企画書の全体像
今回は企画書の全体像について説明していきます。
この文章を読むことで、「企画書の全体の流れを理解し、どのように作成していけばよいか」を学ぶことができます。
企画書の全体像とは
企画書の書き方に決まりはありませんが、長い間、様々な企業でやり取りがされてきましたので、「これだけは書いたほうが良い」というものがあります。
それが、企画書の三大要素と呼ばれるものであり、次の通りです。
?メリット(読み手、相手企業が企画内容を実行した場合のメリット)
?費用(企画内容を実行した場合の費用)
?スケジュール(企画内容を実行する場合の計画・期間・期限)
この三大要素を企画書に盛り込む必要があります。
しかし、初めて作成する場合、これ以外の部分はどのように書いていけば良いか迷うかもしれませんので、企画書の全体の流れを見ていきましょう。
?表紙・タイトル
?目次
?まえがき・はじめに
?目的
?コンセプト
?実施案
?要件
?組織図・体制図
?スケジュール
?予算
?想定課題
?おわりに
以上のようになります。
企画内容や提出先によっては、一部、削除や順序を変えることもあります。
しかし、初めて企画書を書く際や、一から企画書を作成する際は、以上の流れを基本形として活用すると、企画書の全体像(企画書の各項目)が出来上がります。
後は、これらに内容を肉付けするだけで、それが企画書となります。
例えば、文章作成ソフトのWordなどで文章形式の企画書を作成する場合であれば、目次に上記項目を並べることによって全体像が出来ますし、プレゼンテーションソフトのPowerPointなどで企画書を作成するのであれば、各ページの見出しに上記項目を記載していけばスムーズに作成することが出来ます。
また、この流れで作成する時にポイントになることがあります。
三大要素などが企画書の中心になるのですが、それ以外の部分も忘れて良いわけではないということです。
特に、「表紙やタイトル、まえがきの部分」は重要度が高いです。
誰に企画書を提出するのかによって若干は変わりますが、一般的に忙しい方に提出することが多いのです。
つまり、企画書を読む方が、「最初から最後まで確実に目を通すかどうか」は分からないのです。
そのため、最初の方で興味がないと判断されたり、最後まで読む必要がないと思われたりしたら、そこから先は読まれないのです。
そういったことを考えると、企画書の最初の部分の表紙やタイトル、まえがきなどが意外と重要度が高いことが理解できると思います。
例えば、どんなに面白い映画や本でも、タイトルや冒頭部分がつまらないと最後まで見ずにやめてしまうのと同じです。
もちろん、企画書の中心部分の内容が不足していれば、スタートが良くても採用されませんが、企画内容が良いという前提であれば、まずはスタートをしっかりと切ることが重要となるのです。
【事例】
パソコンメーカーのA社は、新製品のパソコンに使う部品の企画書を各部品メーカーに提出してもらうことになりました。
そのため、部品メーカーB社のCさんは、企画書を作成することになりました。企画書の全体像の項目に沿って作成していったので、作成自体はスムーズにいきました。
しかし、A社には何十社もの部品メーカーが企画書を提出するので、企画書を読む担当者も大変なはずです。たくさんの企画書の中で、内容までしっかりと読んでもらうためには、「まえがき」部分で、興味を持ってもらう必要があると感じていました。
そこで、「まえがき」の中に、「今回のB社の「売り」の部分は新技術を使った軽量化部品の提案であり、その軽量化部品を使えばパソコンも軽量化につながる」ということを要約して伝えました。
もちろん、本文にはそれらの内容(メリットや予算、スケジュールなど)が順を追って詳しく説明してあります。
その上で、まずは企画に興味を持ってもらうために、企画書の最初の部分で重要なことを伝えたのです。
これによって、B社の企画書は採用されることになったのです。
まとめ
・企画書の全体像は次の通り
?表紙・タイトル
?目次
?まえがき・はじめに
?目的
?コンセプト
?実施案
?要件
?組織図・体制図
?スケジュール
?予算
?想定課題
?おわりに
・企画書の全体像の項目を目次や見出しにしていくと、企画書の作成がスムーズになる
・企画書の内容はもちろん重要だが、読み手の立場を考えると、企画書の最初の部分(表紙やタイトル、まえがき)も重要になる
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