アカウンティングとは
【アカウンティング(会計)とは】
アカウンティングとは、経営用語では「企業会計」という意味になります。
一般的に「会計」とは、例えば外食をしたときに「お会計」などと言うように、お金の支払い(あるいは収入)などのことを指します。
よって企業会計とは一般に、「会社のお金の支払いや収入」を管理することということになります。
そしてこのアカウンティングという概念は、近年日増しに重要なものになりつつあります。
その理由は大きく2つあります。
まず1つ目は、近年の社会や経済情勢の変化スピードが驚くほどに加速しているということです。
特にインターネットの発達によって消費者があらゆる情報を得やすくなったため、企業が開発する製品のライフサイクルは速くなり、ヒット商品の移り変わりが頻繁に起きるようになっています。
このため製品を生み出す企業にもスピード感のある経営が求められ、迅速な意思決定を「感覚」ではなく「数字」で行うことが必要になっているのです。
2つ目は、会社は「所有と経営の分離」によって成り立っているということです。
所有と経営の分離とは、「会社を所有する人と経営する人は違う」ということです。
例えばいわゆるオーナー企業で、出資者と経営者が社長一人の場合は、このような分離はありません。
そして実際には、そのようなオーナー企業が大半です。
しかし、株式を発行して資金を集めることで経営を行う株式会社の基本は、株主が出資を行って会社の所有者となり、経営は経営のプロに任せるというものです。
これが株式会社の仕組みです。
よって株主は経営がどのように行われているかはリアルタイムにはわからず、経営者による株主への状況説明が必要となります。
これがアカウンティング(=説明)なのです。
アカウンティングというとただの数字の羅列でよくわからないという人もいるかもしれません。
確かに財務諸表などは数字で表現されており、しかもそこに書いてある用語は専門的なものが多くなっています。
しかしそれらをただぱっと見て数字の羅列と思うのではなく、「経営者が株主などに経営状態を説明するために作成した説明書」であると考えれば、財務諸表の必要性も見えてくるのではないでしょうか。
財務諸表はただ公表するわけではなく、「会社のこれまでの実態を説明するもの」なのです。
そして財務諸表は、ある一定の基準に従って作成されています。
その具体的作成方法は、会社により異なる部分もあり恣意的になることもありますが、基本的な考え方は統一されており、過去との比較や他社との比較もできるようになっています。
会社の方向性というと、例えば経営理念やビジョン・経営方針などが思い浮かびます。
しかし、それはあくまでもその会社の夢や希望であり、実際の経営状態がどうかということまではわかりません。
それに対して、アカウンティングを知っていると具体的に会社の実態がわかるようになります。
そしてその会社が社会や経済変化にしっかり対応しているかどうかや、外部に対しての説明責任を果たしているかなども確認することができるのです。
アカウンティングを学ぶ意義は正にそこにあるということです。
また、最近ではブラック企業の問題などが報道されるようになっています。
少し極端な言い方ですが、財務諸表を見ればその会社がブラック企業かどうかを推し量ることも可能なのです。
アカウンティングを学ぶことは、経営の基礎を学ぶということです。
特に起業を考えている方や経営を勉強しようという方にとっては、このアカウンティングの概念は大変重要なものとなります。
アカウンティングをまったく知らずに経営を行うことは、会社の屋台骨がどこにあるかを知らずに経営を行うということだからです。
アカウンティングは、ひらめきなどを必要とするものではありません。
よって才能やカリスマ性が必要というわけではなく、理解をすればよいのです。
アカウンティングを学ぶことで、ぜひ会社経営の基礎を把握していきましょう。
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