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企画書作成の8つの心構え

企画書は提案書ともいうように、提案力が試されることになります。

 

提案力をつけるためには、現状把握がしっかりでき、そこから問題を発見し、課題を設定して、豊富なアイディアで、解決案を導き出せることが必要です。

 

つまり、企画書を作成するには様々な視点から見なければならず、普段から意識を高めていくことが大切になります。

 

そのためにも、企画書を作成するには次のような心構えを普段からしておくと良いのです。それを8つにまとめました。

 

?企画書の目的を明確する

 

?企画内容の条件を把握する

 

?一言で企画を伝えるようにする

 

?他の人の意見を取り入れる

 

?現場を訪問する

 

?伝え方を考える

 

?常に改善・改良をする

 

?客観的に見る

 

企画書作成の8つの心構え1

 

それでは、一つずつ順を追って説明していきます。

 

?企画書の目的を明確にする

 

企画書には必ず目的があります。これは、相手から企画書を依頼された場合でも、こちらから企画書を提出する場合でも同様です。

 

目的がずれてしまえば、結果(提案内容)もずれてしまいます。これでは企画書として成り立ちません。

 

よって、相手から企画書を依頼された場合、必ずヒヤリングなり調査なりをして目的を把握します。

 

企画書を依頼されているということは、必ずその必要性があるはずですので、そこを把握する必要があります。

 

こちらから企画書を提出する場合でも、作成前に「目的は何か?」を明確にしておきます。

 

明確にしておかないと、作成しているうちに何を伝える企画書かが曖昧になり、伝わりにくい企画書(=採用されない企画書)になってしまう恐れがあるからです。

 

?企画内容の条件を把握する

 

企画書を作成していく上で、必ず条件を把握する必要があります。

 

「提出期限はいつなのか?」「費用はどのくらいまで許容されるのか?」「決定は誰がして、実行は誰がするのか?」などです。

 

これらの条件を把握し、企画書に反映させる必要があります。これをしないと、企画内容が良くても、予算オーバーで不採用となってしまったり、提出期限に間に合わなくて不採用なども考えられるからです。

 

また、決定権者を把握しておかないと、採用されにくい企画書となってしまいます。

 

?一言で企画内容を伝えるようにする

 

企画書は現状や仮説、その検証、そして改善案と、様々な視点からの文章を書くことになるので長くなります。

 

説明を詳しくしていくために長くなるのは必要なことですが、一方で、長くなればなるほど読み手としては「何の話なのか」が分からなくなることもあります。つまり、読み手に企画の良さが伝わっていないことになります。

 

それを防ぐためにも、「一言で企画内容を伝えられる」ようにしておきましょう。

 

 

企画内容を企画書の冒頭で一言で伝えるようにしておくと、内容に興味を持ってもらうことが出来ます。また、最後に記載することで全体のまとめを伝えることが出来るようになります。

 

「一言で伝えることが出来ない」ようであれば、そもそも目的が明確でないか、企画書の提案内容が自分でもよく理解できていない可能性があります。

 

よって、一言で伝えることが出来るかどうかを考えながら作成すると、魅力的な企画書になるのです。

 

?他の人の意見を取り入れる

 

企画書を書くときに、様々な人の意見を取り入れる方が良い企画書になりやすいです。

 

これは、アイディアを出す際にも一人で考えるよりも、複数人で話し合った方がいろいろなアイディアが出ます。

 

また、現場の人の意見やその商品を実際に使っている人の意見を取り入れることは、企画書を作成して行くうえで必要不可欠です。

 

全く逆の考え方で、違う分野、業種、職種の人の意見や、年齢層、性別、ライフワークの違う人の意見を聴いてみるのも、とても参考になることがあります。

 

よって、他の人の意見をどんどん取り入れることによって、企画書の内容に厚みが出てきます。

 

?現場を訪問する

 

企画書というと、机の上で作業するイメージがあるかもしれません。しかし、企画書が採用され、実行されるのは現場です。

 

よって、その現場を見ないまま企画書を作成するのは、感覚の差異が出てしまいます。つまり、説得力のない文章になりかねません。

 

また、現場でしか気付かない点もあるので、現場に訪問してみることで企画書はより良くなるのです。

 

社内向けの企画書で、「社内のことなので知っている」と思っても、あまり普段行ったことがない現場であれば、現場に行くほうが良いことも多いです。

 

上記のように、現場に行ってヒヤリングするもの一つの手段です。

 

?伝え方を考える

 

企画書は、相手に読んでもらい、企画内容を理解してもらう必要があります。

 

つまり、分かりにくい文章や伝わらないような文章では、読んでもらえないかもしれませんし、読んでも理解してもらえないかもしれないのです。

 

よって、伝え方も考える必要があります。

 

 

文章だけで分かりにくければ、図や表を使う必要もあります。また、イメージが付きにくい文章であれば、「例え話」や「事例」を入れて、イメージを膨らませることも良いでしょう。

 

相手によって「どのように書けば伝わりやすいか」を常に考えて、作成して行く必要があるのです。そのため、「そもそも誰が読むのか」を把握しておく必要があるのです。

 

?常に改善・改良する

 

初めて企画書を作成する時には、先輩に聞いたり、本を読んだりしながら作成していくことになると思います。その上で、まずは自分で作成してみることが大切になります。

 

そして、企画書を作る度に「前回の企画書より、今回はここを改善しよう。ここを改良しよう」と、試行錯誤していく必要があります。

 

これにより、どんどんと企画書の作成が上達していくのです。

 

?客観的に見る

 

企画書が完成してもそこで終わりではありません。完成後、一旦時間をおいて客観的に見直すほうが良いのです。

 

