「スケジュール」の書き方
今回は企画書におけるスケジュールの書き方について説明していきます。
この文章を読むことで、「スケジュールの役割」「具体的なスケジュール作成方法」について学ぶことができます。
「スケジュール」の役割
企画書は自由形式ですが、「スケジュールを書くこと」は、ほぼ全ての企画書で必要となります。
「この企画を実施した場合、どのようなスケジュールで行っていくのか」がイメージ出来なければ、採用されにくいからです。
一方で、「採用されるかどうか分からない」「採用されたとしても、先方の都合でいつ開始されるか分からない」と考え、企画書の中に「スケジュールを入れることが出来ない」という考え方も出てきます。
しかし、変更がある可能性があっても、現時点で「企画を実行した場合のラフ案のスケジュール」でも書いておいたほうが良いのです。
それは、読み手が企画を検討する際、元になるスケジュールがあれば、そこから「この部分だけ変更しよう」とか「全体的に2週間遅らせれば出来るな」など、スムーズに決定、実行が出来るからです。
よって、企画書によっては「きっちりとしたスケジュール」の場合もあれば、「変更可能な余裕を持ったスケジュール」の場合もあります。
どちらにしても、スケジュールを作成していくことになるのです。
具体的なスケジュールの書き方
次に、具体的なスケジュールの書き方について説明していきます。
スケジュールも、読み手が分かりやすければ自由形式ですが、良くあるパターンとして以下の方法があります。
1.文章中に記載
2.表形式で記載
3.箱図形式で記載
4.ガントチャートで記載
それぞれ説明していきます。
1.文章中に記載
短い企画書であれば、スケジュールもそれほど複雑ではありません。
よって、文章中に「○月○日までに△△を行う」と書くだけでも、十分に理解してもらえるスケジュールになります。
2.表形式で記載
これは、スケジュールを表で作成する方法です。
「それほど複雑な日程ではないが、文章中に書くだけでなく、表で整理したい場合」に使います。
表で整理することができるので、読み手にも分かりやすくなります。
3.箱図形式で記載
表ではなく、箱型の図でスケジュールを表現したものです。
メリットは、プロセスを説明する時にイメージで捉えやすくなります。
しかし、デメリットとしては、複雑な日程になると逆に分かりにくくなる恐れがあります。
そのため、簡潔に表現したい時に向いている方法です。
作成方法としては、ワードやパワーポイントを使えばそれほど難しくなく作成できるはずです。
4.ガントチャートで記載
ガントチャートとは、工程管理などで使われるスケジュール表示方法です。
縦軸に各項目を書き、横軸を時間軸としてスケジュールを横矢印で図式化したものです。
上記の「表形式とイメージ図で表示するスケジュールの良い部分を合わせたもの」と考えると分かりやすいです。
このガントチャートのメリットとしては、複雑なスケジュールをイメージでとらえやすいので、大型プロジェクトのスケジュール表示に適していると言えます。
作成方法としては、ガントチャートは表と図を合わせたものですので、エクセルとワードとパワーポイントを上手く組み合わせると作成しやすくなります。
【事例】
Aさんはデパートの催事担当者です。今回、「バレンタイン企画」の責任者になりました。
そこで、どんなバレンタインイベントを行うか、企画書を作成して上司に提出することとなりました。
企画書が採用されるかどうかでスケジュールは大きく変わるので、企画書作成の段階としては、ラフ案で提出することにしました。
ラフ案ですが、見やすいようにガントチャートで作成し、提出しました。(下図を参照)
・企画会議の開催 11月
・企画案の作成 11月
・出演・出店交渉 11月後半から12月まで
・会場準備 1月
・イベント実施 2月1日〜14日
・イベント片づけ 2月15日〜2月28日
こうして企画書を提出し、上司からイベントの了解を得ることができました。
まとめ
・企画書の中に、「スケジュール」を書くことは必要。「この企画を実施した場合、どのようなスケジュールになるのだろう」ということがイメージ出来ないと採用されにくいため
・変更がある可能性があっても、「現時点で企画を実行した場合のスケジュール」は書くべき。それは、読み手が企画を検討する際、基になるスケジュールがあった方がスムーズに採用、実行が出来るため
・「スケジュール」は、読み手が分かりやすければ自由形式だが、良くあるパターンとして以下の方法がある
1.文章中に記載
2.表形式で記載
3.箱図形式で記載
4.ガントチャートで記載
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