経営戦略を動かす仕組み(6W2Hでゴール設定と細分化)
今回は経営戦略を動かす仕組みについて説明していきます。
今回の文章を読むことで、戦略を動かす仕組みの作り方と重要性について学ぶことができます。
経営戦略を動かす仕組みとは
コンサルタントや経営企画部が描く経営戦略は「絵に描いた餅」となってしまうことが多く見受けられます。
当然、戦略を練っている間は「絵に描いた餅」になることを想定しているわけではありません。
しかし、後々振り返ると役に立たなかった、実現性に欠けていた戦略というのが散見されます。
戦略が機能しない理由は大きく2つあります。
?論理的に破綻している場合
現実味がなく、現状から考えた場合に突拍子もない戦略になってしまっている場合です。
このような場合は、ロジカルシンキングからやり直し、戦略を見直す必要があります。
?戦略を実行する仕組みが欠けている場合
この場合、戦略は論理的に成り立っており、実行する術が問題となっており、仕組み作りが重要となります。
これまでに成功してきた経営戦略には、戦略が実行されるための「仕組み」が不可欠です。
ここで言う仕組みとは、「経営管理」と「組織」に大別されます。
経営管理
経営管理は「計画」と「評価」に分けられます。
戦略を実行していくためには、日々取り組む仕事を明確に計画する必要があります。
また、それらの仕事をうまく行えているか否かを評価(チェック)する必要があります。
この計画〜実行〜評価〜再度計画といったPDCAサイクルをまわしていくことを経営管理と言います。
組織
戦略を実行するためには、ヒトやお金、設備などの経営資源を準備する必要があります。
これらの戦略を実行していくための体制を整備することを組織と言います。
戦略を実行するための計画立案
優れた戦略を描いている企業では、従業員一人ひとりの日々の行動にまで計画が落とし込まれています。
経営戦略の内容は従業員にとっては抽象的な内容になっていることが多く、日々の行動として何をすればいいのか戦略と紐付かないことが多くあります。
つまり、具体的な行動しやすい内容にに計画立案することが肝要です。
戦略を立案する際には実現したい姿を明確にしていきます。
どのような状態にもっていくのか、現状と比べて何をどの程度改善・改革していく必要があるのかを意識して戦略のゴール設定を行います。
<例題>
戦略を日々の行動に落とし込むためには、計画立案するところから始めることが重要です。
計画立案の際には、戦略を実行することで実現したい姿(ゴール)を設定します。
そのゴールは具体的な内容であればあるほど、日々の業務の中で戦略(=ゴール)を意識することができます。
では、戦略で実現したい姿を整理し、次に何をしていくべきかを考える際に「あるフレームワーク」を使うと有効的となります。
どのようなフレームワークを使うと計画立案がスムーズになるか考えてみてください。
<解説>
活用するフレームワークは「6W2H」のフレームワークを意識することが肝要です。
Who :計画を実行する人を明確にする(担当者を決める)
When :計画を実行する時期や期間を明確にする
Where:計画を実行する地域・場所を明確にする
What :計画で扱う対象を明確にする
Whom :計画で働きかけたい対象(顧客など)を明確にする
How :計画を実行するための方法などを明確にする
How much:計画を実行するための費用を明確にする
Why:計画を実行することの意味を明確にする
まとめ
戦略を「絵に描いた餅」にしないためには、仕組み化が重要となります。
そして、仕組みの経営管理と組織が重要であり、経営管理の中では計画〜実行〜評価のサイクルをまわします。
計画立案では、従業員が戦略を意識しながら日々行動できるレベルに落とし込むことが肝要です。
ここでの留意点は際限なく細かくするのは労力の無駄になるため、掛ける労力と実行できるレベルをバランスよく行っていきます。
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