「予算」の書き方
今回は、企画書における予算の書き方について説明していきます。
この文章を読むことで、「予算の概要」と「予算を書く際の注意点」について学ぶことができます。
「予算」とは
企画書の中での「予算」とは、「この企画案を実施したらどのくらいの費用がかかるか?」を伝えることです。
ほとんどの企画案は、費用がゼロということはありません。よって、社内向けなどの小規模の企画書ではない限り、「予算を書くこと」は、ほぼ全ての企画書で必要となります。
特に、採用されるかどうかの最終的な段階で「予算」はポイントとなります。
もちろん、企画案が良くないと「予算」のページまで読んでもらえないので、それまでも力を入れる必要があります。
しかし、「この企画案なかなか良いな」と思っていても、「予算が予想の範疇を超えているな」と思われた瞬間、不採用になることもあるのです。
よって、「予算」のページにも力を入れるべきです。
「予算」の具体的な書き方
「予算」の書き方も自由形式ですが、一般的な書き方は以下の通りです。
1.文章中に記載する
2.表形式で記載する
「文章中に記載する」というのは、短い企画書の場合であれば、「この企画案には○○円かかります。」などと書くことです。
また、大型の企画書の場合であれば、文章中だと分かりにくくなりますので、表形式にして書くと分かりやすくなります。
「予算をどこまで詳細に書くか」というと、これはケースバイケースです。
企画書が見積書を兼ねているのであれば、企画書の「予算」は正確である必要があります。
企画内容も最終決定でないラフ案で提出する場合は、「予算」も大枠で書くしかない場合もあります。
これはしっかりと先方に確認し、どちらのケースで提出するのかを決定してください。
「予算」を書く際の注意点
基本的な注意点ですが、クライアントに提出する企画書の場合は、「自社の利益を乗せた予算」を記載しなければなりません。
コスト(費用)だけを記載してしまえば、受注できたとしても利益がないという事態になってしまいます。
「予算」のページを書く上で、もう一つポイントがあります。
「予算」はお金の話なので、あまり深く突っ込みたくないのか、多くの企画書で「あっさりと数字が書いてあるだけ」という場合が多いです。
しかし、自分が何か商品を買おうとして、お金を出す時を例を考えてみてください。
広告を読んで、「この商品欲しいな」と思っても、最後に金額が高ければ購入を躊躇してしまいます。
しかし、そこで「後一押ししてくれる言葉や特典」があれば、購入しようかなと再考する場合も出てくるのです。
これは企画書でも同様です。
企画内容が良いという前提はありますが、最後の金額の部分で迷った時に、「後一押しする言葉があるかないかで採用か不採用かが分かれる」こともあるのです。
だからと言って、あまりにも余分なことを長々と書くと逆効果になるので、気を付ける必要はあります。
つまりは、読み手の気持ちがどのように動くかを考えて(=相手の立場に立って)「予算」のページを書く必要があるのです。
【事例】
Aさんはマーケティング調査会社に勤めています。今回のマーケティング調査では、主婦向けのアンケートをすることとなり、上司に企画書を提出しました。
主婦向けのマーケティング調査をすることは、上司からの依頼なので特に問題になりません。
今回は、「どのような調査を行うか」、そして、「その場合の予算がどのくらいになるのか」を承認してもらうための企画書です。
Aさんの経験上、ただ単にアンケートをしても主婦の方も忙しいので、なかなか返答がありません。
そこで今回は、主婦の方に気持ちよく回答してもらうために景品を付けることも考えており、それらを「予算」に反映して企画書を提出しました。
提出した「予算案」は、下記の図を参照してください。
その結果、上司に「予算」が承認され、アンケートの企画案は実行されたのです。
まとめ
・企画書の中での「予算」とは、「この企画案を実施したらどのくらいの費用がかかるか?」を伝えること
・「予算」は自由形式ですが、一般的な書き方には「文章中に記載する」「表方式で記載する」などがあります。
・「予算」のページは、読み手の気持ちがどのように動くかを考え(=相手の立場に立って)書く必要がある
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