず、「自分は緊張してしまう性格」とか「初級者なのでミスをしても許してください」などと言い訳をしてしまうことも多いのです。
しかし、プレゼンが感動的とまで言われるジョブズですら、プレゼンの度に何十時間も準備と練習に費やしていたと言われています。プレゼンをスマートに行えているからこそ、アップルの製品に興味を持ってもらうことができていたのです。
これがたどたどしいプレゼンになってしまうと、それに気を取られてアップルのことも製品のことも集中して聴けなくなってしまいます。
これでは、プレゼンの目的(=聴き手に興味を持って聴いてもらい、最終的には行動してもらうこと)が達成できません。
プレゼンの準備・練習をするということは、プレゼンをする人のためでもあり、聴き手のためでもあるのです。
プレゼンの練習方法
では、どんな練習をしていけば良いのでしょうか?
1.模擬のプレゼンを行う
2.会場・舞台などの確認を行う
3.緊張への対応をしておく
それぞれ見ていきましょう。
1.模擬のプレゼンを行う
やはり、練習をするうえでは客観的な目で見て修正をしていくことが必要です。
ビデオカメラなどで撮影して自分で見直すこと、模擬のプレゼンをして第三者に改善点を指摘してもらうことをします。
そのときに、内容やスライド、話し方、姿勢、言葉使いなど、様々な角度からの指摘をしてもらえる体制を作ることが大切です。
〇内容:内容に間違いがないか、法律などに抵触しないか、内容がしっかり伝わるか
〇スライド:スライドが見やすいか、誤字がないか
〇話し方:「えっーと」「まあ」などの余分な言葉を入れていないか
〇姿勢:姿勢が良いか、アイコンタクトがとれているか
〇言葉使い:聴き手に合わせた言葉になっているか
2.会場・舞台などの確認を行う
許されるのであれば、実際の会場でリハーサルを行うほうが良いです。
プロジェクターやスクリーンなどの備品の確認も出来るし、会場の大きさによってジェスチャーや声の大きさの調整も必要となるからです。
3.緊張への対応をしておく
これは、上記の練習をしっかりしておくことによって、「緊張しても緊張しているとは見られないようにしておく」ということで避けられます。
緊張するのは、「失敗したらどうしよう」というような気持が大きいからです。失敗しないくらいまで練習をしておくのです。
本番で緊張することはある程度仕方がないので、緊張することも織り込んで準備・練習をしておくのです。
それでも、緊張感はあるはずです。そのときに、「2」の会場でリハーサルをしておいたり、会場に早めに着いて周りを見ておいたりするだけでも緊張感は和らぎます。
<事例>
Gさんは大学時代の同級生のプレゼンを展示会で聴く機会がありました。大学時代、その同級生の友人は極度に緊張する性格で、授業中でも人前で話すのを嫌がるほどでした。
しかし、今回のプレゼンは大勢の人がいたにも関わらず、堂々とプレゼンをしていました。大学を卒業して10年間でどのような変化があったのかを知りたくなり、その友人に訊ねました。
すると、その友人からは「人前で緊張しなくなったわけでも話すのが上手くなったわけでもない。徹底的に練習をしているので上手く見えるだけ」という回答でした。
Gさんは「謙遜しているだけだろう」と思いましたが、「どのくらいの練習をしているのか?」と聴くと、「1時間のプレゼンのために30時間ほど練習や準備をしている」ということでした。
Gさんも普段の仕事でプレゼンをするのですが、それほど時間をかけていません。
友人はそれほどの準備と練習をしているのだから、自信をもって話せるのだとGさんは気付いたのです。
それから、Gさんは自分がプレゼンをするときにもしっかり練習をするようになったのです。
<解説>
Gさんの友人のように、人前で話すのが苦手という方も、練習でプレゼンは上達することが出来ます。
逆に、人前で話すことが得意な人でも、練習をしないとそれほどの上達は望めないということなのです。
どちらの立場の人でも、良いプレゼンを行うためには練習が重要なのです。
まとめ
・上級者は何の緊張も苦労もなく話しているように見えるが、実際は誰よりも練習と準備に時間かけている。
・プレゼンの準備・練習はプレゼンターのためでもあり、聴き手のためでもある。
・プレゼンの練習のポイント
1.模擬のプレゼンを行う
2.会場・舞台などの確認を行う
3.緊張への対応をしておく
関連ページ
- プレゼンテーションとは
- ストーリーを作る
- プレゼンに対する3つの誤解
- プレゼンの際の注意点
- 目的に合った服装をする
- 身体を使ったコミュニケーション
- プレゼンの終わり方
- 大衆の敵を登場させる
- 失敗への対処法
- 他者の助けを借りる
- ヒーローを登場させる
- ユーモアを盛り込む
- インパクトのある表現を使う
- 紹介文を用意する
- 聴き手を導く①(何を伝えるか)
- 聴き手を理解する
- コアメッセージを伝える
- 数字を装飾する
- 効果的なオープニング
- 練習の重要性を認識する
- プレゼン準備の3ステップ
- スライド以外の演出方法
- 小道具を活用したデモンストレーション
- プレゼンの目的をおさえる
- 究極の目的意識を持つ
- リハーサルでのチェックポイント
- ロードマップと重要な数字「3」
- 台本は使わない
- 上級者のプレゼン
- シンプル・イズ・ベスト
- 状況に合わせた演出テクニック
- 上級者のスライド作り
- 「現状-問題提起-解決策」の構造
- 効果的な話し方
- 聴き手に驚きを与える
- 短いキャッチフレーズを作る
- 聴き手を導く②(どのように伝えるか)
- 構想は手書きで
- スライド作成ノウハウ