外延的表記と内包的表記
今回は外延的表記と内包的表記について説明していきます。
この文章を読むことで、「企画書を作成する際にどのような表記方法を選ぶか」について学ぶことができます。
企画書の表記方法
企画書には「どのように書くのか」という厳密な決まりはありません。でも、人が読むための文章ですので、読み手が読みやすい記載方法にする必要があります。
よって、記載方法についてはある程度の形は決まってきます。今回は、その表記方法についてお話しします。
企画書の記載方法(表記方法)として、外延的記法(外延的表記)と内包的記法(内包的表記)というものがあります。元々は数学の集合における記法、表記方法から来ています。
企画書でも、記法、表記方法を使い分けると、分かりやすい企画書(相手が読みやすい企画書)になります。
では、外延的記法と内包的記法とはどんなものなのでしょうか?
?外延的記法
数学の集合論では、外延的記法とは、集合のすべての要素を並べて表記する方法です。
例えば、A社にBさんとCさんとDさんが所属しているという前提があった場合、外延的記法では、「彼らはBさんとCさんとDさんだ」という表現になります。
?内包的記法
数学の集合論では、内包的記法とは、集合に属するための必要十分条件を表記する方法です。
例えば、上記と同様に、A社にBさんとCさんとDさんが所属している場合、内包的記法では、「彼らはA社の社員である」という表現になります。
企画書でも、この外延的記法(外延的表記)と内包的記法(内包的表記)が使われます。どちらか一方を使うこともあれば、両方を使い分けることもあります。
例えば、見出しでは内包的表記を使って、結論では外延的表記を使うなどです。
表現方法をどのようにするのかは、企画書を読む相手を想定すると良いです。読む相手によって、分かりやすい表現が異なる可能性もあるからです。
つまり、読む相手によって、どのような表現方法が分かりやすいかを考え、表現方法も選択していく必要があるのです。
【事例】
Eさんはワインの卸売業をしている会社に勤めており、各スーパーや飲食店にワインを卸売しています。今回、新しいワインを仕入れて販売キャンペーンを行うことになりました。
その販売キャンペーンをスーパーや飲食店に提案するための企画書を書いています。そして、その企画書を書く上での表現方法を考えている最中です。
この新ワインは日本では今まで販売されたことが無く、実績がありませんでした。しかし、海外では昔からよく飲まれるワインです。
よって、どのようなお客様層(ターゲット層)が飲むのか調査がされました。
その調査の結果では、この新ワインを好む層は「30代女性と50代男性」だと分かっています。
そこで、その現状を企画書の中に盛り込むことにしたのです。つまり、この現状をどのように表現するかを考えているところです。
この場合、外延的表記では「30代女性と50代男性」、内包的表記だと「新ワインを飲むターゲット層」となります。
Eさんは、企画書の第一章の見出しを内包的表記で「新ワインを飲むターゲット層は?」という見出しにし、その内容を外延的表記で「30代女性、50代男性」だと書き、その後で調査内容を具体的に記載していったのです。
このように、Eさんの場合は、外延的表記と内包的表記を上手く組み合わせ、分かりやすい企画書にしていったのでした。
まとめ
・企画書の記載方法は自由記載だが、読む相手がいるので分かりやすさも必要である
・企画書の記載方法として、外延的記法(表記)と内包的記法(表記)がある
・外延的表記とは、集合のすべての要素を並べて表記する方法である
・内包的表記とは、集合に属するための必要十分条件を表記する方法である
・外延的表記と内包的表記は、どちらを使うと良いという決まりはないが、読む相手によってどちらを使うか、両方使うかを決めていく必要がある
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