オリエンテーションの重要性
今回はオリエンテーションについて説明していきます。
この文章を読むことで、「オリエンテーションの概要」と「オリエンテーションで何を聞くべきか」について学ぶことができます。
オリエンテーションで何を聞くか
企画書を出す時にオリエンテーションは重要です。オリエンテーションは「企画書を書くための事前説明会」と考えれば分かりやすいと思います。
社内で企画書を書く場合や、取引先に提出する企画書でも自ら提出する場合は、オリエンテーションはないかもしれません。
しかし、コンペ形式などで複数の企業が参加して企画書の提出及びプレゼテーションをする場合、先にオリエンテーション(事前の説明会)があることがあります。
つまり、事前説明ですので、この情報がないと企画書を作成できないかもしれませんし、作成できたとしても見当違いの企画書になってしまうかもしれません。
よって、オリエンテーションに参加することは重要なのです。
では、参加することの重要度は理解したとして、特に「何を聞くべきか」をお話ししていきます。
「オリエンテーションで何を聞くべきなのか?」という質問にお答えする前に、「企画書に何を書くか?」を思い出してみましょう。
企画書には「現状と目的。そして、そのギャップを埋める提案内容や改善案」を書きます。
ということは、オリエンテーションでも「現状」と「目的」を聴かないと企画書は書けないということになります。
よって、「現状」と「目的」はしっかりとオリエンテーションで聴く必要があります。
特に、「目的」は具体的な内容や数字まで把握する必要があります。
目的が「売上なのか?」、その場合「いくらぐらいなのか?」、もしくは「売上アップが目的ではなくイメージアップなのか?」、「販路拡大なのか?」などによって企画書に書く内容が全く変わるからです。
もし説明の中で不明な点があれば、しっかり質問をして明確にしておく必要があるのです。
また、企画書の役割として「納得し、承認して、行動してもらう」ことがあります。
ということは、そもそも今回の企画書が「誰が承認するのか」(=決定権者は誰か)を知っておく必要はあります。
承認するのが先方の担当者なのか、部長なのか、経営者なのか、それによって企画書に書くメッセージも変わってくるからです。
その他、「条件」なども聴いておく必要があります。
例えば「予算はいくらくらいか?」や、「スケジュールとしては期限が決まっているか?」などです。
つまり、「単に聞きにいく」という受け身の姿勢ではなく、「企画書が出来上がった状態」を想定し、さらに「その企画書が相手に承認された状態」まで想定しながらオリエンテーションを聴くことによって、聞く内容やその後の企画書の質も上がるのです。
【事例】
A社は自動車販売会社で、地域の住民向けのイベントを毎年開催しています。今回は、そのイベント企画をイベント会社にコンペ形式で募集することになりました。
そして、そのオリエンテーション(事前説明会)が開かれました。イベント会社のBさんは、オリエンテーションに参加することになりました。
BさんはA社のコンペには初参加ですので、オリエンテーションに参加する前にある程度の企画書案を考えていました。
その案は「自動車販売会社だから、地域住民向けイベント=地域の自動車を買いそうな住民向けのイベント」を考えていました。
しかし、実際にオリエンテーションを聴いて分かったのは、「会社が地域に根差していくことを目的にしているので、イベントで自動車を売る目的ではない。だからイベントの対象者も自動車を買う、買わないに関わらず、地域住民全員が対象のイベントだ」ということなのです。
もし、自分の固定概念だけで企画書を作成していたら、目的が外れた企画書になってしまっていました。
こうして、Bさんはオリエンテーションの重要性を感じたのでした。
まとめ
・企画書を書く上でオリエンテーションは重要な役割を占めている
・オリエンテーションで目的をしっかりと把握する必要がある
・オリエンテーションで決定権者が誰なのかを把握しておくと、企画書に書く内容がより伝わりやすいものになる
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