顧客分析
今回は顧客分析について説明しています。
今回の文章を読むことで、顧客分析の方法と目的を理解することができます。
顧客の状況を分析
「市場分析」でも述べましたが、市場の分析を行う上で必要なことは、「市場規模=平均単価×市場数量」となり、「平均単価」と「市場数量」を調査することになります。
ここでは顧客の状況を分析します。
顧客の需要やニーズが市場に影響を及ぼすことは当然ですが、ここでの顧客は自社にとっての直接的な顧客のみならず、顧客の顧客も見越す必要があります。
例えば、家電メーカーにとっての顧客は主に家電量販店(小売店)になります。
そこからさらに私たち消費者は家電を購入します。
そのため、直接的な顧客のニーズも重要ですが、私たち消費者のニーズも当然重要な分析対象となります。
ではどのようにして顧客の状況を把握するのでしょうか。
顧客の属性を分類することをセグメンテーションと言い、抜け漏れダブリなく(MECE)、セグメントを作成することが重要です。
例えば、男女、法人と個人、年代などです。重要なポイントは、これらのセグメント毎に需要が異なっていることです。
そのためには、予め仮説を立てておくことが大切です。
化粧品メーカーA社にとっての顧客の構造
化粧品メーカーA社にとって、直接的な顧客は「卸」や「小売」となりますが、卸から小売、小売から消費者へ販売されます。
次に顧客の状況を把握します。
市場内では多種多様な製品を様々な顧客が購入しています。
様々な顧客が存在するということは、それぞれにニーズが異なっていますし、需要の増減も異なってきます。
顧客の属性を明確にするのが”セグメンテーション”となります。
”セグメンテーション”を検討する際の留意点は、抜け漏れなくダブリのないようMECEにセグメント分類することです。
これらの軸は単独で使用することもありますが、下図のようにクロス(国×価格帯)で使用することもあります。
セグメンテーションを行う際の重要なポイントは、セグメント毎に需要やニーズに差が出るように分割することです。
差異がないのであれば、分割する理由がなく、意味がないためです。
そのため、セグメンテーションは調査を進めていく中で見えてくる部分も多分にあります。
しかし、帰納的に積み上げていくだけでなく、演繹的に仮説を持っておくことも重要となります。
セグメント毎の需要・ニーズを把握
現在の需要の状況を把握する上で重要なことは、市場に流通する数量と紐付けることです。
例えば、市場に流通する数量は、「市場数量=潜在ユーザー数×顕在化率×利用頻度」といった具合にどれだけの顕在化の余地があるのか、全体のユーザーの内、どれだけが顕在化しているのか、それぞれの顕在化したユーザーが期間単位(例:1年)毎にどれだけの商品を消費しているのか、といった要素に分解して調査を進めます。
具体的に化粧品(化粧水)市場において、製品と顧客セグメント別に把握します。
ここでは、一例として、個人・法人、世帯収入というセグメンテーションが分析に有効という仮説で進めます。
[高価格製品市場数量]
= 高所得世帯×利用率×高価格帯比率×利用頻度
= 中所得世帯×利用率×高価格帯比率×利用頻度
= 低所得世帯×利用率×高価格帯比率×利用頻度
需要の状況を裏付けたり、今後の需要予測を行うためには将来的なニーズが必要となります。
需要が移り変わっていくことも各セグメントにおける消費者ニーズが変動しているためです。
この例で言うと、世帯収入、利用率、価格帯比率、利用頻度といった要素を予測します。
まとめ
これらの要素に分解すること、そしてそれらに見合った情報を収集することは非常に作業量が多くなることもありますが、顧客の需要状況やニーズを理解しなければ、それに応じた製品を提供できないため、顧客分析は非常に重要な位置付けになります。
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