パワーポイント(PowerPoint)での企画書の作り方
企画書を作成する際は、パワーポイントなどのプレゼン用ソフトを使用したり、ワードなどのワープロ用ソフトを使用したりすると便利です。
特に、プレゼンを前提にした場合には、パワーポイントを活用することは多いはずです。
よって今回は、パワーポイントでの企画書の作成方法を見ていきます。
パワーポイントで企画書を作成するときのメリット
パワーポイントを使うと、以下のようなメリットがあります。
?読みやすい企画書にしやすい
?フォーマット化がしやすい
?ページの入替、追加、削除がしやすい
?図、表、グラフが挿入しやすい
それぞれの詳細を見ていきます。
?読みやすい企画書にしやすい
パワーポイントには、企画書の作成を簡単にする機能が充実しています。
まず、テーマ(テンプレート)が用意されているので、一から自分で配置やデザインを考えなくても、それらを選択すれば企画内容に合ったデザインの企画書が出来ることになります。
表紙のタイトルや各ページの見出しも書く場所を指定されているので、それらのテーマ(テンプレート)を使えば、ある程度読みやすいデザインの企画書が出来上がります。
もちろん、テーマ(テンプレート)を使っても、自分なりのデザインやフォントにも変更可能ですので、慣れてきたらオリジナリティあふれる企画書にもすることはできます。
?フォーマット化しやすい
企画書は一回作成して終わりではありません。一旦作成した企画書を修正して再提出することもあれば、別の企画書の参考にすることもあります。
つまり、自分なりのフォーマットを作っておけば、「フォーマット化しておく⇒企画内容に合わせて修正する」という流れができ、スピーディに作成することが出来るのです。
?ページの入替、追加、削除がしやすい
企画書を作成していると、「話す順番を入れ替えた方が説得力を増す」という場合が出てきます。
その際に、パワーポイントだとページの入れ替えが簡単に出来ます。
また、「説明が足りなのでページを追加したい」「作成したもののこのページは不要だ」という場合もあります。
その際にも、ページの追加や削除が簡単に出来ます。
ページの入替、追加、削除が簡単に出来ることは、スピーディに企画書を作成する際には重要になります。
?図、表、グラフが挿入しやすい
企画書の説得力を上げるために、図、表、グラフを挿入することは重要です。パワーポイントを使うと、図、表、グラフを簡単に挿入することができます。
図を挿入するには、パワーポイント内にある「図形」から選択し、挿入することになります。「図形」には、四角や三角、丸などの基本図形や線やブロック矢印などが用意されています。
よって、それらの基本図形や線、ブロック矢印を組み合わせることによって、自由に図形を挿入することが出来ます。
しかし、図形の組み合わせをしていくのは、意外と時間がかかるものです。
そこで、もっと簡単で見栄えの良い図形を作成する機能があります。それは「SmartArt」という機能を使うことです。
「SmartArt」には、図形を自分で組み合わせなくても、良く使われる「リスト」「循環」「手順」「階層構造」などの図形の組み合わせがすでにテンプレートとして用意されているのです。
パワーポイントには「表」や「グラフ」が用意されています。それらを選択すれば、簡単に「表」や「グラフ」を作成できます。
しかし、パワーポイント内で作成できる「表」や「グラフ」の機能は限られています。
つまり、単純な「表」や「グラフ」ならパワーポイントだけで作成できますが、複雑な「表」や「グラフ」を作成したい場合、別のソフト(表計算ソフトのエクセル)を使った方が良い場合もあります。
その場合、複雑な「表」「グラフ」をエクセルで作成して、それをパワーポイントに貼り付ける方法があります。パワーポイントとエクセルは両方とも、マイクロソフト社のソフトですので、ソフト間の「表」「グラフ」の貼り付けが出来るのです。
以上のように、パワーポイントを使うと企画書のスムーズな作成が出来ますし、見栄えも良く、フォーマット化して、また別の機会に使うこともできるのです。
パワーポイントで企画書を作成するときのデメリット
では、デメリットがないかというと、そういうわけではありません。もちろんデメリットもあります。
例えば、以下のようなことが考えられます。
a)多くの人が使っているので、テンプレートだけ使っていると、他の人との差をつけにくい
コンペの場合など、他との差がつかないと選ばれにくい企画書になってしまいます。
よって、慣れてきたらテンプレートを使いつつ、オリジナルの要素を入れていく必要があるのです。
b)機能が豊富だが、それを使いすぎると逆に伝わりにくい企画書になってしまう
例えば、アニメーション機能を使うと動きのあるプレゼンが出来るが、多く使いすぎると見る側がプレゼン自体に集中できなくなるので、気を付ける必要があります。
c)文章が多すぎたり、文字が小さすぎたりすると読みにくくなる
パワーポイントはプレゼンを前提に作られているので、長い文章を書くと読みにくくなってしまいます。
また、プロジェクターで映写してプレゼンする際、文字が小さすぎると読めないというデメリットがあるので、気をつける必要があります。
以上のように、ポワーポイントを使う際は、デメリットに気を付けながら作成すれば、見栄えも良く説得力のある企画書が作成しやすいのです。
【事例】
Aさんは衣料メーカーのマーケティング部に入社したばかりの社員です。「季節ごとに新作の服を発売する時のマーケティング方法」を考えるのがマーケティング部の役割です。
今回、Aさんを含めて数名の社員が、新発売の服のマーケティング方法を企画書として提出することになりました。Aさんは企画書を作成するのは初めてですので、先輩のBさんから指導を受けながら作成しました。
Bさんからは「パワーポイントで企画書を作成したほうが良い」と教えられました。なぜなら、企画書を提出するだけでなく、上司の前でプレゼンをするからです。
Aさんはパワーポイントを使ったことがないので、Bさんに教えてもらいながら作成していきました。
まずは、テーマ(テンプレート)を選択するところからです。今回は社内向けのプレゼンですので、凝ったデザインよりシンプルなデザインのテーマを選択しました。
そして、一通り作成した後でBさんに見せると、「文章ばかりで伝わりにくい」と指摘されました。
そのため、説得力を上げるために、文章を少なくして図や表があるページを挿入することにしました。
最初は、Aさんも「図」や「表」を入れるのは難しいなと思っていたのですが、パワーポイントの「SmartArt」や「表」の機能を使うと簡単に作成できたのです。
こうして、初めての企画書の作成でしたが、パワーポイントの機能を使うことによって、見栄えの良い企画書を作成できたのです。
企画書としては出来上がりましたが、内容はまだまだ詰めが甘かったのか、採用はされませんでした。
しかし、今後も季節ごとに企画書を提出していくことになるので、今回作成した企画書を自分なりに改善しながらフォーマット化して、次の企画書に活かしていくことになったのです。
まとめ
・パワーポイントには企画書の作成を簡単にする機能が充実している。それらの機能を使うことによって読みやすい企画書になる。
・パワーポイントを使って企画書を作成すると、以下のようなメリットがある。
?読みやすい企画書にしやすい
?フォーマット化がしやすい
?ページの入替、追加、削除がしやすい
?図、表、グラフが挿入しやすい
・パワーポイントを使って企画書を作成する際のデメリット。
a)多くの人が使っているので、テンプレートだけ使っていると、他の人との差をつけにくい
b)機能が豊富だが、それを使いすぎると逆に伝わりにくい企画書になってしまう可能性がある
c)文章が多すぎたり、文字が小さすぎたりすると読みにくくなる
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