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良い仮説の3要素 その4

【良い仮説の3要素】
ここまで、事例をとおして、良い仮説を構築するための要素について確認してきました。

 

最後に、それぞれの要素について、さらに理解を深めていきましょう。

 

仮説思考のレベルを高めるためには、個人個人が「良い仮説とは何か?」を理解することが大切です。

 

中途半端に納得してしまうのではなく、仮説思考の本質である「問題解決」に焦点をあてながら、より深く理解できるようにじっくりと読み進めてください。

 

<良い仮説の要素1:斬新な発想・オリジナリティ>
斬新な発想やオリジナルティを意識することは、より優れた意見を創出するためにも重要なポイントです。

 

既存のアイデアや、過去の成功体験をただ踏襲するだけのものでは、競合他社に打ち勝つことはできません。

 

さらに、うつりゆく社会のニーズに適応することも難しいでしょう。

 

必要なのは「視点の多角化」です。

 

視点の多角化とは、既存のアイデアや過去の成功体験を、見方を変えて検証し、新しいものへと昇華させることです。

 

斬新な発想とは言っても、なにもまったく新しいものが求められているのではありません。

 

顧客ターゲット、価格帯、市場、販売チャネル、広告プロモーションなどを変えることによって、アイデアが大きく成長することもあるのです。

 

真新しさを求めて意見が煮詰まってしまった場合には、縦、横、斜めから、発想を切り替えて考えてみましょう。

 

良い仮説の3要素

 

 

<良い仮説の要素2:問題の根幹からずれていない>
どれだけ斬新なアイデアを創出することができても、それが問題の根幹からずれてしまっていては意味がありません。

 

事例でSさんが示した意見は、自分たちが行うべき施策ではなく、本社と連携して行う「採用」に関するものでした。

 

それは、人事に関する権限を持っていない自分たちが行うべき施策ではありません。

 

求められているものに対する理解が不十分だと、こうしたずれが生じてしまいます。

 

まず、仮説を構築するために、「問題の本質は何なのか?」「最終的に、どうなることが望ましいのか?」と、考えるようにしましょう

 

会議の場では、スタートの段階から、そのような「ゴールのイメージ」を共有することも重要となります。

 

本来であれば、行動計画を立案するための会議が、いつしかお互いに責任をなすりつけるだけのムダな時間にならないように注意したいですね。

 

仮説を構築する際にも、ひとりよがりの意見では意味がありません。

 

思考過程において、問題の根幹からずれていないかと確認しつつ、仮説の精度をあげていきましょう。

 

良い仮説の3要素

 

 

<良い仮説の要素3:より具体的で実践可能である>
最後の要素は、より具体的で実践可能であるということです。

 

これは、とくにビジネスシーンでの仮説思考で言えることなのですが、学問とは違って、どんなに優れた意見でも机上の空論となってしまってはいけません。

 

なぜなら、ビジネスではつねに成果を求められるからです。

 

したがって、具体的で実践可能なアイデアでなくてはならないのです。

 

そのためには、仮説を構築する際に「自分がそれをできるか?」「チームで実行可能か?」という発想を持つと良いでしょう。

 

「誰がやるの?」「どうやってやるの?」という反論にしっかりと答えられるために、つねに意識しておきたいですね。

 

仮説思考は、使えば使うほど上達しますので、実際の行動とセットでくり返し行いましょう。

 

良い仮説の3要素

 

 

【まとめ】
・仮説と検証は、ただ行うだけでは効果が薄い
・「良い仮説」を構築するためには、次の3つの要素が必要
 <良い仮説の要素1> 斬新な発想・オリジナリティ
 <良い仮説の要素2> 問題の根幹からずれていない
 <良い仮説の要素3> より具体的で実践可能である
・どんな業務においても、仮説思考を実践するべき
・仮説思考を有効活用するためには、より深い理解が必要
・仮説思考は、使えば使うほど上達するスキルである

 

 

前のページ 「良い仮説の3要素 その3」

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