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フィジビリティスタディ

フィジビリティスタディ

今回は、フィジビリティスタディについて説明していきます。

 

今回の文章を読むことで、実現可能性を加味した事業戦略の立案について学ぶことができます。

 

フィジビリティスタディ

 

事業戦略を立案するにも推進するにも経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)がかかってきます。

 

全社戦略のときと同様、事業単位の中で保有している経営資源は有限のため、目的・定量目標を満たす最適な施策を選択する必要があります。

 

事業戦略の方向性を検討する中で複数の施策が立案されることになります。

 

それらを総花的に行うのではなく、実現可能性を加味して優先順位をつけて取捨選択することになります。

 

この実現可能性を評価することを「フィジビリティスタディ」と呼びます。

 

フィジビリティスタディを行う上で重要なことは事前に評価項目を定義しておくことです。

 

評価項目は、一般的に「@戦略のインパクト」、「A競争優位性の持続力」、「B経営資源の充足度」、「C事業損失のリスク」を扱うことが多いです。

 

以下でそれぞれの項目について見ていきます。

 

フィジビリティスタディ1

 

@戦略のインパクト

 

戦略を実行するには、どの程度コストがかかり、達成した場合にどの程度の売上高、利益を得ることができるのかを評価します。

 

その際に目的・定量目標を満たせていない戦略・施策であったり、戦略の実行に膨大なコストがかかってしまうようでは実現不可となります。

 

売上高や利益を評価する際に有効なのは、現状成行き予測となります。

 

戦略による変動要因を乗せることで、戦略を実行した時の売上高や利益が求められ、定量目標を満たせるかどうかの検討が可能となります。

 

A競争優位性の持続力

 

戦略を打つのは自社だけではありません。

 

競合企業も同様、もしくは対抗するような戦略を実行します。

 

競合企業が戦略を打ってきた場合でも自社が持続的に競争優位性を保つことができるか否かがポイントとなります。

 

B経営資源の充足度

 

策定した戦略が自社で保有する経営資源(ヒト・モノ・カネ、情報)で実行できるか否かを評価します。

 

自社のみでヒト・モノが対応できない場合は、カネを使って外部からヒトやモノを調達できるかどうかも含めて評価を行います。

 

C事業損失のリスク

 

事業損失のリスクは、市場のニーズが予測していたよりも伸びなかった場合や、戦略の実行を失敗してしまった場合に業績に対してどの程度影響を与えるのかを事前に把握しておくことです。

 

その理由は、当然のことながら、机上で考えた戦略が実行面において100%成功するとは限らないためです。

 

戦略策定で陥りがちなのは、成功した時のプラス面のみを評価してしまい、マイナスの側面を見落としてしまうことです。

 

失敗した時のインパクトが大きい場合は慎重に進めるもしくは、リターン(プラス)に見合わないようであれば取りやめることを検討しなければなりません。

 

参考例:化粧品メーカーA社のフィジビリティスタディ

 

戦略方向性の策定(戦略方向性マップ)の記事で見てきた、戦略(1)の「低価格帯製品で数量を増大」について見ていきます。

 

投資コストはこれまでのノウハウがあるために「小」となっており、目標も達成見込みとなります。

 

競争優位性についても低価格帯製品のコスト競争力は当面、持続される見込みです。

 

経営資源について、ヒト、モノ、カネともに充足していると考えられます。

 

リスクについては、原材料の急激な高騰が挙げられますが、こちらが発生する確率は低いものの、販売単価が低い製品群のために影響度は大きくなっています。

 

これらを総じて、実現可能性は「◎」となっており、最優先で取り組む戦略の方向性と位置付けることができます。

 

フィジビリティスタディ2

 

まとめ

 

戦略の方向性は練れば練るほど、多くの方向性を見出すことができるでしょうし、詳細な施策にも落とし込むことができると考えられます。

 

しかし、自社で保有している経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)は有限という制限がある中で、いかにして各戦略方向性に優先順位をつけて、取捨選択するかが重要なポイントとなります。

 

そして、優先順位を考える際に実現可能性を検証することが大切であり、そのためのフィジビリティスタディとなっています。

 

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