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コアコンピタンスとは

今回はコアコンピタンスについて説明していきます。

 

この文章を読むことで戦略策定において重要なコアコンピタンスの概要や注意点について学ぶことが出来ます。

 

コアコンピタンスについて

 

コアコンピタンスとは、顧客に対して製品やサービスを提供していく中で、競合他社では真似できない自社独自の価値を提供するための中核となる力のことを指します。

 

全社戦略を立案する際には、?ドメインの設定、?コアコンピタンスの確認、?経営資源の配分を考慮する必要があります。

 

企業のコアコンピタンスとして挙げられるものは、ブランド力、技術開発力、物流ネットワーク網、生産方式などがあります。

 

コアコンピタンスの事例として「トヨタの生産方式」、「ホンダのエンジン技術」などがよく挙げられますが、これらだけがコアコンピタンスというわけでありません。

 

業務プロセス、組織力、人材力、ビジネスモデルもコアコンピタンスとなりえます。

 

コアコンピタンスとなるための要件は3つあります。

 

(1)競合企業が模倣困難であること

 

(2)顧客に対する価値創出に繋がること

 

(3)多様な市場に対して展開可能であること

 

コアコンピタンスとは1

 

例えばスポーツシューズ・メーカーのナイキの場合を見てみます。

 

競合企業の製品(スポーツシューズ)と比べた時に技術面、品質面で大きな差はないとも言えます。

 

しかし、そのような場合でも、消費者がナイキのシューズに対して高付加価値を感じるのは、「ナイキ」のブランドに価値を感じているためであり、ナイキにとってはこのブランド力がコア・コンピタンスとなっています。

 

【例題】
それでは、例題をとおして、「コアコンピタンス」についての理解を深めていきます。

 

ここでは、ソニーのコアコンピタンスについて見ていきます。ソニーはコンピューター、カメラ、オーディオ、テレビなどを取り扱っている日本を代表する総合電機メーカーです。

 

注意しながら、読み進めてみてください。

 

<例>
ソニーが日本を代表する電機メーカーへと飛躍することとなったのには、「ウォークマン」の存在が大きく影響しています。

 

ウォークマンはラジカセを小型化させたものとして1980年代では画期的な商品でした。まさに小型化技術がソニーのコアコンピタンスになり、その後の事業の発展に大きく貢献しました。

 

【解説】
ソニーのコアコンピタンスである小型化技術は、コアコンピタンスの3要件を満たしています。

 

1つ目は、ソニーの競合企業はウォークマンの発売直後にラジカセを小型化して携帯できるようにする技術を模倣することができませんでした。

 

2つ目は当時、大きなラジカセを持ち歩かないと外で音楽を聴くことができませんでしたが、外出時に音楽を手軽に聴くことができる生活スタイルへと変化させて消費者に価値を提供しました。

 

3つ目は、ソニーではウォークマン発売後もポータブルCDラジカセやポータブルMDプレイヤー、ポータブルテレビなどを次々と新商品を発売しており、コアコンピタンスを活用して横展開していました。

 

この3要件を満たしていたソニーは大きく事業を成長させたと言えます。

 

コアコンピタンスの注意点

 

事業戦略を策定する際に、把握している自社のコアコンピタンスを適用していくことになりますが、うまく適合させることのできる事業ドメインでこそ効果を発揮します。

 

例題で示したソニーのコアコンピタンスである小型化技術は、黒物家電(AV機器、情報機器など)の領域では力を発揮しますが、冷蔵庫やエアコンなどの白物家電領域では小型化することの価値はあまりありません。

 

そのため、コアコンピタンスをどの事業ドメインに適用するかを熟考することが肝要です。

 

まとめ

 

自社にとってのコアコンピタンスは何かを明確にし、競争優位の源泉である能力の強化と事業展開の検討が全社戦略や事業戦略を策定する際には不可欠となります。

 

事業ドメインを設定する際にも自社のコアコンピタンスを意識していくことが重要となります。

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