誤字脱字の発見も出来ますし、「本当に伝わる文章になっているかどうか?」なども客観的に見た方が、気付く点も出てきやすいからです。

 

また、自分で見直すだけでは気付かない点もあります。

 

それを防ぐには他の人に見てもらうことも良いでしょう。これにより、読み手の立場で読んでもらい、改善点を指摘してもらうことが出来るようになります。

 

 

以上が、企画書を書くときの心構えです。

 

8つにまとめてみましたが、どれも心構えとして必要なものですので、しっかりと押さえておきましょう。

 

 

【事例】
Aさんは、部下のBさんに「職場環境の改善」の企画書を書くように指示しました。企画書を作成するのが初めてのBさんに、企画書作成の心構えを伝えておきました。

 

そこで、Bさんはその心構えで企画書を作成していきました。

 

 

まず、「?企画書の目的を明確にする」ところからです。

 

今回は、Aさんからの「職場環境の改善」という指示が出ているので、目的は明確となっています。

 

 

そして、「?企画内容の条件を把握する」です。

 

提出期限は、Aさんからの指示で3週後と決まっています。

 

一方、どのくらいの費用が許容できるかは指示されていませんでした。よって、Bさんは上司のAさんに「費用の許容範囲」を聞くことにしました。

 

「職場環境の改善」という漠然としたテーマですので、提案内容によっては費用が多大にかかることもありますが、今回はすぐに改善できるような小規模な改善を考えており、50万円以内という回答でした。

 

これにより、費用や期限などの条件を把握できたのです。最終決定権者はAさんではなく、Aさんの上司の取締役ということも分かりました。

 

しかし、Aさんの承認が無ければ取締役まで稟議されませんので、まずはAさんを納得させる企画書でありつつ、最終的には取締役を納得させる企画書である必要があると分かりました。

 

 

次に、「?一言で企画内容を伝えるようにする」ことです。

 

今回は、社内の企画書で上司からの指示も明確なので、「すぐに実行できる小規模な職場改善案」という一言で言い表すことが出来ました。

 

この一言は、作成する前に一度考えておき、実際に企画書が完成した段階で、再度的確な一言を考えることが必要です。この部分は最後の方でまた考えることにしました。

 

 

そして、「?他の人の意見を取り入れる」です。

 

現状把握をするために、各社員から意見をヒヤリングしていきました。

 

さらに、改善のためのアイディアをたくさん出すため、アイディアも募集することにしました。

 

 

次は、「?現場を訪問する」です。

 

これは社内の企画書であり、自分自身の職場でもあるので、前の各社員からのヒヤリングで現場の意見を取り入れることが出来ました。

 

上記の??をしていくことで、職場改善の中でも何をすべきかがハッキリしてきました。

 

それは、現在の机のレイアウトだとコミュニケーションが取りづらく、職場の連携が不足しているという点です。

 

よって今回は、「机のレイアウト変更によって職場コミュニケーションを改善する企画書」を作成することになりました。

 

これは、一部机や備品の購入や配線工事がありますが、費用も余裕をもって予算内(50万円以内)に収まることが確認できたのです。

 

 

続いて、「?伝え方を考える」です。

 

この企画書を読む人を想定してみました。まずAさんが読み、承認したら最終決定権者であるAさんの上司の取締役の承認が必要となります。

 

よって、Aさんだけが納得してもダメですし、取締役だけが納得してもダメなのです。

 

Aさんは普段から費用に厳しい人ですので、その部分の説明には計算式と表を使ってしっかりと伝えることにしました。

 

また、Aさんは現場をかなり詳しく知っているものの、取締役は現場を離れて長いので、現場の状況を伝えることにも注力しました。

 

 

さらに、「?常に改善・改良する」です。

 

今回、Bさんにとっては初めての企画書作成です。よって、上司のAさんから指導を受けながら作成していきました。

 

先輩の過去の企画書を参考にしたので、作成方法はなんとなく理解していましたが、実際に自分で書き始めると様々な改善点が見つかりました。

 

そうして、作成しながら読み手の読みやすい企画書に仕上げていくことが出来たのです。

 

 

最後に、「?客観的に見る」です。

 

一旦企画書が完成した後、客観的に見直してみました。すると、作成していた時点では気付かなかった説明不足の点が見つかり、修正していきました。

 

さらに、同僚に企画書を読んでもらいました。それにより、自分では気づかない誤字脱字があり、しっかりと修正が出来たのです。

 

そして、「?一言で企画内容を伝えるようにする」のところで行った作業をさらに具体的にしていきました。

 

作成前の段階では、「すぐに実行できる小規模な職場改善案の企画書」と一言で表しましたが、それが具体的に「机のレイアウト変更によるコミュニケーション改善の企画書」と一言で表せるようになりました。

 

これにより、「何のための企画書か?」が明確になり、改善につながっていったのです。

 

まとめ

 

・企画書を作成する際には8つの重要な心構えがあります。

 

?企画書の目的を明確する

 

?企画内容の条件を把握する

 

?一言で企画を伝えるようにする

 

?他の人の意見を取り入れる

 

?現場を訪問する

 

?伝え方を考える

 

?常に改善・改良をする

 

?客観的に見る

 

・企画書を作成する上で、最初に目的や条件を把握することは重要

 

・企画書の作成する途中で他の人の意見を取り入れたり、最終的にチェックのために他の人に読んでもらったりすると、企画書がより良くなる

 

・企画書を作成する時には、読む人の立場に立って、読みやすい文章、伝わりやすい方法を選択する

 

・企画内容を「一言」で伝えることが出来れば、「伝わりやすい企画書」になる

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