数字を装飾する
今回は、数字を使ったプレゼンテーションについて説明していきます。
この文章を読むことで、「プレゼンで数字を使うことのメリット」について学ぶことができます。
プレゼンで数字を活用する
プレゼンをはじめ、「人に何かを伝えるとき」に数字を使うことは非常に重要です。
例えば、クルマを販売するときに「燃費が良くなった」と言っても、どのくらいなのかが分かりません。そこで具体的な数字を入れます。「前モデルに比べて30%燃費が良くなった」と言うと、聴き手がイメージをしやすくなります。
しかし、単に数字を入れればよいかと言うとそうではありません。上記の例でも、クルマ好きの人なら「30%燃費が良くなった」というのをすごいと思うかもしれませんが、一般の人にとってはまだ少し分かりにくいからです。
そこで、「前モデルに比べて30%燃費が良くなった。だから、年間のガソリン代が○○円も節約できる」と説明する必要があります。
例えば、スティーブ・ジョブズがiPodを発表する時のプレゼンで、「5ギガバイトの記憶容量がある音楽プレイヤーです」とは言いませんでした。
5ギガバイトの記録容量があるということ自体はすごいことですが、一般の人にとっては「何がすごいか」がすぐには理解しづらいからです。
そこで、ジョブズは「1000曲をポケットに」という言葉で表しました。「5ギガバイトの小型プレイヤーが、一般の音楽プレイヤーを使う人にとってどんな意味があるか」を数字を装飾することによって伝えたのです。
つまり、プレゼンで数字を使う意味は以下のようになります。
?具体性が増す
?イメージがしやすい
?例え話につなげやすい
『?具体性が増す』というのは、上記のように、数字があるとないとでは全く具体性が違うということです。
そして、具体的であればどんな数字でもよいわけではなく、対象となる聴き手が「?イメージしやすい」数字を選ぶ(装飾する)ことが必要です。
さらに、「?例え話につなげやすい」というのは、数字の方が「聴き手がイメージを膨らませやすい」ということです。例えば、「○○ヘクタールです。これは、東京ドーム△△個分の広さです」と言うと、具体的でありながら例え話につなげられ、よりイメージがつきやすいのです。
このように、数字を上手く活用することによって分かりやすいプレゼンになるのです。
<事例>
Wさんは工作機械メーカの営業マンです。現在、ある企業に工作機械のプレゼンをしています。なぜなら、これまでの製品に比べて性能が良い新製品を発売するからです。
しかし、機械の性能が向上したと言っても、様々な点を改善しているので、数字で「○○が何%向上した」と言いきれず、なかなか良いプレゼンが出来ずにいました。
そんな時、実際に使い始めた顧客から「この機械を入れたら残業が10%も減った」という話を聴くことが出来たのです。
つまり、プレゼンで数字を使う際、性能を示す数字ばかりに気を取られ、「どのようなメリットがあるか」を伝える数字を活用することを忘れていたのです。
これにより、Wさんは「導入した企業の残業が10%減るほど性能が向上した」というプレゼンができるようになり、導入する企業が増えていったのです。
<解説>
Wさんはプレゼンで「数字」を使った方が伝わりやすいことを知っていました。しかし、上記の例のように、「数字」で表しにくい商品も多く存在します。
そんなときに、「それを使った場合にどんなメリットがあるか」を考え、そのメリットを数字にしたり、例え話を使って他のもので例えた数字を使ったりすることで、イメージしやすく伝わりやすいプレゼンになるのです。
まとめ
・「人に何かを伝えるとき」に数字を使うことは非常に重要。
・プレゼンで数字を使うメリット
?具体性が増す
?イメージがしやすい
?例え話につなげやすい
・プレゼンで使う数字は対象となる聴き手がイメージしやすい数字を選ぶ(装飾する)ことが必要。
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