「目的」の書き方
今回は、企画書における目的の書き方について説明していきます。
この文章を読むことで、「目的に何を書くか」「目的の種類とは」について学ぶことができます。
企画書における目的とは
企画書は、「現状」と「目的」を明確にして、その両者のギャップを埋める様な「改善案」を提出するものです。
つまり、「目的」が明確ではないと、企画書を書くことは出来ません。
では、企画書における「目的」とは何なのでしょうか?
企画の対象者が「目指すもの」「望むもの」「企画を実施して得られる結果」などが企画書の「目的」です。
よって、相手から求められて企画書を作成する場合であれば、相手から企画書の「目的」を聞きだす必要性があります。
依頼される時に先方から明示されることもありますが、曖昧であればこちらからヒヤリングをして明確にしておく必要があります。
例えば、「自家用車を年間100万台販売する」、「新製品の認知度アップ」などの様に、目的を明確にします。
目的の種類
なお、「目的」にも種類があります。
1.「文章でしか表現できない目的」
2.「数値(数値目標)でのみ表現する目的」
3.「両者を合わせて表現する目的」
それぞれの例は次の通りです。
1.「文章でのみの表現の目的」の例:「従業員のモチベーションのアップ」など
2.「数値目標=目的の場合」の例:「昨年対比来客数を10パーセントアップする」など
3.「文章と数値目標、両方ともある目的」の例:「顧客満足度をアップして、売上を1000万円増加する」など
目的を明確化する
また、常に相手から「目的」を与えられるばかりではありません。
例えば、自らが進んで企画書を提出する場合は、自分自身が「目的」を明確にしておく必要があります。
これらの様に、どのような場合でも「目的」を明確にする必要がありますが、明確にした「目的」を自分自身で納得するだけでなく、企画書の中でも、再確認の意味も含めて明示していきます。
つまり、企画書の流れとしては、背景としての「現状」を先に書き、次に「目的」を明確して、最終的に「改善案=提案内容」を書くことになります。
【事例】
レジスター販売会社のAさんに、中堅スーパーB社からレジスターの買い替えの打診が来ました。そこで、企画書を作成して提案しようとしています。
しかし、「レジスターを買い替えたい」という希望はあるものの、その本当の目的は明確ではない状態です。
そこで、先方の担当者から「目的」をヒヤリングしました。そこで判明したのは、B社は「使用しているレジスターが古く、壊れやすいため、同等レベルのレジスターでいいので新しいレジスターに替えたい」という目的だったのです。
当初Aさんは、スーパー業界では導入されている事が多い「最新式のレジスター」を提案しようとしていました。
しかし、B社の担当者はしっかりと下調べをしており、最新式のレジスターであればPOSシステム(販売時点管理)などが導入できるが、予算の関係上、最新式の導入は無理と判断していました。
そして、今回は最新式を求めず、まずは「故障を回避する目的」でレジスターを買い替えたいということだったのです。
この目的をしっかりと把握できたために、Aさんは的確な企画書の作成が出来ました。
競合他社は、「最新式の方が良いだろう」とB社の目的とは違う企画書だったため、Aさんの企画書が採用されることとなったのです。
まとめ
・企画書は、「現状」と「目的」のギャップを埋める「改善案」を書くものなので、「目的」が明確ではないと企画書を書くことは出来ない
・企画書における「目的」とは、企画の対象者が「目指すもの」「望むもの」「企画を実施して得られる結果」などである
・企画書の「目的」には次の様な種類がある
1.「文章でしか表現できない目的」
2.「数値(数値目標)でのみで表現する目的」
3.「両者を合わせて表現する目的」
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