適切な文章量とは
今回は、企画書における適切な文章量について説明していきます。
この文章を読むことで、「読み手の読みやすい文章量とは」について学ぶことができます。
なぜ適切な文章量でなければならないのか
企画書は、読みやすいものでなければ読み手に読んでもらうことが出来ません。企画書を読んでもらえなければ、採用されることも実行されることもないのです。
よって、企画書の文章量も読みやすさに直結するので、重要な要素となります。文章量が必要以上に多ければ、読みにくい文章となり、読まれない企画書になる可能性があるからです。
もちろん、必要があれば文章量が多くなるのは仕方がありません。
そのため、「適切な文章量で書くこと」がポイントになります。
例えば、社内の企画書などで、1ページにまとめることが出来るような場合でも、「なんとなく長い文章の方が評価されるかな」と考え、長文にしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、読むのは上司や経営幹部などですので、長い文章を読んでいる暇はありません。内容が漏れなく伝えられているのであれば、1ページで伝えたほうが忙しい上司などに読んでもらいやすいのです。
対して、取引先への提案の企画書などは、かなりのボリュームになることもあります。この場合も文章量に気を付けるべきです。
企画書を書いていると、あれもこれもと長くなりがちですので、書いた後に全体を見返し、無駄な部分がないかをチェックすることも必要となります。
全体のボリュームだけでなく、個々のページの文章量も気を付けましょう。1ページの中に伝えたいことを盛り込み過ぎると、内容が伝わりにくくなります。
ワードなどのワープロソフトの場合でも、箇条書きや図表を入れることによって読みやすくします。
また、パワーポイントなどのプレゼンソフトの場合であれば、なるべくワンシート・ワンメッセージ(1ページに伝えたいメッセージが1つ)になるように書いていきましょう。
プレゼンソフトは、詳細な文章で伝えるというよりは、イメージ(箇条書きや図表)で伝えるのに適しています。
なお、必要な法令の条文などを書く場合などは、長い文章になることもあります。この場合でも、15行を超えるような文章は避けるべきで、一部省略や要約をすることによって、読みやすくする工夫が必要となります。
【事例】
Aさんは塗装メーカーの営業マンです。今までは既存顧客へのルート営業をしていましたが、今回、新規顧客への提案営業の部署に配属になりました。
同じ営業とはいえ、ルート営業では企画書を作成する機会はほとんどなく、提案営業では「すべてが企画書からスタートする」という違いがあります。
そこでAさんは、まずは1件の企画書を作成することになりました。プレゼンソフトを使いながらの作成です。
一旦作成した後、提案営業の部署に長く所属している同僚のBさんにアドバイスをもらうことにしました。
Bさんからのアドバイスは、「プレゼンソフトなのに文章が長々と書いてあるので読みにくい」「もっと簡潔に書く」「1つのページに1つのメッセージを書く」でした。
Aさんはワープロソフトで文章を書くように、プレゼンソフトでも文章を長々と書いてしまっていたのです。そこで、Bさんのアドバイスに従って修正をしていきました。
こうして、Aさんは最初の企画書を完成させたのです。
その結果、この企画書は採用されることになりました。Aさんの部署では企画書が毎回必要となるので、この経験を元に、次からの企画書も読みやすい文章量を心がけて作成することが出来たのです。
まとめ
・企画書は読みやすいものしか読まれない。よって、読み手の読みやすい文章量にする
・必要があれば、長い企画書になるもの仕方がないが、書いているうちに長くなりやすいので、最後に読み返して不必要な部分を削る
・プレゼンソフトでは、ワンシート・ワンメッセージ(1ページに伝えたいメッセージが1つ)を心がける
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