図解の基本(チャートとグラフ)
今回は、企画書図解について説明していきます。
この文章を読むことで、「図解の概要」「図解するときに注意するポイント」について学ぶことができます。
図解とは
企画書は、読み手の立場に立って読みやすいものにしていく必要があります。
読みやすくする手段として、「図解」を活用することは非常に有効です。
なぜなら、文章だけの場合よりも「読みやすい」だけでなく、「説得力も高まる」からです。
図解は、大きく分けて次の2つがあります。
(1)チャート(論理図解)
文章(要点やキーワード)を図形や罫線などを使って表現したもの
(2)グラフ
数値を図形や罫線などを使って表現したもの
つまり、「文章を図解する=チャート」「数値を図解する=グラフ」であるので、「文章」を対象にしているのか、「数値」を対象にしているのかで分けることができます。
図解するときに注意するポイント
図解する時に(チャート化やグラフ化する時に)気を付けるべき点がいくつかあります。
それは主に下記の3点です。
?読み手の目線の動きに合わせる
?図解の中でも強弱を付ける
?一枚のスライドに一つの図解にする
それぞれ説明していきます。
?読み手の目線の動きに合わせる
これは、人の目線が動く方向に注意し、それに合わせるということです。こうすることで「読み取りやすい図解」になります。
では、人の目線がどのように動くかというと、通常「左から右」「上から下」に動きやすいと言われています。
よって、図解する時もこの方向で図解していきます。
例えば、業務の流れを左右で図解する場合は、先に行う業務を左に書き、後に行う業務を右に書きます。
また、営業の流れを上下で図解する場合は、先に行う活動を上、後に行う活動を下に書きます。
また、一周するような「循環図」の場合、人の目線は「時計回り」のほうが理解しやすいと言われています。
例えば、計画の流れで、「計画」「実施」「評価」「改善」という循環図を書く場合、時計回りに順番に書いていくのです。
上記のように、読み手の視線の動きは、一般的に「左右の場合は、左から右」「上下の場合は上から下」「循環の場合は時計回り」と言われていますが、読み手によっては「どの方向に読み進めればよいか迷う」かもしれませんので、矢印で補足すると、図解が分かりやすくなります。
?図解の中でも強弱を付ける
図解を入れることによって、企画書自体が分かりやすくなります。しかし、単に図解すれば良いかというとそうではありません。
図解の中でも、強調したい部分があれば、それを強調するべきです。
強調の方法としては、「その部分だけ色を変える」とか、「罫線を太くする」などの方法があります。
また、不要な部分を極力削り、強調したい部分だけを残すことによって、強調したい部分が強調できるという考え方(方法)もあります。
?一枚のスライドに一つの図解にする
プレゼン用のスライドの場合は、原則「一枚のスライドに一つの図解」にしましょう。
複数の図解を載せると、論点がずれて「このスライドで何を伝えたいのか?」が相手に伝わりにくくなります。
よって、図解同士を比較するために、意図的に二つの図解を載せる場合など以外は、一枚のスライドに一つの図解のほうが分かりやすい企画書になるのです。
【事例】
Aさんは社内の業務改善をするプロジェクトに参加しています。業務改善の提案に関しては、関連部門の部門長が集まる会議で企画書を発表することになっています。その企画書の発表(プレゼン)の担当がAさんになりました。
そこでAさんは、プレゼン用ソフトのパワーポイントを使用して、プレゼン資料を作成することにしました。
説明文を文章で書くのと同時に、業務の流れはチャートで図解をしていきました。
業務の流れなので、左からスタートして右に書く場合と、上から下へと書く場合など、時系列を意識して(見る人の目線の動きを意識して)作成することが出来ました。
そして、企画書が出来たので、Aさんは実際のプレゼンの前に、プロジェクトメンバーの前で練習プレゼンをしました。
その中で、メンバーからは修正点を指摘されました。それは、一枚のスライドに複数の図解を書いたことでした。
これは、「複数図解があるとどちらが大事なのか分からない」という意見や、「複数の図解を入れることによって一つ一つの図解が小さくなってしまい、遠くからだと見にくくなってしまっている」という意見でした。
Aさんはこの練習をしたことによって、指摘された点を修正し、プレゼンに臨むことが出来たのです。
まとめ
・企画書は、読み手の立場に立って読みやすいものにしていく必要があり、その手段として「図解」を活用することは非常に有効である。
・「図解」には、(1)チャート(論理図解)、(2)グラフの二つがある。それぞれの違いは、文章を図解したものがチャートであり、数値を図解したものがグラフである。
・図解する時に(チャート化やグラフ化する時に)気を付けるべき点は次の3つである。
?読み手の目線の動きに合わせる
?図解の中でも強弱を付ける
?一枚のスライドに一つの図解にする。
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