「コンセプト」の書き方
今回は、企画書のコンセプトの書き方について説明していきます。
この文章を読むことで、「どのようなコンセプトを作り、どのように伝えていくか」について学ぶことができます。
企画書の「コンセプト」の概要
企画書は、「現状」と「目的」を明確化した後、その2つのギャップを埋めるような「改善案」を提案するものです。
そこで、ここからは企画書の改善案などの「提案部分の話」に入っていきます。提案部分では、「コンセプト」と「実施案」に分けて書くとわかりやすくなります。
「コンセプト」は、今回の提案内容がどのようなものかを伝える部分です。
提案内容の「切り口」や「発想」を読み手にイメージできるように伝えます。
そして、その後の具体的な実施方法については、次の項である「実施案」の方に書くことになります。
よって、「コンセプト」を「このコンセプトを読んだだけで凄く興味が沸いた」と思わせるようなものにする必要があります。
つまり、元々読み手に興味を沸かせるような提案内容でなければいけません。
しかし、魅力的な提案内容でも、伝え方が下手であれば興味を持ってもらえません。
それだけに、「コンセプトをどのように伝えるか」という点は重要なポイントになります。
コンセプトをキャッチコピーのように「この商品の導入で、売上が○○%アップする提案」というような短い言葉で伝えることもあれば、小説や映画のように、「ストーリー(5W1H)で読み手にイメージしてもらうような長い文章で伝えること」もあります。
忘れてはいけないのは、「コンセプトを短く書くか、長く書くか」というテクニック的な部分ではなく、「読み手に興味を持ってもらうようなコンセプトが必要」という部分なのです。
では、読み手に興味を持ってもらうためにはどうすればよいのでしょうか?
短くても長くても次の3つは押さえておくべきです。
1.メリット(読み手のメリットを書きます。)
2.イメージ(読み手のメリットがイメージできるように書きます。)
3.結果(提案を実施して結果出るまでをイメージできるように書きます。)
上記3つをすべて網羅するようなコンセプトでなくてもよいのですが、1つ以上は入っていると興味を持ってもらいやすくなります。
【事例】
Aさんは地域の小学生向けにサッカー教室を開催しようとしています。営利目的ではなく、地域の活性化や交流が目的です。
よって、練習の見学だけでなく、親も練習に参加し、子供たちと交流できるサッカー教室作りを目指しています。
しかし、それぞれの家庭の事情があり、親たちも忙しいので、単に「子供たちと一緒に練習しましょう」と伝えても興味を持ってもらえません。
でも、親にも参加してもらわなければ、地域の活性化や交流という本来の目的から外れてしまい、他のサッカー教室と変わりません。
よって、しっかりとコンセプトを考え、それを伝えることによって興味を持ってもらい、親たちにも参加をしてもらおうと考えました。
そこで、何人かの親同士で「良いコンセプトはないか?」と話していたところ、実はBさんが元プロ選手だったことを知りました。さらに、Bさんに指導を依頼すると快く引き受けてもらうことが出来たのです。
そして、「地域出身の元プロ選手が教える、親子サッカー教室」というコンセプトで企画書を出し、教室を開催しました。
そのコンセプトに共感してもらい、子供たちはもちろん、多くの親たちにも参加申し込みをしてもらうことが出来ました。
そうして、「地域の活性化や交流が出来るサッカー教室」が出来たのです。
まとめ
・「コンセプト」とは、今回の提案内容がどのようなものかを伝える部分
・「コンセプト」は、「このコンセプトを読んだだけで凄く興味が沸いた」と思わせるようなものにする必要がある
・読み手に興味を持ってもらうようなコンセプトを作成するためには、次の3つは押さえておくべきである。
・メリット(読み手のメリットを書く)
・イメージ(読み手のメリットがイメージできるように書く)
・結果(提案を実施して結果出るまでをイメージできるように書く)
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