ビジュアルを活用
今回は、企画書におけるビジュアルについて説明していきます。
この文章を読むことで、「ビジュアルの概要と重要性」について学ぶことができます。
ビジュアルの役割
企画書を、読み手にとって「読みやすい」状態にするためには、文章だけでなく、様々な工夫が必要となります。その中で、「ビジュアルを活用すること」は有効な手段です。
文章だけの企画書より、ビジュアルがあったほうが「読みやすい」だけでなく、説得力が増したり、イメージしやすくなったりするからです。
例えば、長文で説明しなければいけないものでも、写真やイラストを入れるだけで短文で説明することができます。
また、数値を文章内に書くときも、表やグラフを入れたほうが説得力が上がるのです。
しかし、気を付けるべき点は、あまりにもビジュアルに頼りすぎると余計に分かりにくくなる可能性があることです。
読み手の気持ちになって、文章とビジュアルのバランスを考えながら作成する必要があるのです。
ビジュアルの具体例
では、ビジュアルとは具体的に何かというと、以下のようなものです。
?写真
?イラスト
?図、表、グラフ
それぞれ個別に説明していきます。
?写真
写真は、デジカメなどで撮影した写真や、インターネットや市販のソフトウェアで販売されているビジュアル集を活用します。
写真はインパクトが強いだけに、うまく活用すれば企画書の質が大幅に上がります。
逆に、失敗した場合のインパクトも強いだけに、写真の撮り方や選択は慎重に行うべきです。
?イラスト
イラストは、写真と違い絵で表現されるものですが、写真と同様にインパクトが強い企画書になることを助けるものです。
これもインターネットなどで無料のクリップアートを取得したり、購入したりして導入します。
イラストも「どのようなものを使うか」という選択は重要です。
固い内容の企画書内で、幼稚なイメージのイラストを使えば、企画書の質が問われてしまいます。
また、同じ企画書内でバラバラの作風のイラストがあると見づらくなるので、統一感を持った選択が必要となります。
?図、表、グラフ
図、表、グラフなどもビジュアル化の手段です。
文章で表現しにくい部分を図にしたり、表やグラフにしたりすることによって、分かりやすい企画書になるからです。
図、表、グラフを作成するときに気を付けるべき点は、「分かりやすさ」です。図、表、グラフ自体が分かりにくいと逆効果になります。
よって、数値などを表やグラフに置き換える時に、「どうすれば見やすい図や表やグラフになるか?」を考える必要があります。
パワーポイントなどのプレゼン用ソフトウェアの場合、簡単に図、表、グラフが作成できる機能もありますので、それらのソフトウェアを使うことで、見やすいものに出来るはずです。
【事例】
Aさんは広告代理店に入社したばかりの営業マンです。学生時代にワードなどのワープロ用ソフトで文章を作成したことはありますが、パワーポイントなどのプレゼン用ソフトは使ったことがありませんでした。
入社後の研修で、「パワーポイントを使用して企画書を作成し、皆の前で発表する」という課題がありました。
研修なので、社外に提出する企画書ではないのですが、パワーポイントを使うのは初めてなので戸惑ってしまいました。
最初は発表する文章をそのままスクリーンに映していましたが、練習を繰り返すうちに、この方法ではあまり上手く伝わらないことが分かってきました。
そこで、ビジュアルを活用することを思いついたのです。
見出しなどの必要な文章はあるものの、ビジュアルで伝えることが出来るものはどんどんビジュアルに変えていきました。図、表、グラフを使ったり、イラストを入れたりして、イメージしやすくしていったのです。
しかし、また練習しているうちに気づいたのです。
今度はビジュアルが多すぎて、伝えたいことが何なのかが分からなくなっていました。
そうして、文章とビジュアルのバランスの良い企画書に修正し、上手く発表することが出来たのです。
Aさんは、この研修を通して、後に実際の営業で作成する企画書の質を上げることができたのでした。
まとめ
・企画書を「読みやすい」状態にするためには、「ビジュアルを活用すること」は有効な手段である。
・文章だけの企画書より、ビジュアルがあったほうが「読みやすい」だけでなく、説得力が増したり、イメージしやすくなったりする
・「ビジュアルを活用する」とは、次の3つをバランスよく活用することである。
?写真
?イラスト
?図、表、グラフ
関連ページ
- パワーポイント(PowerPoint)での企画書の作り方
- 「目的」の書き方
- 「要件」の書き方
- 企画書の3つの役割
- 「スケジュール」の書き方
- 企画書を一枚にまとめる
- 要約をマスターする
- 「かんばん」を活用
- 「想定課題」の書き方
- 「表紙」・「タイトル」・「目次」の書き方
- 企画書の基本型体
- 企画書の3つの活用方法
- ビジュアルを活用
- ワード(Word)での企画書の作り方
- 企画書(提案書)とは
- 読み手に好かれる文章とは
- 適切な文章量とは
- アイディア発想法
- ダメな企画書のタイプ
- データを活用する
- 企画書例②(商品・サービス開発)
- 企画書例③(広告企画)
- 外延的表記と内包的表記
- オリエンテーションの重要性
- エクセル(Excel)での企画書の作り方
- 企画書作成の8つの心構え
- 「背景」の書き方
- 「予算」の書き方
- 箇条書きをマスターする
- 論理図解(チャート)をマスターする
- 最終チェックの9ポイント
- カラーリングのポイント
- 戦略的妥協の必要性
- 「コンセプト」の書き方
- 「おわりに」の書き方
- 企画書作成の7ステップ
- 資料は別途添付する
- 企画書の3大要素
- 企画書例③(広告企画)
- 企画書例①(教育・研修)
- 企画書例④(イベント)
- 企画書例②(商品・サービス開発)
- 企画書例⑤(総合企画書:マーケティング施策)
- 図解の基本(チャートとグラフ)
- フォントサイズを工夫
- オリジナルフォーマットの作成
- Googleドライブでの企画書の作り方
- グラフをマスターする
- 企画書の仮説と検証作業
- 企画とアイディアの違い
- 「実施案」の書き方
- 重要事項は先出し
- 「まえがき」・「はじめに」の書き方
- 企画書の事前調査のやり方
- 「組織図」・「体制図」の書き方
- 企画書の全体像
- 説得の手法
- 企画立案の6ステップ